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茶道具、取り合わせの基本知識  台子/長板/棚もの

2006-10-17 18:15:29 | 茶道豆知識
●台子
室町時代を通して「書院」での茶の湯は、まず棚物の原型として第一に考えられる「台子」を中心とした流れがあることは否めない事実としてあります。
「真台子」をその原点として考えられていますが、室町初期の台子棚は現在の研究では幅一間ほどもあり現時点で考えられる「台子」とは少し趣を異にします。その後、さまざまなサイズの中から現在伝えられているような大きさに集約されていったことが考えられます。いずれにしても「真塗四本柱」の台子のみがこの当時使用されたと見て間違いないでしょう。いわゆる「眞台子」の始まりです。
この「眞台子」を基本として「珠光」が上下の板を桐木地とし竹の柱を立てることを創案したとされる「竹台子」が作られます。ここまではある程度の大きさの規定はあったと思われますが、おそらく「紹鴎」「利休」時代に現在見られるサイズになっていったものと考えられ、代表は「不審庵伝来盛阿弥塗」の眞台子が一つの基準となります。

また利休好で「唐物から」ともいわれる「及台子」がありますが、ほぼ「真台子」と同寸です。
「竹台子」といえば皆さんよくご存じなのは「利休好」で台子地板から「風炉の部分」を除いて「炉用」に好んだものであり「元伯宗旦好及台子」も同様に「利休好」を小さくし炉に向くサイズになっています。また元伯宗旦の好みといわれる「高麗台子」は炉用だけです。
その後様々な「好」や「蒔絵」を施した物などが登場します。

●長板
「台子の地板を長板という」という風に長板の発生に関してはいわれ続けてきましたが、近年異説も登場しています。「茶を点てる道具を置き合わせた物」を原点とするという説です。
長板の基本的なものは「真塗」他に「柿合塗」「木地」などがあり、炉風炉で大小があります。また「流儀の好物」も数種類あります。

●棚物
(大棚)
台子以外の棚物として登場するのが大棚と呼ばれる物で嚆矢として「紹鴎袋棚」が上げられます。紹鴎の狂歌に「我が名をば、大黒庵といふなれば袋棚にぞ秘事は込めけり」と詠んでいます。
「利休袋棚(志野棚)」は香道で使用していた「飾り棚」を利用する事が考えられたものでした。これらは風炉釜を置く事が出来ない棚なので当初から炉に使用された物と考えられます、逆に炉に使用するための書院飾りの棚として用いられた可能性もあります。いずれが先であったかは判然としませんが台子、長板以外の棚物が使用された始めではないでしょうか。ですからそれ以外の侘び数寄の茶は全て運び点てだったとも考えられるのです。
これら書院飾りから分離したとも考えられる「紹鴎棚」や「利休袋棚(志野棚)」などの「袋棚系(遠州の袋棚や石州の猿曳棚、車棚など武家茶道に多い)」の他に風炉を置く場所のある「風炉用の大棚の系列(表千家小袋棚、玄々斎好寒雲棚など)」などがあります。

(小棚)
最も種類も多く一般になじみのあるのが「小棚」です。本来は床の間等に香炉や花入を飾る棚として用いられた唐物の棚を点前座に置き水指を据える棚として用いられるようになります。「中央卓」「城楼棚(せいろうだな)」等がそれにあたり、のちに様々な工夫が取り入れられ多くの好物が作られるようになます。
和物では紹鴎の「水指棚」「今井宗及」の「洞棚」などが使用され始めるようになります。
さらに利休の登場により様々な小棚が創造されるようになります。「丸卓」「四方棚」「角棚」「山里棚」「三重棚」「烏帽子棚」などその多くは利休の侘茶を反映してか、桐を使用した木地の棚です。その後の好物の多くはこれら「小棚」のバリエーションです。
また収納と移動が可能な「旅箪笥」を代表とする「箪笥」(利休好、旅箪笥とそのバリエーション、宗和好、短冊箱など)その原点は朝鮮半島にあったようです。

(仕付棚)
また小間には「仕付棚」と呼ばれる道具棚が取り付けられている事があります。その名の通り壁などに直接取り付けられている事が普通なので取り外しは出来ません。台目の席の「台目棚」や「雲雀棚(遠州好)」などは代表でしょう。











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