高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

2月11日 表参道ヒルズ

2006-02-13 | 千駄ヶ谷日記
花粉がちらりと飛び始めたようだ。
そろそろ布団や洗濯物を干すのに用心深くならなければ、と思う。
私は今のところ花粉症じゃないけど、体内に蓄積されてゆくとある時点で症状が出るそうなので気をつけている。
布団が花粉の温床にならないよう、大好きな布団干しも今日ぐらいまでと、必要な布団を朝のうちに干す。

昨日、本の見本が5冊だけ届いた。(またまた、自分の本のことで恐縮です)
うれしくて、仏壇にあげてチンをして、近所の本屋さんに一冊持って行く。商店街の本屋のおじさんとは、今回に限らず、本の出版の話があったりすると報告していた。(たまーにあるのです)
それで、本屋さんに本をプレゼントするというのも、ヘンな話だけど、思わず走ってしまった。月曜日にはお店に行って感想を聞こう。
それから鳩森神社に行って、お賽銭を奮発して本を置いて、パンパンと祈った。
夕方、ある方と35年ぶりぐらいのデイトをした。Tレックス友だちだったその方は、レコード会社の社長さんになっていた。一冊プレゼントした。
そして夜、息子に一冊あげた。
私には多分1000人ぐらいの友だちがいる。今後友だちに会うたびに本をあげたくなるだろう。花咲かじいさんみたいに、ばら撒きたくなるだろう。
ごめんなさい、1000冊は無理だから買ってね。

4、5日前、仲良しの女性プロデューサーと池尻の和食屋さんで「ふたり新年会」をした。(旧正月になっちゃったけど)
そのお店の途中に洋菓子屋さんがあって、彼女がご主人にチョコレートを買うというので、立ち寄った。女の方がひとりでロールケーキを作っていた。
そのひとは紺色のステキなセーターを着ていて、それはマドモアゼルノンノンのものなのは明白だけど、どうみても30年前のものだ。背中にはパリの地図が編みこまれている。
「そのセーター昔のノンノンでしょ」
「そうなの、セントラルアパートにノンノンがあったとき、オーダーで作ってもらったのよ」
それが引き金になって、彼女の話が昔セントラルアパートや原宿にまつわることになり、ロールケーキをつくる手はピタリと止まってしまった。
彼女の話を聴きながら、そのことみんな私の本に書いてあるよ、と言いたくてたまらない。
最終的に名刺に「表参道のヤッコさん」と書いて渡した。
「あ、高橋靖子さんだったのね」と彼女は言ってくれた。
近所の本屋さん10冊、池尻のケーキやさん1冊、衣装合わせをしたタレントさん2冊、プロデューサー3冊、今のところの予約状況なんですけど。

今朝、表参道のアンデルセンで朝ご飯べようか、と思って原宿の裏道から、伊藤病院のところに出た。
ケヤキ並木が思いっきり賑やかで、あ、今日は表参道ヒルズのオープニングだったと気付く。
人がいっぱいなのに、どういうわけか、スーッと入れてしまったのでそのままヒルズに突入し、ぐるっとひとまわりした。昔の同潤会の面影を残した棟では、「うん、こんなだったかも」と感触を確かめた。ささやかに草間弥生さんのバッジを買った。
この人ごみの中にケヤキ会の青木さんがいるんじゃないかとケイタイを鳴らしたら明治神宮にいるという。
そのまま明治神宮の本殿までいって、ここでは少なめにお賽銭をあげて、(メジャーだからいっぱいあげる人がいるだろうと思って)帰りに八竹で茶巾寿司を買って帰ってきた。

恥ずかしいけど、本が出来あがりつつあることで、神頼みしながらもこんなにうれしい日々です。

写真 (撮影・Yacco)