夜のブログ

講評です

【+4】 アビス

2007-02-07 04:53:56 | 講評2007
内容: 2
文章: 2

僕は草の類とか土っぽいものに馴染みが薄いので
どんな花?草木?なのか僕は知りませんでしたが。
途中に葉の形状について少し説明がありますし、それで十分なのかも知れません。

内容はとても良かったです。好きです。
頭部の描写がちょっと箇条書きっぽいなとは思いましたが、それも2行ですし
それほど気にはなりません。
ただ最後の部分は…。
これこそ好みの分かれる落ちだと思うんですが、僕はないほうが良かったと
敢えて言いたい。
味があるのは解るんですけど、味なら本筋にもしっかりありますし。
一歩間違えれば耽美とさえ言える風景で終わりにして欲しかったかなと。

内容を読んで某韓国ゲームを思い出さなかったと言えば嘘になりますが
深追いすると別の話になるのであれのことは忘れます。
あれは怖いと専らの評判でしたけれど、怪談じゃないですし。
というわけで新規性は損なっていないんじゃないかと。

【+2】 サッカー

2007-02-07 04:30:43 | 講評2007
内容: 1
文章: 1

これで「サッカー」というタイトルにしちゃうのは
サッカーファンが見たら怒るかも?
軸となる出来事はシンプル過ぎるくらいなのですが
全体としてはジャンキーも大満足とは行かないまでも
「ちょっといいね!」と親指を立てられるレベルであると思います。

散漫なようなタイトなような微妙な緩急のある書き方は
バランスが微妙すぎて好みが分かれそうです。

> 機嫌のよいときにボールを見たら、人間誰でも蹴りたくなるものだ。

例えばこれは散漫成分。こんな一般論は不要に思えます。
(日常的に道端にボールが転がっているようなところで生活してない人に対しては
効果があるのかも知れませんが)

配点は…かなり難しいですね。
軸となる怪異そのものの新規性の低さについて気になったので
内容の配点をやや抑えさせて頂きます。

【-1】 ぐるぐる

2007-02-07 04:05:15 | 講評2007
内容: 1
文章: -2

うーん、まずタイトルから受けるライトな印象と
本文の書きぶりのギャップに違和感が。
更にどうもかなり力み過ぎの感があります。
そしてどうも著者の身の丈に合ってないように感じます。

そのひとつの原因は取ってつけたような台詞。
インタビューの中から、印象深い台詞だけを繋いで編集する、
ドキュメンタリー番組(のダイジェスト)なんかが好んでやる演出ですね。
だとするとある程度趣旨は理解できます。
その見方だと(やや浮いてるけども)二つ目の台詞まではいいんですが
最後の「捻じれた。」は明らかに変です。
まぁ、これは細かく指摘しなくとも著者自身が気づいて
悶絶していることでしょうけど...。

まだあります。
何にせよ北海道の出張から始まっていきなり山手線に乗っているのは
ちょっと時間が飛びすぎている。
いくら嬉しくとも間にかなりの移動が入っているのに
山手線(しかも22時)に乗ってうっとり出来る人はそんなに多くないんじゃないでしょうか。
藤沢弘はそういうことが可能な人だったとしても、
この心情描写はちょっと僕には共有できない。

と、悪いところばかり書いてしまいましたが、気になる部分を抜けば
さらりと読めるしそんなに悪くないです。
一本の作品としては致命的だと思ったので点数は引きますが
次に期待ということで-2として、最低点は避けたいと思います。

内容は良いと思いました。
特に何度も捩るところと、グググググッが効果的だったので。