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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ドゥスカ」

2009-03-23 | 映画(DVD)
「オランダ映画祭2009」

「ドゥスカ」2007年 オランダ 監督:ヨス・ステリング

自由な独り暮らしを満喫する映画脚本家のマンションに、ある日突然「ドゥスカ」と名乗るロシア語しか話せない男が押しかけた・・・。正体不明の男をなかなか追い払えない主人公のジレンマをコミカルに描いている。

恐ろしい不条理映画、ストーカー映画をコミカルに。
言葉が通じない。意味不明の男に付き纏われるといった「世にも奇妙な」的な物語は好みなもので・・・

監督のヨス・ステリングはカンヌ、ヴェネツィアで最高賞にノミネートされたオランダ映画界の重鎮。

前半部の科白なしで脚本家の男の生活と映画のチケット売り場の若い女性との関係を綴っていくあたりは見事。
毎日近所の映画館に通っている脚本家のボブは何となくチケット売り場の女性が気にかかる。この若い娘は風船ガムを膨らませたりしてお行儀が悪い。仕事が終わると革ジャン、ヘルメットに身を包み、ボーイフレンドのバイクの背にピッタリくっついて帰っていく。
ボブはレストランでも若い店員がおしゃべりに夢中で注文を取りに来ないので諦めて帰ったりしている。若い娘にあまりいい印象を持っていないはずだ。
ある日、彼女が雨の中ボーイフレンドと喧嘩別れする場面に遭遇。彼女は無言でボブの車の助手席にもぐりこむ。ボーイフレンドも帰ってしまい、しばし沈黙のあと漸く彼女が発する言葉「これ、何?」(吊るされたチキンのアクセサリーを指して)「車を出せば・・・」
ボブの自宅に連れ込み、さてこれから初老の男と若い娘の恋愛映画という段でのドゥスカの登場。

あらゆる試みをしてもドゥスカを追い払えないボブ。ウサギはシッシッで追い払えるんだけどね・・・
頭に来てブチ切れることも数度。
ロシア語通訳のイゴールを通じて「いつ帰るんだ」と聞くと「心配するな、ボブを1人にはしない。望む限り居てあげる」と・・・・

クリスマスの夜、恐らく甘口で不味い酒を注ぎ「世の中の全ての寂しい人に乾杯」とドゥスカ。意味深・・・

パンフレットでは90分と発表されていたが、上映は117分に変更。
単なる間違いなのか?一度物語りは終わったように見え、ラスト30分ほどは後日譚を付け足したようにも思える。
後日譚「ボブ!、ボブ!」というおぞましい呼びかけに懐かしさを感じているボブが描かれる。

さて、チケット売り場の女性のシナリオへのリクエスト「ハッピー・エンドにして」はどうだったのか。
片田舎で騙されてドゥスカのように車に置いてけぼりを食らわされるボブだが・・・・

とって付けたような後日譚も落ちは秀逸。

オランダ映画、もうちょっと観たかったけれど、今回はこれだけ。

京橋 国立近代美術館フィルムセンター

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