宗葉の、チョイト思う事。言いたい事。

意見のあわない方は、御容赦。

●宮本武蔵「五輪書」

2016-05-26 17:20:15 | 私の言いたい事
NHKテキスト 100分de名著
宮本武蔵「五輪書」魚住孝至より

●「五輪書」に学ぶ生き方とは
この書は、誇り高い独立不覊の武士の意識と、専門の道を何処までも徹底して追求していく日本の道の思想が独特の形ちで結びついたもの・・・・と言えると思います。武蔵は、兵法の道を生きて「個」を貫いています。組織の人間にはならず、一人の人間として独立して道を追求している。武蔵は「近代的な個人」とは別種の、道の鍛錬に貫かれた「個」を確立しているとも言えます。それは、社会において自分の持ち場というものをはっきりと意識し、その道を徹底的に鍛錬していくという人間の在り方です。現在でも、職人の世界にそうしたものが残っているでしょう。

「地の巻」で「いずれも人間において、我が道をよく磨く事、肝要なり」と書いています。それぞれに自分の持ち場や役割があり、自分の道というものがある。人生の中ではいろいろとやりたいことがあるかもしれないが、生きるとは、それらを何処かで断念して自分の道というものを選び、その道を絶えず工夫しながら徹底する事である。その一方で広い視野を持ち、様々なものに学ぶ事も大切です。それを自分の道に活かし、昨日より今日、今日より明日へと、常により上を目指して日々を大事に、着実に生きて行けば良い。そうした積み重ねを通じてこそ、とらわれの無い、より大きなところへと開かれ、自在に生きていけるのだ・・・・と武蔵は伝えているのです。

私(梶間宗葉)の思うところ、茶道の中の「利休」とその後の茶道の世界を見たように思われる。