「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの一問必答(12):共通部分を含めて考える求積問題

2015年02月27日 | 学習指導法



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 「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む26年度の問題を取り上げ、ポイントを解説します。

今日のテーマは、図形の重なった部分を考慮して考える問題です。この問題は、多くの学校で出題される基本的な考え方で、しっかりと学習しておく必要のある問題です。


【26年度の入試問題】 (分数の表記および記号が、実際の入試問題と若干異なります。)

今回のタイプの入試問題から、公文国際学園中等部・共立女子中学校・女子学院中学校の3校の問題を取り上げ、その考え方を解説します。

1.公文国際学園中等部

公文国際の算数は、問題1が計算を含む小問10題、問題2がやはり小問5題、問題3は同様に小問4題で構成されています。問題4は平面図形4題、問題5は小問4題で構成された大問です。今回の問題は、問題1の小問の一つです。

【問題】下の図は半円と直角三角形を組み合わせたものです。2つの車線部分の面積が等しいとき、BCの長さは□cmです。ただし、円周率は3.14とします。 




2.共立女子中学校

共立の26年度算数は、問題1が計算を含む小問7題、問題2が円柱の展開図に関する作図、問題3から問題7までが小問2題で構成された大問といった出題でした。今回の問題は、問題1の小問の一つとして出題されました。

【問題】下の図は、おうぎ形と直角三角形を重ねたものです。2つの車線部分の面積が等しいとき、aの長さは何cmですか。  




3.女子学院中学校

26年度の女子学院の算数は、問題1が小問5題で構成され、その後に大問が7題続きます。割合の問題・立体図形の展開図に関する問題・容器に水を満たすグラフ読み取りの問題・図形の転がり移動の問題・仕事に関して周期算を用いる問題・条件整理の問題などの内容で大問は出題されています。今回解説する問題は、問題1の小問の一つです。

【問題】図のように、1辺が11cmの正方形を2本の直線で4つの部分に分けたら、四角形ABCDと三角形CEFの面積が等しくなりました。辺ABの長さは□cmです。  



このシリーズで取り上げる今春の中学入試問題は、私が作成した解説および解答を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!


【解答と理解しておくべきポイント】

1.公文国際学園中等部

問題の条件から、斜線部分のアとイの部分の面積が等しいことが分かります。

ア=イ

そこで半円と直角三角形の重なった部分ウを加味して考えると、

ア+ウ(半円の面積)=イ+ウ(直角三角形の面積)

直角三角形の面積=半円の面積から、4×□÷2=2×2×3.14÷2

よって、□=3.14(cm)





2.共立女子中学校

条件から、ア=イ

重なった部分を加えて、四分円=直角三角形となり、ア+ウ=イ+ウ

6×a÷2=6×6×3.14÷4 これを解いて、a=9.42cm




3.女子学院中学校

与えられた条件から、ア=イ

台形と直角三角形の重なった部分ウを加えて考えると、

台形の面積=直角三角形となり、ア+ウ=イ+ウ

(AB+2)×11÷2=6×11÷2

この式を解いて、AB=4cm




斜線部分の面積が等しいという条件を、もう少し広い視野で考えて、重なった部分(共通部分)まで加えると比較的簡単に問題を解く事ができる問題です。こうした考え方は、算数に留まらずさまざまな状況で使える見方を含んでいます。

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