生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

医療の自由競争時代が来るのか?

2010-01-30 20:11:53 | 日記
 資本主義社会においては、どんな業界であれ自由競争が基本です。どこの誰でも業界への参入に制限はありません。良い悪いはあっても実力の世界です。
 しかし医療の世界は別なのです。専門知識が乏しくても腕が悪くても、医者は医者です。いくら知識や腕があっても、医師免許を持たない人間は参入できないのです。
医療法や医師法によって、業務独占や名称独占が謳われているからです。
 それはそれとして、医療もサービス業の一つであることは事実です。であるならば、病院や開業医が生き残りを掛けてより良いサービスを提供することが当然だと考えます。良い意味での”競争”で、それこそが患者にとって有難いことです。
 しかしながら、医療業界では競争があるようで無いのです。それは、広告の制限も影響しているでしょう。また、医師のプライドもあり「私の診療所は近くのA診療所より良い治療をしますよ」とか、「私は旧帝大医学部卒業だが、近隣のC院長は新設市立医大出にすぎません」といったネガティブキャンペーンもしません。さらには診療報酬も関係しているでしょう。診療報酬は公定価格のため、勝手に値引きもできません。「この診療所は安いですよ」といった宣伝ができないのです。一方医師数の不足の問題もあります。
 医者の知識や腕が患者には一切不明で値段も同一 ということになれば、患者はどこの医者に行けばよいのか迷ってしまいます。素人同士の口コミも余りあてにできません。「情報の非対称性」という言葉が医療業界ではよく使われます。ここまでの話にもそのまま使ってよい言葉です。患者側の情報が医者に比して余りにも少なすぎるのです。
 さて話は全く飛躍しますが、医師資格さえあれば病院(20床以上のベッド)が自由に開設できる時代も、いつかは来るのかなと思っています。
  *なお、診療所(19床までの有床診療所も含む)は現在でも自由開業制ですが、地元   医師会のコントロール化にあり、結構不自由な自由開業制です。
開設者の責任で好きなように開設でき、混合診療も自由、広告も自由 といった病院や診療所が出来れば面白いなと思っています。実現性としては目先は無理としても、近い将来は結構現実性をもって議論されているかもしれません。変な業界団体や厚労省行政を考えると、この方がすっきりするなと思います。
 しかし一方で大事なことは、患者側の賢さです。今までと同じような医者任せの姿勢では、良い医療の選択は決してできません。自由競争時代が来るかどうかは置いといて、先ず現在の私達患者自身が医者を見分ける目を養う努力や勉強をしましょう。これだけでも、医者の言動は相当変わってゆくと思います。
 ということで、本日の独断と偏見はこの辺で。
 最後に、このブログの読み方にはくれぐれもご注意ください。