白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

碁聖戦五番勝負、開幕!

2019年06月30日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
ふと思い付いて数えてみたら、これが1004件目の記事でした。
相当な数になりましたが、これが積み重ねの力ですね。
詰碁や棋譜並べなどの練習も、コツコツ積み重ねていくことが大切です。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は第44期碁聖戦挑戦手合第1局が行われました。
許家元碁聖(21)に挑戦しているのは羽根直樹九段(42)です。
井山4冠が出ない7大タイトル戦は、なんと4年ぶりらしいですね。
かつてない長さで「井山時代」が続いてきたことが良く分かります。

さて、それでは対局を振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間やYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルにて、解説付きで中継されました。
そちらもぜひご覧ください。

1図(実戦)
羽根挑戦者の黒番です。
白1のノゾキからの打ち回しは許碁聖らしいですね。
白×を弱くしますが、下辺を目一杯に広げました。



2図(実戦)
黒1と打ち込みましたが、白2、4に対して一転して黒5の押しに回ったのは羽根九段の大局観ですね。
白×への攻め、黒×の活力などを意識しています。
左上黒は、白Aなどと打たれても捌きには苦労しないとみているのでしょう。



3図(実戦)
その後、白△と左上黒6子のいじめを図った場面です。
黒Aと受けていれば、生きるのは簡単ですが・・・。



4図(実戦)
黒1と出て反発しました。
白10まで、黒×を取られますが、右下黒11に回って白×が弱くなっています。
ここで黒が打ちやすくなったと思います。

とは言え、大差ではなかったはずですが、短手数での決着となりました。
許碁聖の打ちぶりに、やや焦りがあったように思います。
始めての防衛戦で気負いがあったのかもしれません。
第2局以降は肩の力を抜いて頑張ってほしいですね。




☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

 
日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は7月12日(金)、8月5日(月)、9月2日(月)に指導碁を行います。
 
永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。
 
白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。
 
New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~22:00の中の2時間30分です。
 
 
☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
 
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。こちらもぜひよろしくお願いします。