皆様こんばんは。
農心杯は河野臨九段が出場しましたが、残念ながら范廷鈺九段に敗れました。
明日は中韓戦、明後日は日本選手が対局します。
苦しい状況になりましたが、なんとか巻き返して欲しいですね。
さて、本日は第11回広島アルミ杯・若鯉戦本戦トーナメントも行われました。
2回戦まで終了し、ベスト4が決まっています。
当ブログでは2回戦全4局を、ダイジェスト版でご紹介します。
1-1図(実戦黒49~白54)
一力遼七段(黒)と三谷哲也七段の対局です。
黒1は、白3と受けてください、という手です。
しかし、相手の言いなりにはなるまいと、白2の反発!
勢い黒3と連打し、白も4、6と左辺を連打しました。
両者の気合がぶつかり、一気に激しい展開へと進みました。
1-2図(実戦白64)
白△と打った場面です。
黒△にプレッシャーをかけていますが・・・。
1-3図(実戦黒65~白66)
構わず黒1と、左辺の白を攻撃しました!
白2とカケられると黒が団子になるので、リスクの高い手です。
しかし、これで白に大きなダメージを与えられると踏んでいるのです。
読みに自信のある、一力七段らしい厳しい発想です。
1-4図(実戦黒75~白78)
その後黒1と白を閉じ込める態勢ですが、白2、4が捌きの手筋です。
白AとBが見合いで、脱出する事ができます。
これが見えているので、黒としては躊躇してしまいそうな展開なのですが・・・。
1-5図(実戦黒79~黒83)
一力七段、黒5のコウ仕掛けを見ていました!
普通は黒が無理ですが、この碁では黒A以下、多くのコウ材があります。
どうやら、一力七段のパンチが入ったようです。
最後は、白の三谷七段の時間が切れ、一力七段の勝ちとなりました。
優勝候補筆頭の一力七段、力強くベスト4進出を決めました。
2-1図(実戦黒27)
本木克弥七段(黒)と内田修平七段の対局です。
黒△が当たりなのにも関わらず、黒1とは!
近年開発された手法ですが、何度見ても違和感がありますね。
黒Aからの分断を狙って、しつこく食らいつく手です。
2-2図(変化図)
黒△と打った場面です。
私なら白1に向かいそうです。
中央の黒4子を、大きく飲み込む狙いです。
2-3図(実戦白42~黒49)
実戦は白1と打ちましたが、地だけの手であり、どうだったでしょうか?
すかさず黒2~8と、軽快に立ち回りました。
黒△を取りに来るならどうぞという打ち方です。
2-4図(実戦白50~黒61)
遅ればせながら白1と行きましたが、黒2の反撃が厳しく、黒A、白B、黒Cからの左右分断を狙われました。
仕方なく黒5子を取りに行きましたが、黒12までとなると、黒は外回り、右上の白は宙に浮いています。
黒が打ちやすい碁でしょう。
最後は、元木七段が黒番中押し勝ちを収めました。
3-1図(実戦白16~黒21)
藤沢里菜三段(黒)と寺山怜若鯉杯の対局です。
右下の型は、王冠戦決勝でも出てきましたね。
力自慢御用達の型です。
3-2図(実戦白56)
実戦は、見た事のない分かれとなりました。
白は右下を全部地にしましたが、外側の黒は✖の所に2眼あり、絶対に死なない強大な勢力です。
この分かれは、恐らく黒が相当良いでしょう。
そして、右下の勢力を生かすべく、藤沢三段は黒Aから大作戦に出ます。
3-3図(実戦黒89)
黒△まで、巨大な黒模様を形成!
両手が入る程の大きさです。
このまま地にさせる訳にはいかず、寺山四段、白Aから必死の突入を敢行しました。
3-4図(実戦白96~黒109)
その後白5、白7と切断し、黒模様の破壊を目指す進行に!
黒も支え切れるかどうか、ぎりぎりの戦いです。
3-5図(実戦白110~白112)
寺山四段、さらに白1、3と、大暴れ!
この後も難解な戦いが続きましたが、最後は藤沢三段の黒番9目半勝ちとなりました。
藤沢三段、前期優勝者を倒してのベスト4進出です。
4-1図(実戦白30)
最後は大表拓都初段(黒)と姚智騰三段の対局です。
姚三段は18歳、独特の渋い碁です。
14歳の入段時から、既に老成した印象がありました。
大表初段は20歳、こちらも非常に渋い碁を打つ印象があります。
さて、局面は白△と詰めた所です。
ここで私なら、ノータイムで黒Aと、頭を出しながら左右の白を分断するでしょう。
4-2図(実戦黒31~黒37)
ところが、実戦は黒1と、左辺の黒を補強しました。
白2のカケには黒5まで生き、今度は黒7と、右上をがっちり守りました。
うーん、渋い!
4-3図(実戦白38~白40)
黒が堅く守ったので、白1、3と凝らせにいきました。
18歳にして、やる事が老獪です。
4-4図(実戦黒57)
その後、右上でコウ争いが起こりました。
白はAにコウ立てして、難しい戦いになるかと思いきや・・・。
4-5図(実戦白72~白74)
その後白1、3の大場連打で手を打ち、あっさりと分かれました。
早くもヨセに突入した雰囲気です。
渋好みの両者の戦いは、大表初段の黒番半目勝ちとなりました。
明日は準決勝、決勝が行われます。
本日同様、幽玄の間でも中継されますので、ぜひご覧ください!
農心杯は河野臨九段が出場しましたが、残念ながら范廷鈺九段に敗れました。
明日は中韓戦、明後日は日本選手が対局します。
苦しい状況になりましたが、なんとか巻き返して欲しいですね。
さて、本日は第11回広島アルミ杯・若鯉戦本戦トーナメントも行われました。
2回戦まで終了し、ベスト4が決まっています。
当ブログでは2回戦全4局を、ダイジェスト版でご紹介します。
1-1図(実戦黒49~白54)
一力遼七段(黒)と三谷哲也七段の対局です。
黒1は、白3と受けてください、という手です。
しかし、相手の言いなりにはなるまいと、白2の反発!
勢い黒3と連打し、白も4、6と左辺を連打しました。
両者の気合がぶつかり、一気に激しい展開へと進みました。
1-2図(実戦白64)
白△と打った場面です。
黒△にプレッシャーをかけていますが・・・。
1-3図(実戦黒65~白66)
構わず黒1と、左辺の白を攻撃しました!
白2とカケられると黒が団子になるので、リスクの高い手です。
しかし、これで白に大きなダメージを与えられると踏んでいるのです。
読みに自信のある、一力七段らしい厳しい発想です。
1-4図(実戦黒75~白78)
その後黒1と白を閉じ込める態勢ですが、白2、4が捌きの手筋です。
白AとBが見合いで、脱出する事ができます。
これが見えているので、黒としては躊躇してしまいそうな展開なのですが・・・。
1-5図(実戦黒79~黒83)
一力七段、黒5のコウ仕掛けを見ていました!
普通は黒が無理ですが、この碁では黒A以下、多くのコウ材があります。
どうやら、一力七段のパンチが入ったようです。
最後は、白の三谷七段の時間が切れ、一力七段の勝ちとなりました。
優勝候補筆頭の一力七段、力強くベスト4進出を決めました。
2-1図(実戦黒27)
本木克弥七段(黒)と内田修平七段の対局です。
黒△が当たりなのにも関わらず、黒1とは!
近年開発された手法ですが、何度見ても違和感がありますね。
黒Aからの分断を狙って、しつこく食らいつく手です。
2-2図(変化図)
黒△と打った場面です。
私なら白1に向かいそうです。
中央の黒4子を、大きく飲み込む狙いです。
2-3図(実戦白42~黒49)
実戦は白1と打ちましたが、地だけの手であり、どうだったでしょうか?
すかさず黒2~8と、軽快に立ち回りました。
黒△を取りに来るならどうぞという打ち方です。
2-4図(実戦白50~黒61)
遅ればせながら白1と行きましたが、黒2の反撃が厳しく、黒A、白B、黒Cからの左右分断を狙われました。
仕方なく黒5子を取りに行きましたが、黒12までとなると、黒は外回り、右上の白は宙に浮いています。
黒が打ちやすい碁でしょう。
最後は、元木七段が黒番中押し勝ちを収めました。
3-1図(実戦白16~黒21)
藤沢里菜三段(黒)と寺山怜若鯉杯の対局です。
右下の型は、王冠戦決勝でも出てきましたね。
力自慢御用達の型です。
3-2図(実戦白56)
実戦は、見た事のない分かれとなりました。
白は右下を全部地にしましたが、外側の黒は✖の所に2眼あり、絶対に死なない強大な勢力です。
この分かれは、恐らく黒が相当良いでしょう。
そして、右下の勢力を生かすべく、藤沢三段は黒Aから大作戦に出ます。
3-3図(実戦黒89)
黒△まで、巨大な黒模様を形成!
両手が入る程の大きさです。
このまま地にさせる訳にはいかず、寺山四段、白Aから必死の突入を敢行しました。
3-4図(実戦白96~黒109)
その後白5、白7と切断し、黒模様の破壊を目指す進行に!
黒も支え切れるかどうか、ぎりぎりの戦いです。
3-5図(実戦白110~白112)
寺山四段、さらに白1、3と、大暴れ!
この後も難解な戦いが続きましたが、最後は藤沢三段の黒番9目半勝ちとなりました。
藤沢三段、前期優勝者を倒してのベスト4進出です。
4-1図(実戦白30)
最後は大表拓都初段(黒)と姚智騰三段の対局です。
姚三段は18歳、独特の渋い碁です。
14歳の入段時から、既に老成した印象がありました。
大表初段は20歳、こちらも非常に渋い碁を打つ印象があります。
さて、局面は白△と詰めた所です。
ここで私なら、ノータイムで黒Aと、頭を出しながら左右の白を分断するでしょう。
4-2図(実戦黒31~黒37)
ところが、実戦は黒1と、左辺の黒を補強しました。
白2のカケには黒5まで生き、今度は黒7と、右上をがっちり守りました。
うーん、渋い!
4-3図(実戦白38~白40)
黒が堅く守ったので、白1、3と凝らせにいきました。
18歳にして、やる事が老獪です。
4-4図(実戦黒57)
その後、右上でコウ争いが起こりました。
白はAにコウ立てして、難しい戦いになるかと思いきや・・・。
4-5図(実戦白72~白74)
その後白1、3の大場連打で手を打ち、あっさりと分かれました。
早くもヨセに突入した雰囲気です。
渋好みの両者の戦いは、大表初段の黒番半目勝ちとなりました。
明日は準決勝、決勝が行われます。
本日同様、幽玄の間でも中継されますので、ぜひご覧ください!