こういう人の話を聴くと、素直に頭が下がります。
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「私は今も青春」71歳の高校生、首席卒業 愛知
朝日新聞 2014年3月1日19時39分
2月28日夜にあった愛知県立碧南高校定時制の卒業式。記念撮影に並んだ卒業生の中に、白髪の男性が1人いた。同県碧南市で工務店を営む尾崎琢美さん(71)。4年間の通知表はオール5で首席で卒業。「感無量です」と笑顔を見せた。
56年前の春、愛知県豊橋市の県立豊橋東高校に入学した。だが、家庭の事情で高校1年のとき休学。その後、住み込みで木型を作る仕事を始め、高校に戻れなかった。
医者になりたかった。小学6年のときに五つ下の弟を病気で亡くし、自身も左目を失明した経験からだ。
1959年、伊勢湾台風で職場を失い、各地の復旧工事現場で働いた。これがきっかけで建築の道へ。21歳で独立し、現在は3人の1級建築士ら約10人が勤める工務店を営む。
「もう一度学びたい」。そう思うようになったのは約4年前の冬。娘2人が通った碧南高校の前を通ったときだ。午後9時を回っても教室に明かりがともっていた。定時制の授業だった。
今年50周年を迎えた会社の後継者も育った。途中で断念した勉強を、もう一度やってみたい。「思い切って行くことにしました」。碧南高校の定時制で50歳以上年の離れた同級生と机を並べた。
同級生で漁師の富田鉄兵さん(19)は「口うるさいおじいちゃんに見えるけど、面倒見が良くて優しい」と話す。自分が捕ったアサリを贈ると、うなぎをおごってもらったという。
例年、約40人の入学者のうち卒業するのは半分以下。今年は27人が卒業した。4年間担任だった小島宏之教諭(35)は「多くの生徒が残ったのは、尾崎さんのおかげ」と話す。気持ちの折れそうな生徒に声をかけていたという。
卒業式後、記念撮影の輪に飛び込んだ尾崎さん。「青春は自分の心の中にある。私は今も青春です。学んだことを生かして社会のために働けたら。次は農業をしようかな」(山下裕志)
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会社を50年もやるのは並大抵のことじゃありません。そのうえ、71歳で高校を卒業する。この記事を読んだだけで、熱いものがこみあげてきます。
有名じゃなくても、尊敬できるロールモデルはどこにでもいらっしゃるものです。貧乏英語塾長も、もっと努力しないといけません。
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