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茶道具、取り合わせの基本知識  鐶/羽/火箸

2006-10-17 18:28:49 | 茶道豆知識
●鐶
釜を上げ下ろしするのに用いるのが「鐶」です。金偏に丸と書いて「カン」と読ませるのがお茶の世界では一般的です、残念ながらコンピュータの世界では出てこない漢字なので同じ意味を示す「鐶」を使用ています。
元々は釜に付いたままになっていた物のようですが、炭手前の都合上、はずされた物と思われます。ですから掛けはずしの出来るよう、一箇所が切れた形になっています。普通、右側に掛ける方は鐶付に向こうから手前へ、左側はその逆、手前から向こうへ鐶を掛けます。これが本勝手用、逆になった物は「逆勝手用の鐶」です。
材質は「鉄」が主ですが「南鐐」「砂張」などがあり他に「真鍮製」の物は水屋用として釜の持ち出しなどに常用しましょう、これは釜を傷めないための心得です。
形状も丸だけの物のほか「大角豆」「捻」「蜻蛉」「巴」「轡」「常張鐶用の角鐶」等があり「象嵌」の入った物「素張(中空)」など炭手前中の見所として楽しめます。

●羽箒
炭道具の中でもよく目立ち、脚光を浴びる物に「羽箒」があります。
一枚の羽根を使い箒としていた物を利休が三枚まとめ竹皮で根本を包み「こより」で結んだ物を使用したのが道具としての羽箒の始まりです。鳥の羽ですので左右がはっきりしており、炉風炉、本逆の違いで使い分けます。一般には右翼の羽根即ち根本を手前にして右側の広い物を「風炉本勝手用」とし、その逆左翼の羽根は「炉本勝手用」とするのが一般的です。

飛躍力の強い鳥は左右がはっきりとしますが、「孔雀」等長距離を飛ばない鳥は左右の差が穏やかです。左右の幅に差のない羽根は「諸羽(もろは)」といって「真」に扱います。これは尾羽根の中心にある一羽に一対ないし一枚程度しか採れない羽根を三枚あわせた貴重な物です。
「青鸞」を最上とし「朱鷺」「鶴」「鷲」「鷹」「雁」「白鳥」「鴻鳥」「鷺」など今では貴重な大型鳥類の羽根を使用します。古い時代の羽箒を見ますと今の物より小振りな物が多いようです。

「唐君、唐国鳥」と称する諸羽に近い稽古用の羽根は「七面鳥の尾羽根」で作られています。悪いとは言いませんが、「安い物」を求めるが故の所産で、炉風炉の区別が付け難く教材としても不適切かと思います。
多少高価な物でも左右のはっきりした物を選ぶことをおすすめします。「作家物」はほとんどありませんが「一閑」作などの物が若干見受けられます。

(座掃、掃込み、掴み箒)
もう一つの羽箒に「座掃」があります。炭手前の後道具畳を掃清めるための大きめの「羽箒」です。普通は鶴または白鳥の片羽根全部を組んで束ね竹皮で包み芋紐で縛った物です。
組み方によりやはり左右があり本来は本勝手、逆勝手の区別をしていましたが、現在では貴重な物のため、どちらを用いても良いことになっています。
流儀により「三つ羽羽箒」で座掃をする(遠州流、藪内流)もありますが、水屋用の「組羽根」を用いる事もあり、おおよそ大羽根を使うようです。

これとは別に、「中立」の時席中を清めるのに用いる物に「掃込み」があります。これは鴻鳥や鷺などの片羽根を用いちょうど文房具の羽箒を大きくしたような形状の物です。残念な事に客の目に触れることはありません。

水屋専用の羽箒に「掴み羽」があります。鶴または白鳥の羽根を十五枚、束にし竹皮巻いた物です。「箱炭斗」に添え用います。

●火箸
火を直し炭を次ぐのに用いるのが、火箸です。古くは「火筋」とも呼ばれ、「台子飾」の一つでした。炉、風炉のない時代(台子書院の茶)では一般で言う「飾火箸」を杓立に用い使用しており古い形でっあたと想像できます。利休が「炉、風炉」の区別を付け火箸を好んだとされ、袋打ちにした金の火箸を「風炉用」に、桑の柄の付いた物を「炉用」にと好まれました。その後、各流儀、歴代家元により様々な好物が作られますが、杓立を用いる場合に使う炉風炉の区別のない「飾り火箸」すべて金属製の「風炉用」木製の柄の付いた「炉用」に大別されます。
水屋用として「長火箸」があり大小は炉風炉の区別とも言われており、持ち出すこともあり。



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