白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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呉清源杯

2018年04月30日 23時59分59秒 | 日本棋院情報会員のススメ
皆様こんばんは。
本日は10名のお客様にお越し頂きました。
ありがとうございました。
明日は宇宙棋院の級位者教室で講座と指導碁を行い、その後は五反田で2周年イベントの2日目を行います。
今週は対局もあってハードスケジュールですが、体に気を付けて乗り切りたいと思います。

さて、現在呉清源杯という棋戦が行われています。
女流棋士の国際棋戦ですね。
国内外ともに棋戦が多く、女流棋士が勉強に専念できる環境は整っています。
実力アップの大きな要因でしょう。

結果は、残念ながら日本棋士はベスト4に残れませんでした。
今回は上野愛咲美二段とゼイ廼偉九段の対局をご紹介しましょう。
ゼイ九段は中国出身ですが、政治的な理由で長期間に渡って韓国の棋戦に出場していました。
その間に、国主戦という一般棋戦で曺薫鉉九段を破って優勝!
真の意味で「男性棋士と対等に戦える女流棋士」の先駆けですね。



1図(テーマ図)
上野二段の黒番です。
白×の集団をどう評価しますか?
これを強い石、厚みと思っては上野愛咲美にはなれません。
あれ、この流れはどこかで・・・。





2図(実戦)
上野二段、黒1から左右を分断!
どちらかの白をとっちめてやるぞという、強い意思を感じますね。
周囲の黒石にもかなりの負担がかかりますが、臆せずやっていきました。





3図(実戦)
案の定、中央の黒×がピンチになりました。
しかし、これは囮です。
上野二段の狙いは・・・。





4図(実戦)
白×の殲滅!
上野二段は筋が良いタイプで、あまりゴリゴリやっていくイメージはありません。
しかし、石を取りにいくことはかなり多い気がします。
淡々と相手の急所を衝いていく姿は、死神のよう・・・などと言ったら怒られるでしょうか。
本局も見事に仕留めて勝ちを決めました。
準々決勝も力強く戦っていましたが、残念でしたね。

なお、呉清源杯の対局は幽玄の間で中継されています。
ぜひご覧ください。
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