養蚕農家カフェ桑の実 ブログ 鹿児島県唯一の養蚕農家(鹿児島県指宿市)

鹿児島県指宿市の里山にある「いぶすき紬と養蚕農家カフェ桑の実」
養蚕と織物、養蚕カフェの四季と日常を綴っています。

糸つくりはじめてます

2010年06月27日 | 工程
今日はほんと久しぶりに晴れ間を見ました。
お隣のおばあちゃんの畑を草刈りして、養蚕道具の移動。養蚕道具の一部を小屋に置いていましたが、この豪雨で雨がかかりカビが・・・。天日干し後に保管場所を替えました。

それはさておき、野村から帰ってくるときに繭を40キロほど分けてもらいました。

当店の繭は、簡易冷蔵庫に保管します。生繰り用の保冷庫です。生きたまま仮死状態で
保管しています。
※一般に通常の繭は乾繭といい、熱風乾燥させて保管します。

繭には色々な品種があります。この繭は、特殊品種の「あけぼの」で、糸が普通種より
細いため高級着尺に使われます。

【ご参考まで】
現在国内で使われている絹製品全体のうち、国産繭が原料となっている比率は1%以下です。
明治時代は、輸出品の1位で日本全国で国策で作られており、もちろん絹製品の国内消費は国内繭が100%でした。
現在、ほとんどの絹織物は、中国やブラジルなどの海外輸入原糸から作られています。
一部には、国産原糸と輸入原糸混ぜて撚糸を行い、国産生糸と販売されているものもありますのでお気をつけ下さい。




その繭から、この座繰り器で糸を引き出します。この糸を奥の撚糸機で撚りをかければ
完成です。
この一連の作業を簡単に書きましたが、
九州では私の工房だけしか出来ない作業なのです。


上原達也

草木染織 いぶすき紬 のHPはこちらからどうぞ。