白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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林海峰-大竹英雄(フマキラー囲碁プレミアムマッチ)

2020年06月27日 23時29分30秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
木谷実九段のご子息である木谷正道氏が、「希望の船 みらクルTV」というサイトを開設されています。
その中で、認知症への囲碁の効果についての研究発表がありました(動画はこちら)。
高齢化社会が進行すると共に認知症患者はますます増えていくと思いますが、囲碁が役に立つと嬉しいですね。
なお、研究者の飯塚あい氏のTwitterはこちらです。



皆様こんばんは。
本日はフマキラー囲碁プレミアムマッチが行われました。
その中から、林海峰名誉天元(78)-大竹英雄名誉碁聖(78)戦をご紹介したいと思います。
かつてチクリン(竹林)と並び称された両者ですが、棋風も時間の使い方もほぼ正反対です。

なお、大盤解説会の模様はこちらから、棋譜は日本棋院ネット対局幽玄の間でご覧頂けます。

1図(実戦)
林名誉天元の黒番です。
黒1~11の打ち回しは、いかにも林天元らしいですね。
石が左右に分かれ、白Aなどの打ち込みが残って薄いですが、なんとかなるとみています。



2図(実戦)
そして、この黒△もいかにも林名誉天元という手です。
黒×それぞれから見て大ゲイマになっている、面白い位置ですね。
どこともつながっていませんが、切りにこられてもなんとかなるという、林名誉天元らしさの詰まった一手ではないでしょうか。
秀策のコスミ高川のボウシなどと石の形が代名詞になることがありますが、林名誉天元の代名詞は大ゲイマでしょう。



3図(実戦)
黒2も大ゲイマですね。
漠然とした手を好む林名誉天元に対し、大竹名誉碁聖はがっちりした打ち回しを好みます。
白1~11まで、じっと周囲の黒石の薄みを睨みました。



4図(実戦)
黒1~7まで地を稼がれましたが、ここで機は熟したとみて白8~10と襲いかかりました。
結果、黒×を取り込んで中央に大きな地を作っています。
白2目半勝ちとなりました。



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日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は6月30日(火)、7/17(金)、8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

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