白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

名人戦第7局封じ手予想

2022年11月02日 23時05分17秒 | 囲碁界ニュース等

皆様こんばんは。
名人戦第7局の1日目が行われました。
対局の模様については、ネット対局「幽玄の間」や朝日新聞の「囲碁将棋TV」などで中継されています。

正直なところ、第4局が終わったところで井山裕太名人の防衛は無くなったと思っていました。
3連勝が難しいという単純な計算に加え、芝野虎丸挑戦者の安定感を感じてのことです。
しかし、追い詰められたときの井山名人の強さは流石ですね。
とうとう最終局まで辿り着きました。

1図(打ち掛け局面)
序盤早々、白が猛攻を仕掛けてスリリングな戦いが繰り広げられました。
無事に凌いで黒優勢になったと思いますが、芝野挑戦者もどっしりと構えて長期戦の構えです。

さて、黒△と打った局面で打ち掛けとなりました。
次の白の手が封じ手です。
難易度は「上の下」といったところでしょうか?
思い付いた手が11通りありましたが、何十通りもの候補が残ってしまうこともありますから・・・。

この中でJのノゾキは悪手にしか見えない手で、一瞬で候補から消えました。
また、Kについては判断が難しいですが、仮に良い手だとしても人間なら白×の前に打つはずで、これも候補から消えました。

本命はやはり右下一帯ですが、白Cはただ逃げるだけの手という印象があり、これも早く消えました。
次に考えたのがFGですが、良い図ができないと感じました。
Eは手としてはあり得ると思いましたが、芝野挑戦者の打ち筋ではない気がしたのでこれも外しました。

また、HIも気になるところですが、このタイミングで打つのは不自然と感じます。
ついでに言えば、HとIはほぼ同じ意味なので、どちらかを予想してもう片方が正解だった場合、かなりガッカリしそうです(笑)。

そんなわけで、私の中ではABDの3つが候補として残りました。



2図(封じ手予想)
封じ手予想は白△にします。
遠く黒大石への攻めも睨むイメージです。

長くなってしまいましたが、今回は私の封じ手予想までのプロセスを書いてみました。
手の善悪や対局者の棋風を考えて絞り込んでいきますが、結局のところ最後は勘です



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

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