「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの現代陶芸入門講座(25)…鬼才・肥沼美智雄の陶芸

2009年01月25日 | 陶芸
肥沼美智雄(こいぬまみちお)は、一般の方にはあまり知られていない陶芸家ですが、異色の作家として、一部の陶芸ファンには根強い人気を誇る孤高の陶芸家です。

小品を含めて、私もこの作家の作品を数多く所有し、実際に家の中に展示して楽しんでいます。

肥沼美智雄の作品は、銀座黒田陶苑の福島さんから、1985年に下の一輪花生を購入したのが初めでした。





極めて高い温度で焼きしめられた陶器は、硬質で金属のように感じられます。

暗く沈んだ色調、作品によっては炎によってただれた陶器表面、そうした印象を包含する独特のフォルム。

感情を押し殺したような彼の作品は、ある時は、歴史のフィルターを通って現代に蘇った、古代の作品のように感じることがあります。





また、ある時は、現代建築にマッチするほど、その陶器は未来的な形状を示します。

こうした陶器は、独特な作家の人生なくして作り得ない、極めて個性的で優れた作品だと思います。

そう言った意味で、この作家は、現代陶芸界の鬼才と呼んで差し支えないと思います。





しかし、バブルが崩壊して以降、この作家の活動を、私は事細かには知りません。

出来ることなら、周りのすべてに媚びることなく、我が道を行く独特の感性で、陶芸家としての一生を全うして欲しい作家です。

売れることを狙った作品ではなく、自分の個性的な人生を、その作品に投影するような創作活動を望みたい。

そうすれば、必ずや再評価されて、希有な存在の作家として記憶されていくことでしょう。



兜をモチーフに作られた陶器



陶器の表面に、唐草模様が象嵌で施されています
これらの作品は、大手町画廊で購入したものです



この作品は銀座黒田陶苑で買い求めたもの
落語の三遊亭円歌師匠も店内にいて、この作品についてお話ししたことを楽しく想い出します



安定しているので、いつも実際使っています
彼の作品は、艶やかさはないが、飽きの来ない存在感があります



蕗文鉢…この作品も実際使うと、なかなか風情を感じます



陶硯



筆置き…これも実際に使っていると愛着の湧く作品



香合



水盤…写真よりも実際の作品は、趣があります



文鎮…机の上に置いて実際使っています
中にオモリが封入されています



造形的には面白いが、実際の使用となると…
二重箱の茶碗…二重箱とは、その当時人気作家として、彼にも驕りがあったように思います


私が代表をしていた美術愛好家の集まり美学社(現在の美楽舎)で、かつて肥沼さんの窯場訪問を企画した時期がありました。

どういった経緯で実施しなかったか失念しましたが、今でも活躍してほしい作家であることに変わりありません。


【肥沼美智雄略歴】

栃木県益子町在住

1936年生まれ 東京都青梅市出身
    大阪大学経済学部、
    早稲田大学政経学部中退
1970 栃木県益子町に築窯し独立する
1974 北関東美術展で優秀賞受賞
1975 東京銀座・黒田陶苑にて個展開催
1976 東京・西武百貨店池袋店にて個展
1984 東京大手町・大手町画廊にて個展開催
1991 栃木県マロニエ文化賞受賞
1994 現代工芸藤野屋にて個展開催




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