JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「地獄の饗宴」

2008-03-21 | 映画(DVD)
「地獄の饗宴」1961年 東宝 監督:岡本喜八

コールガールのポン引きをする傍ら、いかがわしい写真を現像し、売りつけていた戸部修(三橋達也)、ある日、新橋駅で拾ったネガを現像してみると、そこには軍隊時代に自分をいじめぬいた鬼教官・伊丹(田崎潤)が愛人(団令子)が情事に耽る姿。写真をネタに強請ろうと伊丹の居場所を突き止めたものの・・・

三橋達也のアクション・ヒーローってなんだか中途半端なような先入観があったけど、この戸部修の小悪党はキャラがとっても良いですね。
小悪魔団令子がしつこく付きまとい色仕掛けで迫っても
「あいにく僕は君に惚れていない」とクールにかわす。
今回の団令子は団令子らしく丸ポチャ。
小悪魔団令子の囁きで旦那(田崎潤)殺害を唆されるが
「殺すのも殺されるのも好きじゃないんでね」と殺しの依頼はキッパリ断る。
終止、黒いドレスで迫られても(一張羅ですか?)なかなかなびくものではありません。戸部は密かに喫茶店で働く未亡人(池内淳子)に思いを寄せているのですから。
また池内淳子の子供の三郎くんも可愛いよ。
戸部の特技は猫八並の小鳥の物真似。

岡本喜八のユーモアセンスも随所に見られる。例によってカットつなぎで楽しませてくれる。
今回の一番はダンスを踊る三橋達也と団令子の靴のアップ。三橋達也の靴が団令子のヒールに徐々に接近・・・そこから連れ込み宿のベッドの足元で靴を履く三橋達也に繋がる。
この安連れ込み宿シーンは2回登場するけど、BGMが「愛染かつら」この弦の音がなかなか郷愁があって良かった。

伊丹社長は列車事故を良い事に死んだ身として潜伏。会社の金を横領していた。残った振興宗教かぶれの未亡人(中北千枝子)一派との1億円争奪戦。戸部、伊丹、伊丹夫人の三巴戦となり、裏切りの連続で展開も面白い。
伊丹に雇われた悪に若かりし佐藤慶。再三三橋達也に煙に撒かれる。三橋達也(戸部)の機転と佐藤慶のドジなチンピラぶりが見もの。

コールガールのあじとに手負いのまま逃れてくる三橋達也と看病する団令子のシーンもしんみりと(小鳥の鳴き真似が泣かせます)・・・警察(おっさんサツだったのね)に売春防止法違反で逮捕されることにより病院に運ばれ一命を取り止めるかと思いきや、しかし、ラストは2人とも・・・・
新橋十仁病院前で倒れる三橋達也にカメラが俯瞰になると「新橋病院すぐソコ」の看板を見つけて「狙い?」

タフガイではないけれど、地味な気もするけど、これはハードボイルド作品としてなかなかの名作なんでは・・・・
タイトルは「じごくのきょうえん」と思っていたけど「じごくのうたげ」でした。

渋谷 シネマヴェーラ 「東宝アクション!」より

今回見逃した「国際秘密警察」機会があれば是非観たい。特に「火薬の樽」と「鍵の鍵」は観たいですね。

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