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ロースクール留学(していた)日記

米国ロースクールLLM卒業生の日常→アメリカ駐在員の日常

スーパーボウル

2014-01-30 17:08:39 | アメリカ生活関連
アメリカ人がとっても大好きなアメフト。

その最大のイベント、スーパーボウルが間もなく始まります。
※参考:Wikipedia

そのチケットもおそろしい値段でして、昨日チケットの値段を見たらこんなかんじに。


>1593 tickets listings offered from $1400 to $11934 each

11934ドルって、1217685.69 日本円なんですけど。


アメフトは試合を見に行ったらとても面白かったので我が家もTVで見るかもしれませんが、スーパーボウル以外にもいろんな”ボウル”があるようです。

'Puppy Bowl,' 'Kitten Bowl,' 'Fish Bowl,' 'Zombie Bowl' offer Super Bowl 2014 TV alternatives(参考記事)

パピーボウルをとても見てみたい!

法務部の話ー2

2014-01-30 13:30:40 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
こんにちは。こんなブログですが総計1万アクセスを突破しました。ありがとうございます。


さて、私が今学期に取っている科目に法曹倫理があります。これはMPRE(法曹倫理試験)に役立ちそうだからという理由もありますが、これをとっておかないとNY州司法試験自体が受けられないからということでもあります。

具体的に何をやっているかというと、
・モデルルールとその注釈の読み込み (※あくまでもモデルなので各州は異なる内容を採用している可能性もある)
※参考:モデルルール
・過去の判例の読み込み
(要は弁護士がやらかしちゃった事例集。新人弁護士が仕事を抱え込んだまま時間が経過し、クライアントの権利が時効消滅しちゃった事例とか。)
がメインになります。

このルールの中にこんなものがありました。(Rule 1.2:場合によっては仕事のスコープを絞ってよい)

>A lawyer may limit the scope of the representation if the limitation is reasonable under the circumstances and the client gives informed consent.

この点につき、例えば、(Rule1.1:しっかり仕事をしなければならない)

>A lawyer shall provide competent representation to a client. Competent representation requires the legal knowledge, skill, thoroughness and preparation reasonably necessary for the representation.

との関係が議論になることもあるようです。

例として紹介されていたのは、アメリカはとっても離婚が多いので、依頼者全員にフル装備のサービスを行うなんてのは非現実的・不適切という状況です。
(例えば、仕事が回らなくなって、結果的にサービスを受けられない人が出てきてしまう。)


ということで、この方向で調べものをしてみたら、次のような記事が見つかりました。

@法務部の生産性向上について
記事1
記事2

先日の記事と似たようなところが多いからか、目新しい発想はないのですが興味深かったのは次の点です。

・法務部の生産性は法務部の問題だけではない、クライアント側にも問題点(法務への情報提供の効率性)がある。
・とある企業では法務のサービス品質を階層別にした(依頼元の期待内容を考慮して、案件の種別、部署、地域等で異なるレベルをセット。)
・現場対応力向上のためにマニュアルや教育を増やす?
・トリアージを導入してみる?
・オフィスアワーを導入してみる?
そのほか、こちらの記事では”時差を利用しよう”なんてのも書いてありました。


とりわけ面白い表現だなと思ったのが、”アウトプットではなくスループット”を増やすというくだりです。
要は(結果的に)無駄にならない仕事をしましょうってことのようでして、ある企業では、契約類型別に実際に紛争になった率を補足して、あまり問題にならなそうな案件はさらーっと流すという方針を採用したようです。
この点につき、Top Terms in Negotiationsについて(PDF・英語)なんかも参考になりそうです。


ところで、今期はそのほかに契約法の授業をとっているのですが、いわゆる”法と経済学”に影響を受けている教授のようでして、”契約を破る自由”とでも言うんでしょうか、合理的経済人モデルをベースにして、いつ人は契約を破るのかという分析についての記載が教科書にありました。
(そのほか「契約によって得られる利益-契約に必要なコスト>0」のときに人は契約を締結するという説明とか)

簡単にいうと、契約を破った方が得なときに人は契約を破るというだけの話なんですが、このあたりの発想も何かに使えないかなーと思いました。(合理的経済人モデル自体が時代遅れかもしれませんし、意識せずとも使っている発想かもしれませんが)

例として、現場に「顧客はこの契約を破った方が得をするか?」と聞いてみるのはどうかなーと空想してみましたが、もしYESといわれるようだと、自社に一方的な契約を作らない方がいいという結論(契約を破られるから)になるし、NOといわれるようだと逆に自社が契約を破った方がいいんじゃないかって議論になるのかもしれないですね。

ロースクール生活で別に必要なかったもの&アウトラインについて

2014-01-28 08:28:59 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
こんにちは。

日本人LLM生にアンケートを取ったら意見が割れるところだとは思いますが、個人的にはわざわざ日本語の解説書や辞書を用意する必要性はまったくなかったなと思いました。

主なものを挙げると
『アメリカ法判例百選』 有斐閣
『アメリカ憲法』 樋口先生
『アメリカ契約法』 樋口先生
のほか、英米法辞典も三種類もっていますが、ほぼまったく使っていません。

なぜか?

・授業内容と書籍の内容が一致しない可能性が高い
・日本語書籍は内容が古い可能性がある

といった理由も多少ありますが、一番大きいのは、

・日本語で記憶しておくメリットがほとんどない

ことだと思います。

結局、ロースクールの授業や試験はすべて英語で実施されるわけなので、わざわざ日本語の書籍を読むくらいだったら、正々堂々英語の指定教科書を読んだほうが効率的だと思います。日本語で理解した内容を英語でアウトプットするよりは、英語で覚えたほうが、それをそのままアウトプットするほうが何倍も楽だと思います。


ところで、テストに対してどのように対策をするかというのは人によって異なりますが、大学からも作成をおすすめされており、ほぼ全員が何らかの形(自分で作る、人からもらう、市販で済ます)で用意しているのがアウトラインです。アウトラインは簡単にいうと今までの授業のサマリーメモです。

ロースクールの試験はごくまれに多肢選択式や数行の論述問題も出題されますが、ほとんどが架空の状況設定に対して意見を述べる論文試験です。なお、”XXXXという判例について分析せよ・説明せよ”といった問題は聞いたことがありません。

アウトラインの作成の仕方は問われるテスト形式と個々人の好みに依存しますが、たとえば、こんなパターンがあります。
<サンプル1:事件別のアウトライン>



このアウトラインの抜粋は学内で出回っていたものでして、個々の判例ごとに要旨をまとめたタイプのものです。

個々の判例がなんだったっけ?と思い出す観点では非常に優れていると思いましたが、テストの論述に使うという観点では、個人的にはやや使いづらいなと思いました。
たとえば、”取締役の善管注意義務”が問われているテスト問題があったとしたら、このアウトラインだと事件ごとに内容がまとまっているがために、いざ回答する段階で”取締役の善管注意義務”に関連する事件の判例を行ったり来たりすることになってしまいます。
また、個々の案件で特徴的であった判決の要旨しか書いていませんので、たとえば「取締役の善管注意義務違反を問うにはA,B,Cという要件がある」といったタイプのルールの宣言がやりにくいと思います。

そういった観点で、個人的に用意したアウトラインは次のパターンです。また、アウトラインにごちゃごちゃとなんでも書くとテスト時に参照が難しくなりますので、必要に応じて教科書や判例集の該当ページをメモっておいてあります。

業務用にもこういうのがあればいいなとおもったり。

<サンプル2-1:論点別のアウトライン>

<サンプル2-2:論点別のアウトライン>

<サンプル2-3:論点別のアウトライン>




アメリカの有名大学

2014-01-26 21:29:56 | アメリカ生活関連
Howdy!

皆さん、アメリカの有名大学といったらどこを思い浮かべるでしょうか。


ハーバード?


スタンフォード?


コロンビア?



確かに、これらの大学も"日本では"有名ですが、アメリカでなんといっても有名なのは次の3つの大学だと思います。
※リンクは各大学のHPです。

1.Hamburger University

2.Disney University

3.Monsters University


残念ながら、ロースクールは開講していないようなのですが、モンスターユニバーシティはMBA過程も設けており、留学生の受け入れにも熱心なようです。

Deanからのメッセージも秀逸でした。

チャンスがある方は是非挑戦してみてください!



※ボストンのこの大学あるいはDCのこのロースクールとサイトの作りが似ている気がするのは気のせいでしょうか。

秋学期の成績発表

2014-01-23 13:11:53 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
こんにちは。表題の通りですが、今週になってようやく秋学期の成績が出そろいました。

                            …省略されました。続きを読むにはこちらをクリックしてください。















結論として、良くも悪くもなくという面白くない感じなのですが(どちらかというと個人的にはあと一声って感じ)、まぁ春学期はもっとがんばりまっす!


これだけでは面白くないので、、、誰かの何かの参考になりそうなデータをいくつか…。


1.答案の長さ=2176words

手元に答案があるので、とある科目の答案の単語数(例:an appleなら2単語)をカウントしてみたところ、Word2013君は2176語と表示してくれました。
この試験は3時間のOpen BookのIn-class Examで、大問1の配点が50%、大問2から4は配点が各25%で3問から2つ選択して回答するという形式でした。
問題文は手元にないので、すでに薄れている記憶がベースになるのですが、大問1がレターサイズ(A4より少しだけ小さい)で2.5ページ分、大問2から4が各1ページだったと思います。

したがって、3時間以内に、英文を4から5ページ読んだうえで答案を2,176単語で作成したことになります。
(ちなみに、当然に問題は違うのですが、昨年度のベスト答案は約2400単語のようでした。)


これだけだと何が何だかって感じだと思いますので、とりあえず比較対象としてTOEFLのデータを持ってきたいと思います。
TOEFLのライティングは2つの形式がありますが、それぞれ
・Independent task (2-3行の問題文についてエッセイを作成)
 = 300 words/30分 
・Integrated task (200-300単語の英文を3分で読んで、2分間のリスニングをしてから、エッセイを作成)
 = 150 – 225 words/20分
がTOEFL公式の最低ラインとされているようです。
(もっとも、実際はもっと長めに回答しておかないと大学院留学に必要な点には届かないといわれています)

これを単純に3時間に直してみると、おおむね1800-2000単語数になりますでしょうか。


とすると、ロースクールの期末試験だと、それなりに複雑な英文を読んで答案を構成する時間も含めて3時間で2000文字以上ですので、TOEFLよりはキツイといえそうです。

答案は中身の品質であって量ではないのではないかという話もあると思いますが、結論からすると、中身も量も重要なようです。

なぜか。


それは採点が減点方式ではなくて加点方式だから。


それは評価が絶対評価だけではなく相対評価だから。


例えば、イメージ的には「甲と乙の間で契約を締結する」という問題に遭遇したとして、
・申し込みと承諾とコンシダレーションがあるので契約成立!と回答した人と、
・申し込みと承諾とコンシダレーションがあって、かつ、契約の成立を妨げる事由がないので契約成立!と回答した人がいたならば、検証している論点数が多い後者の方が得点が高くなります。
(ただし、さすがに間違っている論証には点がつかない)

別の試験の教授なんかは「ロースクールの試験は数ページでは”回答”などできるわけがない」といいながら、10ページ近いファクトパターンを与えて、3時間で15ページ以上の回答(しかもClosedBook)を要求する人もいたりしましたので、ロースクールの試験はReadingとWritingが苦手だときついかもしれません。
(※ただし、ロースクールによってはLLMは回答時間が長めに設定されるところもあるそうです。)

もっとも、文学作品のような気の利いた英文である必要はないので、ワンパターンといえばワンパターンかもしれないです。
例:
1.「~という問題(事実)がある」
2.「(~という判例で導出された)~という法がある」
3.「法を本件事実にあてはめる」
4.「したがって、~という結論である」


そして、最終的な成績は各受験者の素点をもとにしつつ、大学によりますが、平均的な評価(あるいは標準レベルの理解度)の人がBくらいになるように調整しているようです。


2.英語のミスは許されるのか?
結論からすると、ミスはないに越したことはないですが、意味さえ伝われば、ミスがあっても得点が付かないということはなさそうです。改めて答案を読み直してみると、文法ミスやTypoが散見されましたが、それだけで0点なんてことにはならないようです。


3.実際、単位を落とす人はいるのか?
非常に気になるトピックです。

結論としては、いないわけではないが、稀であるというのが実際のところのようです。
例えば、とある教授は実際に過去に必修科目で単位をあげなかったことがあるといっていました。

他方、知人で課題を出し忘れていたけど、単位をもらったという人もいましたので、教授の厳しさに依存するようです。


4.実際、評価はぬるいのか?
これまた気になるトピックです。


端的にいえば、教授による、という何の意味もない回答になるのですが、他のLLM生と話してみると、思ったより評価が厳しいという声がちらほら聞こえました(自己弁護的ですね、スイマセン ><;)。


実際のところ、知人から聞いたところ、私も受講していたある科目では次のような分布だったそうです。
A 13.27 %
A- 20.41 %
B+ 29.59 %
B 32.65 %
B- 2.04 %
C+ 1.02 %
C- 1.02 %

この科目はLLM生限定の科目でほとんどの学生がとっていたので、受験者はたしか150人くらいだと思うのですが、とりあえず150人だとして計算してみると、
A 20人
A- 30人
B+ 44人
B 49人
B- 3人
C+ 2人
C- 2人
ってことになります。世界各国のローヤー(又は一流ロースクール卒業生)との競争になるわけですので、自国でAしかとっていない人生を送ってきたような人たちでも上位33%に入れなければ、Bレベルになっていたということかと思います。


以上。







ちなみにこの科目ではA-でした。(^^)v