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ロースクール留学(していた)日記

米国ロースクールLLM卒業生の日常→アメリカ駐在員の日常

カルテル

2013-09-28 22:51:25 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
カルテルで日系会社に罰金がでましたね。
司法省該当記事

記事にはペナルティの根拠も書いてあります。
>The companies and individuals are charged with price fixing in violation of the Sherman Act, which carries maximum penalties of a $100 million criminal fine for corporations and a $1 million criminal fine and 10 years in prison for individuals. The maximum fine may be increased to twice the gain derived from the crime or twice the loss suffered by the victims of the crime, if either of those amounts is greater than the statutory maximum fine.

企業だけではなく、個人もペナルティが課されるのが恐ろしいところです。
2名の方が二万ドルの罰金に加えて、12か月+1日(TK氏)14か月(GW氏)のprison収監が課されているようです。

上記ページの下のほうに各名宛人に対する裁判所発行のドキュメントへのリンクがあります。ためしに一つ読んでみましたが、認定した事実やシャーマン法1条の違反との旨が書いてあります。

ちなみに該当条文はこちらです。
”Every contract, combination in the form of trust or otherwise, or conspiracy, in restraint of trade or commerce among the several States, or with foreign nations, is declared to be illegal. Every person who shall make any contract or engage in any combination or conspiracy hereby declared to be illegal shall be deemed guilty of a felony, and, on conviction thereof, shall be punished by fine not exceeding $100,000,000 if a corporation, or, if any other person, $1,000,000, or by imprisonment not exceeding 10 years, or by both said punishments, in the discretion of the court. ”




ところで、記事の中の
>“Today’s charges should send a message to companies who believe they don’t need to follow the rules,” said Ronald Hosko, Assistant Director of the FBI’s Criminal Division. “If you violate the laws of this country, the FBI will investigate and put a stop to the threat you pose to our commercial system. The integrity of our markets is a part of the foundation of a free society.”

というセリフはいかにもアメリカ人が言いそうな感じです(偏見ですけど…)。
この発言にも垣間見えますが、アメリカの”ジャスティス”への思い入れは相当なものがあると思われまして、先日、とあるショッピングモールで子供向けのガチャガチャ(1回50セント)を回したら、こんなのが出てきました。小さいころから「悪いことしたらjailだよ」と教えるのかもしれません。…僕が子供だったら泣きます。それとも、ひょっとすると特殊な趣味の人向けなんでしょうか。

自然

2013-09-24 10:45:23 | アメリカ生活関連

こんにちは。今日は表情気分を変えて大学の図書館から更新しています。ちなみに写真はアメリカンインディアン博物館の入り口に飾ってあるお面です(http://nmai.si.edu/home/)。

なぜかっていうと、本日アパートが断水なんです…。正確にいうと、なぜか、事前通知のされていた本日ではなく、昨晩から予告なしに勝手に断水を開始し始めました…。蛇口をひねってもちょろちょろとしか出ない水、頭の上のシャンプーの泡をどう処理すればよいのか。水資源の獲得競争が今後激化するとの予測もあるそうですが、あらためて水の大切さを思い知らされた昨晩でした。

ところで話は変わりますが、意外と、ワシントンDCは自然と触れ合うことができます。

たとえば、こちら、

六本木にあるクモをアメリカでも見ることができます。(こちらはNational Gallery of Art Sculpture Garden:http://www.nga.gov/feature/sculpturegarden/general/index.shtm)

続いてこちら、

さすが、アメリカ、何事もスケールが違います。度量衡の違いはこんなところにも出るのでしょうか。



3つ目の写真をとったボタニカルガーデン(http://www.usbg.gov/)はいわゆる植物園でして、ジャングルに生えているような植物を見学することができます。わたしはここで人生で初めてハチドリを間近に見ることができましてとても感動しました。

Limited Partnership
Limited Liability Partnership
Limited Liability Limited Partnership
Limited Liability Company

general partner, limited partner
なんて似たような名前の概念がどどどっと出てきて、

”I have to do something before I go crazy!”

と思った方にはおすすめの癒しスポットです。

また、先日アメフトの試合をスタジアムでみてきたのですが、男性の方にはチアリーダーも癒しになるかもしれません…。

クイズ⇒正解発表

2013-09-17 21:50:17 | アメリカ生活関連
さて、堅苦しい内容が続きましたので息抜きです。
政治の街ワシントンDCということで、歴代大統領クイズです。それぞれ誰だかわかりますでしょうか。
比較的有名どころしかピックアップしていませんが、全問正解された方はアメリカ通だと思います。
(ちなみに某有名蝋人形館で撮影しました)

正解は日曜日の課題が終わったら投稿します!それでは。
⇒回答追記しました。いかがでしたでしょうか。

Level 1:44th President, Barack Hussein Obama

Level 2:42th President, William Jefferson Clinton

Level 3:16th President, Abraham Lincoln

Level 4:35th President, John Fitzgerald Kennedy

Level 5:26th President, Theodore Roosevelt

Level 6:1st President, George Washington

Level 7:32nd President, Franklin Delano Roosevelt

アサインメント

2013-09-17 20:35:16 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
これからとある科目の日曜日期限の最終課題を提出するまで余裕がなくなりそうなので、気持ちが殺気立つ前に投稿します(笑。

アメリカのロースクールの学生の試験前・課題提出前の殺気はものすごいらしいです。
ホントかウソかわかりませんが、聞いたところによれば、試験直前期に強盗に襲われた学生が、授業内容などの情報がたくさんつまったノートパソコンを取られそうになったので、逆に強盗を返り討ちにしたという事件がかつてあったそうです。確かに多額の負債を背負っていて、かつ、成績に今後の人生がかかっている学生(JD)はそういったパワーが出てくるのかもしれません。

さて課題ですが、一種のロールプレーになっています。
主人公(私)はローファームの新人アソシエイト君でして、クライアントから相談を受けたとある案件(国債の絡む国際金融取引)について、自分を管轄するパートナーに対して、検討結果を報告するというものです。
インプット情報はクライアントとのMTG(授業の都合上、ビデオ映像で代替される)、関連する論文、関連する判例(一部が紹介され、ほかは自分で探す)、パートナーからの作業方針の簡単なアドバイスになります。
アウトプットの内容、構成、分量などは、教授から軽いヒントが与えられてはいますが、基本的には自分で考えることになっています。

こういうレクチャー方法は新人育成にもいいかもしれません。OJTみたいなもんですが。

判例や論文は契約しているWestLawで探すことになっていますが、LexisNexisやBloomberg Lawも全学生が契約しています。日本にいたときはまったくと言っていいほどこれらのサービスは使う機会(必要も?)がありませんでしたが、やはり自分が相談を受けそうな・遭遇しそうな論点も判例で議論されていたりするので、これに慣れると、絶対に必要って思う気がします。
たとえば机上の検討段階で、結論がAにもBにもなるかもしれないと思ったときに、類似要素を含む判例で、ある事実をもとにBではなくAと判示していたと知ることができれば、検討やアドバイス内容にもより具体性が出てくる気がします。

たとえば、契約書に「甲は乙に通知をすることにより本契約書の内容を変更できる」と書いている場合に、実際のところどこまで一方的に変更が許されるものかとか、ともすると”ケースバイケース”と答えてしまうようなところに多少深みが出せるのではないでしょうか。

ところで、こちらでは判例を探す時に独特の判例引用番号・記号を用います。
(厳密にはもはや上記のようなサービスは電子化されているので普通にググる感覚でも探せます)

たとえば、某基本書で紹介されているとある判例(White v. Benkowski)ですが、
次のようなサイテーションがふられています⇒155 N.W. 2d 74 (Wis. 1967)
これはPage 74 of Northwestern Reporter (2nd series) volume 155 (Wisconsin State, 1967)という意味になります。
ご参考(LexisNexis解説)

ちなみにその州の判例はその州でしか基本的には権威を持ちません(その州で事例がないときとかに他州の判例に言及したりはしています)。まぁ、法律も州によって違うこともありますので、当たり前かもしれません。

テスト

2013-09-16 08:42:19 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
ロースクールで勉強しているとよく耳にする言葉にテストというものがあります。
これは↓のようなペーパーテストをさす場合だけに使われるのではなくて、

"Howey Test"のように何かの審査基準を示す際にも使います。

ところで、このHowey Testですが、アメリカの証券法"SECURITIES ACT OF 1933"(pdf)における"Security"の定義に関する基準(つまり法の適用対象にかかわる)を提示したthe Supreme Courtの判例です。
(ちなみに連邦法です。似たような名前の法律に"SECURITIES EXCHANGE ACT OF 1934"というSEC設立、証券取引所の規制等を定めた法律があります。)

SECURITIES ACT OF 1933の第2条にDefinitionがありますが、ご覧のとおりかなりなんでもあてはまる感じになっています。
これは、世の中新たな金融手法がいくらでもでてくるわけで、広く網をかけられるようにしておきたいという意図があるようです。

>SEC. 2. (a) DEFINITIONS.—When used in this title, unless the context otherwise requires—
(1) The term ‘‘security’’ means any note, stock, treasury stock, security future, security-based swap, bond, debenture, evidence of indebtedness, certificate of interest or participation in any profit-sharing agreement, collateral-trust certificate, preorganization certificate or subscription, transferable share, investment contract, voting-trust certificate, certificate of deposit for a security, fractional undivided interest in oil, gas, or other mineral rights, any put, call, straddle, option, or privilege on any security, certificate of deposit, or group or index of securities (including any interest therein or based on the value thereof), or any put, call, straddle, option, or privilege entered into on a national securities exchange relating to foreign currency, or, in general, any interest or instrument commonly known as a ‘‘security’’, or any certificate of interest or participation in, temporary or interim certificate for, receipt for, guarantee of, or warrant or right to subscribe to or purchase, any of the foregoing.


さて、上記の裁判ですが、ざっくりというと、
(1)moneyをinvestしている
(2)invest先はcommmon enterpriseである
(3)profitを期待している
(4)profitは他人の努力に依存している
場合には、上記の"investment contract"に該当するとしたものです。
これは取引の経済的な本質性を重視した基準なわけですが、相当に幅広いわけで、
事実、上記裁判もかんきつ類の畑にかかる不動産取引に関連しています。

他にもミミズの売買取引(買い戻し特約付き)に関する
Smith v. Grossなんてものまであります。

いずれにせよ、アメリカ関連でprofit shareなんて言葉を聞いたときはこのあたりの話も注意が必要そうです。

※本記事の内容の正確性は保証しません。