室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

夏至

2010-06-21 16:10:30 | Weblog
夏至の朝の富士山。



夏に富士山が見えるのは珍しいです。ましてや、この梅雨の時期に。

先日、東海道新幹線の車内から見た時と同じように、頂上付近に、北斎が描く富士山のように雪が縦線になって見えました。

この後、雨が少し降ったのですが、じきに止みました。今年の梅雨は長雨になることがあまりないのかな、今のところ・・。


昨日の日曜日は、渋谷の児童館でお子様向けのコンサートがありました。駅からの道の途中で、めずらしい乗り物を見ました。正面から写真を撮るのは憚られたので、やや後ろからになってしまいましたが・・。



何でしょうね? どうもサイドカーのようなのですが、装飾がスゴイ! 昔流行ったトラック野郎を思い出しましたが。星条旗とかアメリカ風アイテムで目一杯、所狭しと飾り立てていました。


さて、コンサートの方は、先日福井へ行った時と同じようなバロック編成で、今回はチェンバロ付き。




私は、前半のプログラムで主にチェンバロを弾き、後半はピアノを弾きました。

リハーサル時間もたっぷりあり、本番もプログラムがぎゅうぎゅう詰めではなく、司会もソプラノの伊左次さんだったし、ゆったりと出来ました。めでたしメデタシ。


夜は西荻窪のミントンハウスへ”阿部寛トリオ” の演奏を観に行きました。ギターの阿部寛さん、ベースの小林真人さんのコンビに、今回のゲストはクラリネットの”キンちゃん” こと・白石幸司さん。



品の良いシルキートーンのキンちゃん。コーンというサックスで有名なメーカーのクラリネットで「1920~30年代の響きがする」と、マニアの一同ご満悦。確かにセルマーの音とは違う音色なんだけど、結局キンちゃんだと分かる”キンちゃんの音” がするのが面白いところです。『自分の音がする』という事は、その楽器を使いこなせているという事であり、自分の個性を持っているという事です。

   

同じくマニアの皆さんを喜ばせるCメロ・サックスの演奏もあったのですが、そのシーンの写真がなかったなー。




ハウス楽器”酒トラディバリ” で演奏する小林真人氏。『夜景モード』で撮影したら、《熱演写真》になってしまいました。

向かって右側の席で聴いたことがあまりなかったのですが、この”酒トラディバリ” の鳴りがすごく感じられ、Cメロ・サックスだけが対抗できるか・・と思うほどだったので、一番うしろのカウンター席に移動してみました。



以前から言われている事ですが、確かに一番うしろの響きは良いです。”酒トラディバリ” だけが突出することなく、阿部さんのソレンティーノも、キンちゃんのコーンもバランス良く聞こえました。特定の『レ』(中央のドの2オクターブ下)が鳴る度に、カウンターテーブルがブルンと震えていました。やっぱり”酒トラディバリ” 、すらっぱー先生が頻繁にお弾きになって、かなり鳴るようになったんじゃないかなー、と思いました。


ライヴの最後に"Chinatown My Chinatown" に飛び入り参加させて頂きました。この方たちとの演奏は、普通の新幹線からリニアモーターカーに乗り移るみたいな、次元の差をいつも感じます。《テンポ》《リズム》って、本当に数字などで表せるものじゃないんです。そのヒトの頭の中にあるイメージがそのまま《リズム》として出てくるので、『どういう音楽を持っているか』という事なんだけど。そういう“異次元” の音楽を持っているっていう事なんですね。それが面白いから観に行くんですけどね。


日曜日は中央線の快速電車が西荻窪を通過してしまうので、阿部さんは早めにライヴが終わるように時間を設定してくれるのですが、せっかく早めの電車に乗れたのに、寝過ごしてしまい、結局いつもと同じ時間に帰りました。トホホ・・。



昼間が一番長い《夏至》・・夏をめざして来たのが、明日から冬をめざして進むんですか?


どこか寂しいような・・。









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