室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

”スケッチ・オブ・ジャズ”

2008-01-31 16:58:18 | Weblog
午前様。やっちまいやした

舘野泉さんがプロデュースなさっている”坂の上のコンサート・シリーズ”(昨年5月に私も出演させて頂きました)を聴かせて頂いて、打ち上げにも参加させて頂き、時計を見るのを忘れてしまい、小田急線の相模大野止まりの終電に乗るのがせいいっぱい。相模大野からタクシーで帰ってきました。

思いがけず谷川賢作さんとお話ができて、話が弾み、楽しくて調子に乗ってしまったんですねえ~。

谷川さんはジャズピアニストで作曲家。お父様は有名な詩人の俊太郎さん。NHKの”その時時代が動いた”のテーマの作曲者でもあります。舘野さんの左手の為の”スケッチ・オブ・ジャズ”を作曲なさって献呈されています。作品を聴いて、幸せな環境で素直に育った方なんだろうな~と想像していたら、その通りの方でした。

演奏会は、前半、舘野さんが林光さん作曲の”花の図鑑・前奏曲集”と谷川さんの”スケッチ・オブ・ジャズ”をお弾きになって、後半、谷川さんご自身が”スケッチ・オブ・ジャズ”の成り立ちについての解説を交えて、ジャズピアノの立場で演奏される、というものでした。

その演奏の中で1曲だけ、ジャズというよりロック系、ポップス系の演奏があったので、質問したところ、「僕はロックエイジで、バンドを組んでロックもやってました。」というお話が始まり、そこからプログレッシブ・ロックの話に花が咲いてしまいました。私も中学の頃からELPやリック・ウェイクマンなどに憧れて、コピーをしては弾いていたものです。クラシックをやりつつ、ジャズを勉強してロックやったら、こんなピアノが弾けるのかな・・と思ったものです。

谷川さんはギル・エヴァンスあたりからスタートしているそうなので、現在わたしが関わっているトラディショナル・ジャズとはあまり接点が無いようでしたが、オーケストラ編曲の話やストリングス・サウンドの話など、話題が広がり・・気がつくと11時40分。

写真は帰りがけに会場で買った”スケッチ・オブ・ジャズ”の楽譜。左手の為の曲はどれも超絶技巧ですが、この曲集も、リズムを出しつつメロディーも歌わせるテクニックがふんだんに含まれています。一昨年以来、弾きこまれて”熟成”されてきていると思いました。舘野さんが素晴らしいピアニストなのは今に始まったことではありませんが、特にモデラートの中での重音の扱いが凄い!です。巨匠はますます、余人の届かない域に到達されているようです。

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