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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「花弁のしずく」

2008-04-27 | 映画(DVD)
ラピュタ阿佐ヶ谷 「愛と官能のプログラム・ピクチュア 日活ロマンポルノ名作選」

「花弁のしずく」1972年 日活 監督:田中登

鎌倉を舞台に、不感症の人妻が性の悦びを回復するまでを描いた田中登の記念すべき監督デビュー作。医師の診察によってヒロインの性的トラウマが明かされていく。

昨年、有志たちのカンパによりジャンク状態だった映画を復活させ話題になっておりましたこの映画、評判もなかなか良いようですので楽しみにしていました。

こちらとしては不感症のご婦人の濡れ場なんて見てもちっとも面白くない。このテーマであれば当然不感症だったご婦人が目覚めた後の淫乱ぶりとの対比に焦点は当たる。中川梨絵(このロマポ初期の女優さんは実はあまり馴染みが無いのだけれど)は前後の対比を無難に演じわけていたかと思います。
それよりもトラウマ、観念を治療により打ち破った時のカタルシス、号泣演技が凄かった。

テーマは女性にとっても深刻な問題であり苦悩の様子を見事に描いている。所詮男目線の作品であるかもしれないけど、ロマポきっての女性映画なんじゃないだろうか。女性ファンも多いようなのでどのように感じて鑑賞されているのかは興味深いところ・・・

男としては、自分自身が不感症の原因の一つである事にも気付かず、「君のような女と結婚した男は不幸だ」と罵り、他の女性とやりまくる身勝手亭主(三田村玄)が良くて感情移入。「あなたは私の事など、何も解っていないのよ」・・・はい、その通りでございます。

治療と称して小さなコルク栓を使用する医者のバカバカしさもたまらない。え、誰だ女性映画だなんて言ったのは。ちゃんと男のためのポルノじゃないですか。

天井に舞う着物や金魚鉢、中川梨絵が暖簾や格子を連続で潜り抜けるシーンなど、デビュー作から田中登監督の斬新な映像が楽しめる。

トラウマの原因に「終戦の日に見た両親の秘め事」なんていうのが出てきてちょっと驚いた。冷静に考えれば1948年生まれの中川梨絵は当時24歳、実年齢より少し上の役だとすれば時代的に合う。そんなに古い映画なのかと意外に思ってしまったわけです。それだけ古臭さが無いという事か。

今回、高橋明は犬を連れたパン食いレイプ魔。出番は少ないものの圧倒的存在感でした。

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