宗葉の、チョイト思う事。言いたい事。

意見のあわない方は、御容赦。

茶事・茶会の会話集 2

2006-10-17 11:58:35 | 茶道豆知識
●道具の拝見の場合
亭主は、客が拝見の終わった頃合いを見はからってとりに出て、定座にもどされた道具の正面にすわり、正客の礼を受けて、軽く手をついたまま、おたずねに答えます。濃茶席では、茶入、茶杓、仕覆について、茶入の形、窯元、伝来、銘、茶杓の作者、銘、仕覆の裂地の名称や仕立てのことなどの問答をかわします。
正客「お形は、肩衝でございますか」
亭主「さようでございます」
正客「なかなか景色のよろしいお茶入ですが、お窯元はどちらで」
亭主「瀬戸でございます」
正客「何かご銘でも」
亭主「○○とありまして、家元のご銘がございます」
正客「お茶杓は、たいへん力強い作行きですが、どなたのお作でしょうか」
亭主「○○作で、共筒です」.
正客「何かご銘でも」
亭主「○○とあります」
正客「仕覆は名物裂のようにお見受けいたしますが」
亭主「○○綴子でございます」
薄茶席では、
正客「お棄のお形は」
亭主「利休形の中棄で、蓋裏の在判は○○でございます」
正客「お塗はどなたでしょう」
亭主「○○でございます」
正客「お茶杓のお作は」
亭主「○○でございます」
正客「何かご銘でも」
亭主「○○という銘がついております」
正客「ご趣向に添ったご銘で、けっこうでございますね。お心づくしのお道具で、感服いたしました」
など道具についての亭主の心入れに感謝を述べます。
また、拝見した感想に添って、「たいへん見事な蒔絵が施されておりますが、お塗は」などと問いかけるのもよいでしょう。

《大寄せ茶会》
時間が限られているために拝見座を設けたり、床に道具を並べたり、あるいは二、三人で見るといった方法がとられることがあります。主催者、席主、亭主の指示に従って、質問するようにしましょう。



●退出する場合
薄茶の拝見の道具を水屋に引いた後、亭主はあらためて茶道口を開け、席中に欄って入り、
「本日はお付き合いくださいまして、ありがとうございました。不行き届きな点が多々あったかと存じますが、どうかご容赦ください」
などと挨拶しながらも、なお客をもてなそうとしますが、正客は、
「さぞ、お疲れになりましたでしょう」
と感謝といたわりの言葉をかけ、聞きもらしたことがあればたずねて、連客一同にも確認した上で、
「これで失礼させていただきます。大変楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。お見送りはご無用に」
といって、連客同士で
「お相伴ありがとうございました」
と挨拶し、正客から順次、床、炉などを拝見して、末客は菓子器、たばこ盆などを茶道口に返し、同様に拝見して退出します。

茶席を退出した後、待合で正客は、連客に対して、
「本日はふつつかながら、正客をつとめさせていただきました。いろいろ不備がありましたこと失礼いたしました。どうもありがとうございました」
などと挨拶しておきます。連客は互いに、
「今日はお相伴ありがとうございました」
と挨拶を交わし合います。

《大寄せの茶会》
亭主が再び席に出て、
「今日はありがとうございました。不行き届きの点も多々あったかと存じますが、お許しください」
と述べます。これに対して正客が、
「とんでもございません。大変楽しくすごさせていただきました」
などと答えて、会は終わります。


●貴人とは
「貴人だといって特別扱いにしているわけではなく、貴人にはこうすべきだと決まっているのです。貴人にはあなたもなれますよ。あなたが、日本の国のために尽し、三位以上の位をいただいたら、貴人点でお茶がいただけます。貴人には、それだけの尊敬と位があるのです。どうぞ、三位以上の位をおもらいくださいませ」といった。その人は黙って去っていった。
現在は、自由主義をいいたてて自己主張をする人が多いが、自分のもっ教養、知性、常識だけで批判し、自分のレベルですべてを価値づけると、間違いがおこる。
広く広くあたりを見、深く深く人を見ることが大切である。お茶のなかに七事式があり、そのなかに花月之式というのがある。
これらには、衆の中の自分を、衆の中に溶け込ませ、出過ぎず、おくれず、衆と共に協調するための訓練がひそんでいるのです。


●呼吸と気合
お茶の点前の中には武道があり、そこには呼吸がある。吸う意気で物を取り、吐く息で置く。吸う息で手をひき、吐く息で手を出す。袱紗にしても吸う息でたわめ、吐く息で伸ばす。この呼吸に間があり、気合いが入るのである。相手のその気に応じ、こちらも油断なく、呼吸を乱さず間をはかり、気を充分に腹にためておく。
お茶は和敬静寂の心境で、無心、来るならいつでもどうぞ、という「気」である。裏千家では、幕末にもう争いは無いと判断されたのか、手は防御のみとなっていますが、本来は防御と反撃の手があります。


●抹茶がこぼれたとき
拭かないで抹茶をとり除き、釜の湯を汲んで上から静かに流す。抹茶は、お湯で浮いて畳からはなれて見えるので、そのお湯を静かに拭き取ると抹茶はきれいにとれる。そこで、もう一度その上にお湯を流して、タオルできれいに拭き、そのぬれたところに乾いたタオルをひろげ、トントンと叩く。こうすると、お抹茶はきれいにとれて、ぬれた畳は乾いてもとの通りになる。

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