夜のブログ

講評です

【+1】 揉む

2007-02-03 23:01:41 | 講評2007
内容: 0
文章: 1

個人的にはマッサージチェアの良さがよく解らないので
今ひとつ実感が沸きませんでした。
ただ描き込みはかなり丁寧で入念ですので、これで実感が沸かないのは
一方的に僕の問題なんだろうとは思います。
もちろん、つまらなくはないんですが。

文章的にはやや説明過剰。
手や揉み加減に関する部分は丁寧で好感が持てましたが、
それ以外の部分ではもう少しライトでも良かった気がします。
積極的なマイナス要因ではないとしても。


けどチェアから発見したアルミホイルを捨てたりしなければ
もっと他に利用価値が・・・いや、ないか。

【+3】 ともぐい

2007-02-03 22:34:18 | 講評2007
内容: 2
文章: 1

こういうドタバタが大好きな僕のような輩にはたまらない。
数々の突っ込みは真剣な心の叫びだと受け取っておきますが
否・・・やっぱり一般には理解されないだろうなぁ・・・。

(怪談とは関係ないことですが、割とエクストリームな世界で生きていると
こういう収拾のつかない状況はそう珍しくはないです。
そういうときは「帰りてぇ~」と思うし、実際にそう発言もします)

ぬいぐるみとか、予想をどこまでも裏切ってくるところが小説より奇也、
ある点での実話の魅力と僕は思います。
色々な意味で貴重な一本。

展開の中で完全に埋もれてしまっている感がありますが
霊感男の「捨てちまえ!」→ヌイグルミの辺りの、怖い話としては
比較的正当な部類のシーケンスも見逃せませんね。

というわけで、内容は好き嫌いでの+2。
文章は多少解りにくいのを引いても、ライブ感と内容との一体感を重視して+1とします。
"リアルさ"といっても、「実際にありそうだ」とか「いかにもだ」という以外にも
自分がそこにいるかのようだという点もあるわけですからね。
尤も、一般的な意見とはかけ離れているかも知れませんが。

【+2】 ついてない一日

2007-02-03 21:59:50 | 講評2007
このがっかり感は稀有です。
内容はいかんせん小粒の上、関連性もなにも解らないわけですから
内容単独ではちょっと評価しにくいものがあります。
ただこの書きぶりあっての作品ですので、その一体感には+2くらいの価値が
ありそうです。

子鬼ってのは何よとは思いますが、20センチではそう細かい造作まで見えないでしょうから
子鬼くらいの描写でも無理からぬことかも知れないですね。
ただ何をもって子鬼と思ったのかくらいは、ヒント程度書いてもらえるとうれしかったかも。

【0】 地下駐車場

2007-02-03 21:42:08 | 講評2007
内容: 1
文章: -1

体験者の心の動きが面白かったです。
シチュエーションそのものが十分にイヤな感じではあるのですが
灰色の人というのをもっと詳しく知りたかったところ。

客観的な説明は殆どなく、主観的な説明が多い実験的な文章です。
起きたことについて主観を述べていくのは
時間の経過を書くという一点については興味深く思います。
どうにも不親切には違いなく、策に溺れた感がありますが
最後の一行はこの文章の積み上げた結果ということを考えると
評価の分かれるところでしょう。

【+3】 鯉泥棒

2007-02-03 21:07:14 | 講評2007
内容: 1
文章: 2

田舎の言葉って迫力あるなぁ。これで小学生かよ!っていう。
内容は良い気がします。基本的には好きな話ですし、
怪異以外の描きこみについても好き。
ただ最後が蛇足に感じたのが難でしょうか。

文章は基本的に優れています。
が、どうもいざ吊り上げてからが突然急ピッチになっていて
それまでの読み方だとついていけなくなりそう。
「くーびー」というのはちょっとなぁ、と思ったのですが
舩山君がそのモノを発見するまで敢えて曖昧にしておこうという
腹積もりだったなら、すっかりハメられてしまったことになります。
山間の沼の描写も良いですし、+2は堅いでしょう。

+3にならなかったのは、やはりちょっと解りにくいというか不自然に感じたから。
舩山君が安部君のところに向かった時、阿部君が先に首に気づく状況を
もう少し親切に書いてくれたら良かったかな。

【+1】 ぶらんぶらん

2007-02-03 16:02:34 | 講評2007
内容: 2
文章: -1

何が足首を掴んでいたのか、想像したらちょっと怖かった。
内容は申し分なしですね。
内容は+1という感じですが、シチュエーションが素敵だったので
更に+1と思っていただけると。
楽しみにしているドライブの直前ですからね。何か悪いことが起こる予感で
読むほうもワクテカするわけですよ。

文章的には限りなく-1に近い0。
説明がややくどいように思うのと、句読点が多いのがそれを強調しているように思えました。
-1かそれとも0かとても悩みましたが、初見で気づいてしまったので-1とします。
残念。

【-1】 エレベータ

2007-02-03 05:30:05 | 講評2007
内容: 1
技術: -2

惜しい。
話自体は非常にストレートで、そこに好感が持てます。
ありがちだと切り捨てられる部分も多いように思いますが
開けてくれてもいいじゃねえかという日常的な不満を軸と考えると
却って良い印象になりました。

普通、エレベータのドアが閉まったときにボタンが押されていたら
誰も乗っていなくとも勝手に上昇する筈ですが
きっと4のボタンが押されたのは、青嶋さんが乗った後なのでしょう。

文章のほうはもう一歩というところで、書き馴れていると思わせるリズムはあるものの、
まだ体が温まってないのか硬いです。

例えば冒頭のビルに関する説明。
こういう無駄な説明は好きなのですが、「寂しいエントランスだ」ということ以外は
はっきりと解らない。
”そこそこ”って、説明したいのかしたくないのかどっちなんだとか。
「ふと吹き抜けの向こうを見ると~」とありますが、進行方向のはずだから
”ふと”見るというのは似つかわしくないんじゃないかとか。
そういうところに硬さを感じました。

闇の宴――開幕

2007-02-03 04:55:15 | 超-1
2007年2月。
色々なところを色々と震撼させたあの闇の宴が、今年も始まりました。

数々の伝説を生んできた「超」怖い話の共著者補充のために始まったこの
この【超-1】は、質・量ともに誰しも予想し得なかった結果を導きました。
二名の覇者と、ランカーと呼ばれる応募者たちの紡ぐ戦慄のエピソードは
「超」怖い話 超-1怪コレクションVol.1-3として、3ヶ月に渡り毎月発売されたほどです。

超-1は以下の3本の柱に支えられています。

1. 実話怪談を書く
2. 著者は大会終了まで伏せられる
3. 寄せられた怪談について講評する

(詳細はこちらをご覧ください)

前回は50%程度の講評しかできなかったのが悔やまれますが
今年はblog講評で60%・・・否、志は高く100%を目指します。
blog講評になったからといって、多分内容は去年からそう進歩ありますまい。
(でもなんとなく自分のペースで書けそう)

今年からは講評ポリシーとして、内容と技術力の2点が目安にされるようです。
当たり前といえば当たり前なのでこれは織り込んでおくとして、
僕のポリシーは以下のようにしたいと思います。
優先度降順です。

・好きな話かどうか
・怖いか、怖くないか
・説明が効果的か
・文章力が内容に見合っているか

極端な場合、文章がどれだけ変でも効果的であれば減点とはしません。
美文でも内容と合っていなければ加点とはしません。
内容は好き嫌いを優先します。
とはいえ嫌いな話というのはないので、単に嫌いだから-4ということはありません。
好きな部類の話であっても、光り輝くほどでなければそれだけで+4ということもないでしょう。


さて。
こういう性質のものですので、時には暴言珍言を吐くかも知れませんし
私程度の人間が褒めても貶してもご無礼になるでしょう。
それもひとえに、この宴の魔力が故とお許しいただければ幸いです。