将棋の第60期王位戦7番勝負第7局が26日、東京都千代田区の都市センターホテルで前日に続いて指し継がれ、後手の挑戦者・木村一基九段(46)豊島将之王位(29)=名人=に勝ち、史上最年長となる46歳3か月での初タイトルを獲得した。

 振り駒で先手を握った豊島が得意の角換わりに誘導した一局。序中盤から互いに長考を重ねるなど緊張感に満ちた展開になったが、最後は木村の勇気あふれる指し回しが勝利をたぐり寄せた。

 木村は1973年の第21期棋聖戦5番勝負で当時37歳6か月の有吉道夫九段(84)=引退=が棋聖を獲得した時の最年長記録を46年ぶりに一気に9歳分も更新した。7度目のタイトル挑戦での初戴冠も史上最多となった。

 両者は今夏、王位戦7番勝負と平行して竜王戦挑戦者決定3番勝負(2勝1敗で豊島が勝利)でも激突し「真夏の10番勝負」とも呼ばれた戦いを続けてきた。多くのファンを持つ2人による最終局だけに、熱い視線が注がれた。

 豊島は昨期から棋聖、王位、名人を連続奪取して3冠となったが、今期に入って棋聖、王位を連続失冠。またしても自身初防衛を実現できなかったが、10月11日に開幕する第32期竜王戦7番勝負で広瀬章人竜王(32)に挑戦し、2冠復帰を目指す。

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あきらめず、努力し続けられた結果でしょう。頭が下がります。見習わねば。