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アメリカは禁煙国家になれるか

2014年09月09日 06時32分47秒 | 離煙ニュース: 海外編

タバコと縁を切る離煙運動中の貧乏英語塾長としては、とても気になる記事です。記録しておきましょう。

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米国は禁煙国家になるのか?
日系ビジネスON LINE 2014年9月9日(火)  堀田 佳男

 長い間、米国が世界最初の禁煙国家になると思ってきた。米国は日本以上にタバコへの締めつけが厳しく、禁煙国家への道を歩み続けているように見える。成人の喫煙率はすでに18.1%(2012年)にまで低下している。遠くない将来に「もうタバコは全面的に禁止しよう」という連邦法が成立する可能性がある

大手ドラッグストアがタバコ販売を中止

 この動きに拍車をかけるようなことが今月3日に起きた。全米第2位のドラッグストア(日本の薬局とコンビニエンスストアが併合した業態)であるCVSケアマーク(以下CVS)がタバコの販売を中止したのだ。全米で展開する約7600の店舗のすべての棚からタバコを撤去した。実は今年2月、CVSは10月1日までにタバコの販売を止めると宣言していた。その時期をほぼ1カ月前倒して断行したのである。

 タバコと関連商品を含めたCVSの年間売上は約20億ドル(約2080億円)に達していた。禁煙の波が広がっているとはいえ、経営側としては、2000億円強の売上高をゼロにすることは苦渋の選択だったにちがいない。

 ラリー・マーロ最高経営責任者(CEO)兼社長はその理由をこう述べている。「長い間、我が社は健康増進を目的にした商品を売りながら、同時にタバコも売るという自己矛盾を抱えてきました。長期的な視点から、企業が進むべき道を示すべきと考え、今回の決定をいたしました。これからは民間企業の決断が行政政策を動かさなくてはいけないと考えます」。

 勇断と呼んで差し支えない。企業の社会的責任(CSR)の実践でもある。利益至上主義の組織では、2000億円をゼロにする決断はしにくい。まず役員会が了承しないだろう。そればかりか、タバコを販売しないことで、顧客が競合他社やコンビニに流れてしまうことを恐れるにちがいない。しかしCVSは社会の先を見越したかのように、タバコの販売中止へと舵を切った。同時に社名をCVSヘルスにするという。

実は先行しているブータン

 冒頭で「世界最初の禁煙国家」と書いたが、実は、ヒマラヤ東部に位置する仏教国、ブータンが既に禁煙国家になっている。2004年12月に国内でのタバコ販売を禁止した。

 ジグミ・シンギ・ワンチュク前国王が提唱した国民総幸福(GNH)という考え方に基づいて禁煙法を施行したのだ。ただ、国外から持ち込まれたタバコを自宅で吸うことはできる。

 ブータンが比較的スムーズに禁煙国家に移行できたのは、当時ブータンの喫煙率が10%以下にまで落ちていたことや、人口が69万人(当時)という小国であったことも要因としてある。

地方自治体が禁煙に動く

 それでは米国はどうか。

 現在まで、タバコ販売を禁止する連邦法は成立していない。販売禁止の法案を提出すれば、ほぼ間違いなくタバコ企業のロビー活動で潰される。

 米国では連邦政府よりも、地方自治体が活発に販売禁止や禁煙に動いている。特に顕著なのがカリフォルニア州サンフランシスコ市マサチューセッツ州ボストン市の2都市だ。どちらも08年以降、ドラッグストアでのタバコ販売を禁止している。

 米国で禁煙の波が強まったのは20年ほど前のことだ。まずカリフォルニア州が94年、全米に先駆けて職場やレストランでの喫煙を禁じる法律を成立させた。その後、雪崩のように他州が追随した。

 そしてタバコメーカーにとって決定的と呼べる訴訟問題が起きた。96年8月、フロリダ州ジャクソンビル市で、長年「ラッキーストライク」を吸い続けていた男性(当時66歳)が肺がんを発症し、製造元の米ブラウン&ウィリアムソンを訴えて勝訴したのだ。

 それまでのタバコ訴訟で、被告のタバコメーカーが敗訴した判例はほとんどなかった。というのも、メーカー側が使う「タバコをやめるかやめないかは個人の自由意思であり、喫煙の習慣を絶てないのはメーカーの責任ではない」という論理が説得力を持っていたからだ。

 ところが、肺ガンの男性は75万ドルの賠償金を勝ち取った。勝訴の理由は、同年3月、大手フィリップ・モリスに勤務していた研究者3人が、米食品医薬品局(FDA)に対し、「大手タバコメーカー数社は故意にニコチン濃度を調整していたほか、ニコチンの常習性を知りながら隠していた」事実を暴露したからだった。それ以来、タバコメーカーは訴訟で負け始める。

CVSの意気込みが社会を変える可能性

 CVSがタバコ販売を中止するとのニュースは全米で大きく取り上げられたが、タバコの消費量を画期的に下げるまでには至らない。というのも、タバコの販路全体を100とした場合、ドラッグストアで売られるタバコのシェアは4%でしかないからだ。米国では、タバコ販売量の48%がガソリンスタンドで売られている。さらにタバコ専門店が21%、コンビニが16%を占める。CVSがタバコ販売をやめても大勢に影響がないのが実状である。

 ただCVSのラリー・マーロCEO(最高経営責任者)の「民間企業の決断が行政政策を動かす」という意気込みは大きい。長期的な視野に立てば、先駆的とさえ言える。こうした動きが市民運動を加速させ、行政、立法を動かし、やがてはタバコメーカーをも動かす原動力になるかもしれない。

 タバコ販売を禁止する連邦法を成立させるのは困難を極めるだろうが、国民の9割以上が支持する環境になれば成立するかもしれない。そう遠くない将来、「米国、禁煙国家へ」という見出しが新聞紙上で踊る日が来ても不思議ではない。

 ただ米国のような巨大なタバコ市場はすぐには消失しないだろう。タバコ販売の禁止は、タバコの闇市場の誕生を促すにちがいない。密輸が増えて1箱数千円の値がつくことも予想される。それが現実の世界だ。

 以前、取材したワシントンの行政担当者は既に闇市場ができることを想定しており、取り締まりを強化していくことで流通をなくすことができると推論していた。

 近い将来、「そう言えば、タバコってあったよね」と語られる日が、米国で本当にくるかもしれない。米国が将来、禁煙国家になるかという仮説は、ブータンのように喫煙率が10%を切った時点で、実現の可能性が見えてくるように思う。

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アメリカが禁煙国家になるのにはまだ相当時間がかかることでしょう。しかし、いずれはそうなります。少なくとも、10年、20年のうちに州単位では多くの州がタバコの販売を全面的に禁止するようになるはずです。うらやましい限りです。

昨日は、帝国ホテルのインペリアルバイキング・サールで食事をしたのですが(29年ぶりでした)、広いフロアが完全禁煙なのでそこを選んだのです。おかげで、とても気持ちのよい環境で美味しく食事をいただけました。食いしん坊の貧乏英語塾長、元を取ろうと必死になって食べ過ぎてお腹がはち切れんばかりになってしまいましたが(冷汗)。

ところが、その入口の横にはタバコの自動販売機が置いてあるのです。同じ階にバーインペリアルラウンジ・アクアがあって、そこではタバコが吸えるので(分煙)置いているのです。日本の飲食店の完全禁煙化はまだまだだと思いました。帝国ホテルにして、この対応。ちょっと残念でした。

とにかく、アメリカと比べれば、日本の禁煙状況は最悪そのもの。せめて飲食店ぐらいタバコの煙のしない空気の美味しいところでゆっくりと食事をさせてもらえないかと願う次第です。


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