将棋の第45期岡田美術館杯女流名人戦(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント)で10連覇を達成した里見香奈女流名人(27)の就位式・祝賀パーティーが5日、東京都港区の明治記念館で行われ、棋士や女流棋士ら約150人が出席した。

 色とりどりのフルーツで描かれた「10」の文字。偉業を祝福するケーキを頬張った里見女流名人は「最初の時は高校3年でした。学生から社会人になって周りの方々の支えを実感し、少しは成長できました。これからも『今』を大事に、一生懸命頑張って参ります」と述べ、拍手を浴びた。

 1〜2月にかけて行われた5番勝負では、伊藤沙恵女流二段(25)の挑戦を3勝1敗で退けて防衛。林葉直子さん以来28年ぶりとなる女流棋戦史上最多タイのV10を達成した。「でも、もう過去のことなので。来期は一新して臨みたいです」。10+1と位置付け、11度目に臨む。

 女流4冠を保持する挑戦者として9日からマイナビ女子オープン、25日から女流王位戦を戦う。連続奪取すれば6冠、全7冠制覇も視野に入ってくる。「全てのタイトルを取れたらどんなふうになるのか、という興味はあります」。大きな節目を越えた王者は、瞳を輝かせながら力強く言った。(北野 新太)

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里見女流四冠は、女流棋士の中では断トツの存在。敵は、男性棋士しかいません。にもかかわらず、囲碁と違って、将棋では男性棋士と戦う機会は少ない限り。残念なことです。