白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

NHK囲碁講座6月号

2018年06月10日 23時21分39秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
昨日は更新をお休みしました。
時間があれば更新する予定でしたが、気が付けば随分遅い時間に・・・。

さて、本日はNHK囲碁講座の別冊付録、「白石勇一の棋譜クリニック」のご紹介をしたいと思います。



NHK囲碁講座6月号は、5月16日に発売されています。
次号の発売までもうすぐという、ぎりぎりのタイミングになってしまいました。

さて、今月のテーマは「打ち込み恐怖症」です!
打ち込み恐怖症とは、相手に打ち込まれ、慌てたり怖がってしまう症状です。
この症状が特に表れやすいのはうわ手との対局時ですが、もちろん互先でも表れます。

相手に打ち込んでこられると、自分の石が分断されたり、根拠が無くなることにつながる可能性があります。
私の著作でも、打ち込みの威力については度々強調していますね。
ですから、打ち込まれて怖いという気持ちが生じることはむしろ自然と言えます。

ただ、そこで 怖い→守ろう となってしまうのは短絡です。
何故なら、ほとんどの場合、打ち込んできた石自身も弱いからです。
相手の石の方が弱いのに、自分の石を必死になって守っていてはチャンスを逃してしまいます。

ですから、打ち込まれた際は、まず冷静に状況判断をすることが大切です。
その結果、自分の石の方が強いと分かれば、恐怖心は消えて堂々と戦うことができるでしょう。
また、判断しても自信が持てなければ、そこで守りを優先させると決めれば良いのです。

対局中に様々な症状が表れてしまうのは、正しく状況を判断できていない、もしくはその方法を知らないことが原因です。
状況をしっかりと判断して、そのうえで方針を立てることができれば、自然と良い打ち方ができるようになるでしょう。
これはシリーズ全体の大きなテーマです。

次回のテーマは「地が気になる病」です。
囲碁ファンの99.9%は身に覚えがあるでしょう(笑)。
お楽しみに!