室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

ダヴィンチ・コードを見て

2006-07-13 13:33:32 | Weblog
 映画”ザ・ダヴィンチ・コード”を見た。
昔、角川書店全盛の時代に「見てから読むか、読んでから見るか」というコピーがあったのを思い出すが、映画の公開よりだいぶ前に原作(日本語訳)を読んだのだが、公開後直後に行っても混むのですぐには飛びつかなかった。昨日は、案の定6~7割り位の入りで、ゆったり見られた。
 結論から言うと、期待したよりはインパクトの薄い映画になった気がする。ルーヴルで殺人が発生した夜から翌日の夕方に事件が解決するまでの長い一日、更には最終的な謎の解明に主人公が気づいて、再びルーヴルに戻るまでの20数時間を、2時間40分かけた表したにしては、描き切れていない部分がかなりあると思った。公開を禁止した国があった程のテーマを抱えた映画だが、その肝心な部分は敢えて強調を避けて、全体としては曖昧な印象だ。ヒロインのソフィは、殺された祖父ソニエールに「英語を使え」と育てられた前提だった筈だが、俳優の英語の発音がネイティヴとは云えないものだった。一方、映画を見た事で理解できた部分もあった。主役二人を追った警部とオプス・デイの司祭との関係だ。ルーヴル美術館の内、外、ローズライン、イギリスのテンプル教会、ニュートンの墓など、セットの部分もあるだろうが、具体的に映像を見られるのは有難い。しかし、原作を読んでいなかったら分からなかったと思われる箇所が目に付き、一生忘れられない映画を見た、とは云えなかった。その程度の表現に留まる事しかできないプレッシャーがあったのだろうか・・?