白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

十段戦第4局感想

2020年06月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
KDDIが社内副業制度を始めたそうです。
興味深いですね。
テレワークの普及といい、会社員の働き方が大きく変わっていくのでしょうか。



皆様こんばんは。
本日は十段戦第4局が行われました。
早速振り返っていきましょう。
この対局はYoutubeの日本棋院チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間(解説・張豊猷八段)にて中継されました。

1図(実戦)
芝野虎丸挑戦者(20)の黒番です。
白1~5とは、村川大介十段(29)ならではの意欲的な打ち回しですね。
その意図は複雑ですが、簡単に言えば白AやBと白Cという、強烈な手を両睨みにしたということになるでしょう。



2図(実戦)
白△の置き!
これで左辺黒は無条件で生きることができなくなりました。
芝野挑戦者に何か誤算があったようです。
この盤面を見たとき、この碁は村川十段の勝ちだと思いました。



3図(実戦)
しかし、芝野挑戦者は平然と黒1、3と大場を打っています。
大きな失敗をしたにもかかわらず、焦りは無かったようです。
とても20歳とは思えない落ち着きで、これも芝野挑戦者の強みですね。



4図(実戦)
白1が痛恨の一手でした。
こう打っても手が残っていることをうっかりしたようです。
気分的には1手パスに近く、ショックが大きかったことでしょう。
これでもまだ形勢は白が悪くなかったと思いますが、ここからミスが続き、早い決着となってしまいました。

村川十段が第3局、第4局と優勢な碁を落としたのには変調を感じました。
一流棋士にはまず無いはずの、長期の休みが影響してしまったでしょうか?

これで芝野挑戦者は、名人・王座・十段の三冠となりました。
昨年8月に初の名人挑戦を決めたかと思いきや、破竹の勢いでトップに躍り出ましたね。
これで本因坊も取れば名実共に第一人者となりますが、奇跡は起こるでしょうか?



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