この日紀尾井ホールにいた人は、幸せ者です。
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小澤征爾さん、若手演奏家を指揮 好きな曲を10分間
朝日新聞 2019年8月1日19時01分
指揮者の小澤征爾さん(83)が7月31日、東京都千代田区の紀尾井ホールでの演奏会に出演し、アジアの若手演奏者たちを相手に約10分間指揮した。ともに織り上げたのは、自らが好きなベートーベンの弦楽四重奏曲だった。
この日は若手の勉強会「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀」の東京公演だった。「アカデミー」は、1996年に「若い人たちのためのサイトウ・キネン室内楽勉強会」として発足。毎夏、長野県山ノ内町の奥志賀高原で約20人の若手を世界的な演奏家が1週間から10日の合宿で指導し、その成果を現地と東京での演奏会で披露してきた。
東京公演には、約550人が来場した。小澤さんはアカデミーの受講生と講師全員によるアンコールに登場。指導にあたったチェロの原田禎夫さん、ビオラの川本嘉子さん、バイオリンのジュリアン・ズルマンさんの元を回って握手を交わすと、椅子に腰掛け、べートーベンの「弦楽四重奏曲第16番」の第3楽章を静かに振りだした。上半身を揺らせ、時に左手を大きく動かして、演奏に強いコントラストをつけていた。
演奏が終わると、満場の拍手に笑顔で応え、右手を何度も振りながら退場した。
事務局が正面から撮影した映像は、小澤さんが演奏後、感極まったように目をぬぐう姿をとらえている。
今回のアカデミーには日本、中国、韓国、台湾から17~32歳の計24人が参加。小澤さんは昨年の奥志賀の演奏会でも指揮をした。今年は、5月に水戸室内管弦楽団の定期演奏会で指揮して以来。今月中旬に開幕する長野県松本市での「セイジ・オザワ松本フェスティバル」では指揮をしないと発表している。(西正之)
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こういっては何ですが、いつ死んでもおかしくないマエストロです。たとえ10分でも、その指揮ぶりを見られたら、それだけで一生の想い出でしょう。
紀尾井ホールは、こじんまりとしたホールで、室内楽やソロ演奏を聴くには最適の場所。さぞかし美しい16番が聴けたのだろうと、その場にいた人に嫉妬してしまいます。
ともあれ、マエストロには一日も長く生きて、すばらしい音楽を演奏してもらいたいものです。
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