夜のブログ

講評です

【+1】 米袋の中身

2007-02-16 23:32:14 | 講評2007
内容: 1
文章: 0

うーん、これは怪異だろうか。
語りようによっては怪談にもなるかも知れませんが、
怪異かどうかはもうかなり解らない。

事実、同じものを見た父と母のうち
ネズミじゃないと言っているのは父のほうで
母はネズミだと思ったわけですよね。
じゃ、ネズミに似た何かかということになりますが…
まさか、世界一有名なあのネズミ?
あとはゴキブリとか。コメツキムシとか。

ただ、ネズミだとすればフンが入っています。
そこいら辺の記述があればよかったんでしょう。
母もそれをちゃんとチェックしていないのなら
実はよくネズミのことを知らないと思われます。

なら母の言うこともあまりアテにはならない。

そうすると結局何だったのよ、という話になるわけで
それがはっきりするまでは怪異でもいいかという気になります。

で、まとめるとですね。
怪異というからにはちゃんと書くべきこと書いたほうがいいと。
書いてないから楽しめるという場合もあるのですが
(例えば●ッキーが米袋から飛び出す様を想像してニヤニヤするとか)
みんなそうやって勝手に楽しんでくれるわけじゃないですから。
僕はそれなりに楽しんだのですけど。

【+2】 超能力者

2007-02-16 02:21:01 | 講評2007
内容: 1
文章: 1

超能力が下剤や浣腸の代わりになるという新しい視点。
せっかくだからこの機会に「しかも初読は食事中」という酩酊さんのあの名言を
僕も書いてみたかったんですが、残念ながら食事はしてませんでした。

アキバ系ファッションとのことですが、正しい用法でしょうか?
最近はださい服を総称してアキバ系と呼ぶ輩が多いので少々心配です。
また、知らない人には一切通じないでしょうから説明が欲しかった。

内容的にはかなり珍しいと思います。
まず超能力者というまた好き嫌いの別れそうなネタを
堂々と据えた勇気は凄い。
超能力の内容はかなりしょうもない類なのが辛いところです。
その脱力感こそが魅力というのは「ついてない一日」なども同じでしたけど。
超能力ネタはあまり好きではないのと、また能力そのものが
かなりしょうもなかったので良い評価を出すのは厳しいのですけど
この脱力感と勇気で+1とします。

文章的には緩急がついているのが特に良かったです。

ぶじっ

ねぇ…

ぶじっ

かぁ…
いや、良い表現だと思います。
ドン!という鈍い衝撃が来たら、危なかったかも知れませんね。


【+5】 赤い手

2007-02-16 01:58:35 | 講評2007
内容: 2
文章: 3

彼女の性質かと思いきや、佐々木君の特殊技能というのは意外でよかったです。
介護福祉士をしているのに時折正体のない怒りに我を忘れるというのも地味に怖い。

こういう、何にフォーカスしたいのか解らない話は失敗すると
極めてリスキーだったりするんですが、これはそつなくまとまっていて凄い。
まさに技術力の為せる技でしょうか。
基本は会話を主軸としていて、散漫になりがちなのに
実はよくまとまっているのが極めてさり気なくて素晴らしい。

一見して無駄なやり取りが多いように見えるんですが
最後まで読み終える頃にはそんなことは気にならなくなっています。
グレート。

【+1】 夜、歩く

2007-02-16 01:49:30 | 講評2007
内容: 1
文章: 0

重厚なタイトルからは想像もつかない普通な内容です。
普通な内容、というのは所謂虫の報せの話だよねとジャンル分けした上での話で
別につまんないという意味ではありません。
要するに、既存のカテゴリによく収まる話、ということで。

カーの小説にも「夜歩く」という作品があります。
ちょっと違うけど、藤田和日郎氏の名作中篇にも「夜に散歩しないかね」というのが
ありました。割と由緒正しいタイトルかと。
意図したものかはわかりませんけど、このタイトルを見てクリックしたら
結構がっかりします。

短い!
改行もない!
語り出しは「TVを母と見ていた時」!
なんて普通なんだ!

…とね。
まぁそれだけでやられた気分にはなるんですが。

技術的に一番苦しいのは最後。
こういう風に終わられたら、ばあちゃんの紹介としか思えなくなります。

「Aな私にすればBなCは大変Dな存在です」

これは結婚式の祝辞なんかのごくごく形式的な紹介の文章で、
しかも枕にしかなりません。

途中で入っている祖母の素朴な疑問が生き生きしてて良いです。
天井裏を歩くというのは所謂家鳴りの一種なんでしょうか?
その辺りがとても良かっただけに、ラストがとても残念です。
そこは残念ですし、文章も特別上手とは言いがたいのですけど
タイトルと内容のギャップの味などの光る部分もあり
文章的には相殺して0としたいです。

【0】 クロウリーの書

2007-02-16 01:22:29 | 講評2007
内容: 0
文章: 0

渋いの一言に尽きますね。
ただ導入がかなり大袈裟だったぶん、怪異そのものが
かなり薄れてしまったように思います。

導入の重さと怪異の普通さ、最後の一言。
このへんのバランスが好きかどうかなんじゃないでしょうかね。
僕はというといまひとつ好きになれない。

技術的には特筆することもないくらいまとまっています。