「リアル未公開映画祭」
「ステロイド合衆国 ~スポーツ大国の副作用~」2008年 米 監督:クリス・ベル
アーノルド・シュワルツェネガー、ハルク・ホーガン、シルヴェスタ・スタローン等に憧れ、ステロイドを使用し続けている監督自身の兄と弟のエピソード。また、プロスポーツ選手や医療係のエキスパートたちへのステロイドに関するインタビューを通して進行するドキュメンタリー。「ステロイドの使用はアメリカ社会を反映している」という真実を暴く。
2011年最初の劇場鑑賞は当ノンフィクション。MXテレビの「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」は一度くらい観たような気がする。なかなか面白そうです。
そして、ステロイドに毒されたアメリカ社会を描いた本作。これが面白い、めっけもんでありました。
監督とその兄弟、家族のエピソードを中心に運ぶ展開でアメリカ社会を浮き彫りにしていく手法も秀逸。
映画はインタビューで構成されていくわけだけれども、答える人々の論理の飛躍、すり替えがもの凄いです。
特にステロイドに好意的な意見の方の論理・・・いやいや、否定的な側にも息子をステロイドで亡くして、ステロイド廃絶運動をしている父親なんてのも凄い事になっている。
こういうのを聞いていると、やはり彼奴らの論理をまともに聞いてなんかいられんと思うね。力があるだけに性質が悪い。
ただ、インタビューの受け答えに関しては皆さんウィットに富んでいて流石アメリカ人。なかなか、ああは行かない。
ロス五輪でベン・ジョンソンが金メダルを剥奪されたが、実はカール・ルイスだってという話も出てくる。
ベン・ジョンソンの場合カナダ人がアメリカ人の上を行った事が問題だったよう。
しかし、あの大会のベン・ジョンソンの競技、表彰での態度、表情
ステロイド以外にAV男優のバイアグラ、空軍パイロットのアンフェタミン、高校生の勉強薬アデロール、楽団員の使う薬とか、薬漬け社会の裏の裏が垣間見れます。
人間の欲望というのはつくづく恐ろしい。
ただ、彼等を見ていて「そんなにまでして富、名声が欲しいか」なんて安易に言えないものを感じるんですね。
こんな凡庸な観客にもいろんな事を考えさせるわけで、ノンフィクションとしての価値は高い。
渋谷 UPLINK FACTRY
「ステロイド合衆国 ~スポーツ大国の副作用~」2008年 米 監督:クリス・ベル
アーノルド・シュワルツェネガー、ハルク・ホーガン、シルヴェスタ・スタローン等に憧れ、ステロイドを使用し続けている監督自身の兄と弟のエピソード。また、プロスポーツ選手や医療係のエキスパートたちへのステロイドに関するインタビューを通して進行するドキュメンタリー。「ステロイドの使用はアメリカ社会を反映している」という真実を暴く。
2011年最初の劇場鑑賞は当ノンフィクション。MXテレビの「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」は一度くらい観たような気がする。なかなか面白そうです。
そして、ステロイドに毒されたアメリカ社会を描いた本作。これが面白い、めっけもんでありました。
監督とその兄弟、家族のエピソードを中心に運ぶ展開でアメリカ社会を浮き彫りにしていく手法も秀逸。
映画はインタビューで構成されていくわけだけれども、答える人々の論理の飛躍、すり替えがもの凄いです。
特にステロイドに好意的な意見の方の論理・・・いやいや、否定的な側にも息子をステロイドで亡くして、ステロイド廃絶運動をしている父親なんてのも凄い事になっている。
こういうのを聞いていると、やはり彼奴らの論理をまともに聞いてなんかいられんと思うね。力があるだけに性質が悪い。
ただ、インタビューの受け答えに関しては皆さんウィットに富んでいて流石アメリカ人。なかなか、ああは行かない。
ロス五輪でベン・ジョンソンが金メダルを剥奪されたが、実はカール・ルイスだってという話も出てくる。
ベン・ジョンソンの場合カナダ人がアメリカ人の上を行った事が問題だったよう。
しかし、あの大会のベン・ジョンソンの競技、表彰での態度、表情
ステロイド以外にAV男優のバイアグラ、空軍パイロットのアンフェタミン、高校生の勉強薬アデロール、楽団員の使う薬とか、薬漬け社会の裏の裏が垣間見れます。
人間の欲望というのはつくづく恐ろしい。
ただ、彼等を見ていて「そんなにまでして富、名声が欲しいか」なんて安易に言えないものを感じるんですね。
こんな凡庸な観客にもいろんな事を考えさせるわけで、ノンフィクションとしての価値は高い。
渋谷 UPLINK FACTRY
ステロイドについては服用しただけではダメで、常に筋トレをできる体になるという事ですから‘命と引き換えに名声がほしい人’には最適でしょうね。
とはいえ日本人の道徳観念からすれば‘?’でしょうけど、平成の名横綱(二世弟)もやっていたようですね。
あれはやっている間は筋骨隆々になりますが
止めた途端に体が萎みますから。
ちなみにフローレンス・ジョイナーも服用者でしょう。
ロスの頃とは別人のようになってましたし、
あのケバいメイクなど、やってなければ男と変わりませんでしたから。
五輪後にドーピングが厳しくなったとたんに
引退したし、急死したというのも副作用からという説が多いようですね。
貴殿のスポーツ薀蓄、いつも楽しく拝見しています。
このドキュメントは、とても面白かったので機会があれば見て欲しいですね。DVDも出る(出てる?)ようですから・・・
薬物使用の問題はなにかと取りざたされますが
これはもうどうしようもないな,という感じで
あります。米国ってドップリと薬漬けになって
いるんだな,それもプロ・スポーツ界どころじゃ
ないってところが凄いです!
これはDVDレンタルでも充分で、特に劇場で観るべきところは無い。と言ってしまえばそれまでですが・・・。
自宅DVD鑑賞の時間って意外と取れないので。
凄いことになってるなと思いながらも、面白い作品で、もう一度観たいくらいです。