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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「無宿(やどなし)」

2013-02-09 | 映画(DVD)
「銀幕のヒーロー 高倉健 俠気〈おとこぎ〉、30本!」

「無宿(やどなし)」1974年 東宝 監督:斎藤耕一

昭和12年夏、粋な着流しの穴吹錠吉と、白い麻の背広に力ンカン帽の駒形玄造が出所した。駒玄は坂東梅之丞率いるドサ廻りの芝居小屋に舞い戻った。錠吉の方は、兄費分の女房ユキノを女郎屋へ訪ねるが、既にユキノは死んでいた。女郎のサキエは、ユキノの死因は自殺で、自分も同じ道を巡るのは嫌だ、足抜けさせて欲しい、と錠吉に哀願する。丁度、遊びに来ていた駒玄の助けを貸りて、錠吉はサキエをさせてやったのだが…。

この映画の存在を知ったのは、これまた例によってでございますが、よっちゃん監督さんのブログにて。
一種の梶芽衣子様フェチとしてはそのスチールに映し出される美貌にイチコロ。
現在まで見た中で一番、梶さんが綺麗に撮れていたのは「仁義なき戦い 広島死闘篇」かと思うのですが、それに匹敵、いや、上回るかもしれないと思ったもんです・・・。
それにしても、高倉健、勝新太郎、梶芽衣子の共演という贅沢な作品、
私は映画をよく見るようになったのは極めて最近の事なので1974年に上映の本作を知らぬのは無知ゆえ、やむを得ないところなんだろうけど、調べて行くとこの映画、本当に埋もれているみたいですね。

レンタルがあるので借りて見ておこうと思っておったら新文芸坐の高倉健特集にかかっていたので、ラスト1本、滑り込み。
隠れた名作、劇場スクリーンで見れて幸福。

さて、私はどうも今まで勝新太郎と相性が悪かったのか、その魅力をほとんど解っていなかったみたいです。
勝新太郎と言えば子供の頃TVで見て面白かった「兵隊やくざ」の大宮貴三郎は良かったのですが、それっきり。座頭市あたりは完全に食わずなんとか、・・・嫌いじゃないけどね。

しかし、梶芽衣子目当てで見に行った本作は、完全に勝新の魅力に引き込まれちゃいました。
あくまでクールで無口な高倉健とは対照をなすわけですが、高倉健だってカッコ良いのだけれど、勝新の愛嬌の前ではクールに決めているのがダサダサに感じるぐらいです。
道化役に徹してカッコ悪く見せて健さんと梶さんが引き立つようにしてるのかもしれませんが逆に勝さんが引き立っているように感じるのは私だけでしょうか。

窮地に小便たれながし「ほんまにする奴があるかい」石橋蓮司
博打場に乗り込む時に仙蔵(兄貴分の仇・安藤昇)の息子に愛想を振る、その間。
錠吉に殴られ鼻血だらけの顔をこすって上目使い「本当にどつくやつがあるかいっ」
船の上でまごまごするサキエを叱咤する。
坂東梅の丞(藤間紫も出ていて嬉しい)の事を惚気る。
バルチックの冠だと言いながらフジツボ削ぎ落としに熱中する。

クールで無口な錠吉も次第に駒玄の魅力に心を開いていく海辺の件がいいんですよね。
映画の開巻が駒玄と錠吉の少年時代というのが象徴的でした。



しかし、この映画、ホント良いですよ。
よっちゃん監督さんは「ポエム」とおっしゃいました。なるほどです。
夏の田園風景に勝新、梶芽衣子、高倉健というロードムービー的要素が強く、任侠映画ファンからそっぽを向かれ興行的に今一だったのかなぁ、と見ておったのですが、なになに、立派な任侠という側面がある。
そして、中年のお二方ではありますが、男2女1の青春映画的な要素まである。
俳優の魅力だけでも素晴らしいのに、その上とても良い構図で魅せる魅せる。

斎藤耕一監督って「旅の重さ」の人じゃないですか。
あれも高校くらいの時TV鑑賞で魅了された記憶があり、是非もう一度観たいと思っておりまっ。

肝心の梶芽衣子様・・・
確かに綺麗です。本当に綺麗だし、可愛いよ。
でも「仁義なき戦い 広島死闘篇」には及ばなかったようです。
スチールで見たほどの魅力とは・・・
それは単にサキエのキャラと靖子のキャラの魅力の違いによるもので梶芽衣子様に責任は無いし、可愛いさだけで言えばサキエが一番。今の所・・・

梶芽衣子様目当ての行動が勝新に目覚めさせられちゃった恰好ですが、梶芽衣子ファンとしてこれからも修行していきたいのでスチール並べときます。





池袋 新文芸坐

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