沖縄・伝統文化

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野村流・伝音協地謡研修発表会

2006-07-02 15:49:07 | 舞台公演
古典音楽・野村流伝統音楽協会地謡研修部、第17回海邦組踊シリーズ発表会の舞台をご紹介します。野村流伝統音楽協会は主に那覇地区の実演家を中心に結成された会派ですが、地謡の技能研鑽を目指して定期的に舞踊、組踊の研修発表会を開催しています。公演は古典舞踊、雑踊から組踊までと多岐に渡るものですが、組踊に主眼が置かれた発表会であることから組踊二題を掲載しました。首里良三師範(地謡研修部長)の許可を得て撮影した画像です。

組踊「手水の縁」、波平大主の息子・山戸(やまとぅ)は、瀬長山からの帰り道、波平玉川で出会った美女・知念山口の玉津(たまつぃ)に、柄杓ではなく手ずから水を飲ませてくれるよう懇願します。見ず知らずの他人にどうしてそんなことができようかと断った玉津でしたが、自分の思いがかなわぬくらいならこの川へ身投げするという山戸に根負けした玉津は手水を捧げます。

玉津恋しさに屋敷の裏口に忍んできた山戸が玉津の肩に手をやり声をかけると同じく山戸を待ちわびていた玉津が振り返ります。美しい調べの仲風節にのせて演じられる恋人同士の逢瀬の場面です。

「でぃちゃよぅ うしちぃりてぃ 眺めやりぃあしば」・ナカラタ節にとともに始まる古典・女踊り「瓦屋節」で静かに登場する最初の場面ですが、地謡も全員女性です。どこの会派の発表会でも、女性による地謡が目立つようになってきました。瓦屋節の踊り手は宮城流・宮城能舞先生です。

組踊・「万歳敵討」、悪役の高平良御鎖(たかでぃーらうざし)は、「山鳥ぬ入らば浜下りゆする浮世習わしに 小湾かい浜下りにいちゅん」と唱えてから厄払いに出かけます。大謝名ぬ比屋(じゃなぬひゃー)を闇討ちした高平良御鎖は、屋敷内に山鳩が迷い込んだことを不吉の前触れと考えたのです。

一方、闇討ちされた大謝名ぬ比屋の遺児・謝名ぬ子(じゃなぬしぃー)と慶雲(ちぃーうん)の二人は、門付け芸をする万歳芸人に扮して父の敵討ちの旅に出ます。
小湾浜で高平良御鎖が忍びの宴を張っていることを聞きつけた謝名ぬ子と慶雲が様子をうかがうため門付けの万歳芸を披露する場面です。
この一連の踊りは、勇壮な二才踊り・「高平良万歳」として独立した舞踊ともなっていて、よく知られた人気の演目です。


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