室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

旅のエトランゼ

2007-03-17 23:52:54 | Weblog
 5日間の関西滞在を終えて帰る朝、駅まで5分のホテルから新大阪駅へ向かう道すがら、薄い飛行機雲、のんびり右へ滑るようなセスナ機、さほどは大きくないビルが駅へと続く道の向こう側に見える。明らかに日本だが、見たことの無い景色。そういえば、本番とそれに備えるリハーサルの緊張つづきだったのと、車に乗せられての移動で、土地勘を持つに至るような、地図を把握する程の余裕は何処にも無く、ずっと「此処は何処?」状態だった。
 フィンランドから呼ばれて来日した優れた演奏家たち、それを迎え撃つ有名な日本人演奏家たち。綺羅星の如き皆さんとの共演は、日頃とは違う緊張をした。テンポ通りに弾くと「う~ん、行進曲みたいよね」と云われ、自分の歌い方で揺らすと合わない。芸術文化センターでの肝心な本番では、消化不良で終わってしまった曲が、夕べの篠山での即席コンサートでは、少しマシに演奏できたかな・・。やはり回数だなぁ。本番を経る事が何より大きい。お陰で共演者たちへの気後れを減らす事ができた。いや~、純粋で屈託のない彼等に対して、心からの尊敬でいっぱいだ。芸術文化センターで最後にアンコール的にやった“ジェラシー”の編曲者という事で、一目置いて下さる一面はあるけれど、同じ演奏家として、忸怩たるモノがあった。そういえば、先週は「準備不足でヤバい」と云っていたなぁ。そう、準備不足だったのだ。次回の5月に向けては、とにかく練習し、勉強するしかない…。
何やってるんだか、何処にいるんだかって事の無いように。