4つ前のエントリーで約1年間の馬番別成績を載せましたが、今回は2010年まで遡って調べ直したものを紹介します。ちょうど須田鷹雄氏がフェブラリーSに向けて記事をUPしましたので、それと見比べてみるのも面白いかと思います。
東京ダート1600mの外枠有利・内枠不利 netkeiba.com
過去5年間分のレースに範囲を広げることによって、様々な馬場状態別に細かく分析できるようになりました。ひとつひとつデータを見ながらブツブツとつぶやいていこうと思います。馬場状態の分類は以下の11通りです。
1.良馬場
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2.良馬場(雨中の競馬↓馬場悪化期)
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3.稍重(雨中の競馬↓馬場悪化期)⇒4.稍重(雨上がり×→馬場悪化キープ期) ⇒5.稍重(↑馬場回復期)
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6.重(雨中の競馬↓馬場悪化期) ⇒7.重(雨上がり×→馬場悪化キープ期) ⇒8.重(↑馬場回復期)
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9.不良(雨中の競馬↓馬場悪化期)⇒10.不良(雨上がり×→馬場悪化キープ期)⇒11.不良(↑馬場回復期)
集計期間2010年秋~2015年2月15日まで、人気=5番人気以内、穴馬=6人気以下 フルゲート16&15頭立てのレースを抜粋
まずは須田氏のデータと拙サイトのデータとの整合性を確認するために、上記1~11分類をすべて合わせたデータを見ていきたいと思います。尚、須田氏のデータでは16頭立て302レースを対象としていますが、後で細かく分類を分けた時にレース数を確保する為、15頭立てで行われたものを含めて計336レースを対象とします。
単・複信頼度は1~5人気馬が馬券になる信頼度を数値化したものです。単信頼度を見ると、4.00前後の数字が並ぶ内枠より3.50を切る数字がポツポツ見られる外枠が、さらに複信頼度を見れば、ずらりと3点台前半が並ぶ7番よりも外枠の優秀性が一目瞭然ですね。
また須田氏のデータでは、1枠の勝率4.1%、2枠の勝率4.7%とそれほど大きな差はないのにもかかわらず、単回収率は25%、47%とダブルスコア的な差が開いてしまいます。これはおまけ的発見ですが、1番からは6番人気以下1着馬が1頭も発生していない為でしょう。ちなみに、1番から馬券に絡んだ穴馬8頭は2着5頭、3着3頭。穴馬が1頭も1着になったことがない馬番は他に5番(2着5頭、3着5頭)。こうしたことからも、『東京ダート1600mは外枠有利・内枠不利』という結論に異論はありません。
と、ここで終わってはこのブログを続けている意味がない。本題に入ります。改めて上記の全336レースを先述した11の馬場状態に分類して見ていきます。
1.良馬場
この良馬場の馬番別成績についてはフェブラリーSの前にもう1エントリーを挙げて解説しようと思っているのですが、外枠有利と言える中で13番に谷が発生していることが気になります。この馬番は2010年から単年毎に調べても毎年成績が悪い。5年間毎年成績が悪いとなれば、これは一過性のものではなく何か理由のある成績不振なのかな、と。昨年の覇者コパノリッキーは13番。スローペースを利して楽に2番手を確保しての勝利でした。
2.良馬場(雨中の競馬↓馬場悪化期)
対象9レースの1着馬の馬番は、2(2人気)、13(5人気)、7(4人気)、15(5人気)、4(1人気)、10(9人気)、15(1人気)、11(5人気)、7(9人気)番。
ここはまだパンパンの良とたいして傾向は変わらないと読むべきか、1~3番の成績に目を向けるべきか。
3.稍重(雨中の競馬↓馬場悪化期)
対象8レースの1着馬の馬番は、10(7人気)、14(6人気)、7(1人気)、3(8人気)、2(3人気)、16(1人気)、6(2人気)、2(4人気)番。
内、中、外に3つ山が出来て間に2つ谷が。これだけでは何とも言えないところなので、重馬場悪化期~不良馬場悪化期と流れを見ていく必要あり。
4.稍重(雨上がり×→馬場悪化キープ期)
対象8レースの1着馬の馬番は、6(1人気)、7(1人気)、6(4人気)、7(2人気)、13(8人気)、15(6人気)、11(3人気)、11(4人気)番。
ここは分かりやすい傾向が現れたかな。中枠から外が優勢。
5.稍重(↑馬場回復期)
中山ダート1200m外枠有利説のカラクリで述べましたが、この東京ダート1600mでも馬場が乾いていく稍重段階においては、外枠が有利になる傾向が発生しますね。
6.重(雨中の競馬↓馬場悪化期)
対象5レースの1着馬の馬番は、15(4人気)、10(3人気)、14(4人気)、7(1人気)、3(2人気)番。
10~16番から出走した5人気以内11頭が全頭馬券対象に。一方の1~9番からは14頭中3頭のみ。この3頭は1人気1頭、2人気2頭で3人気以下は全滅。
7.重(雨上がり×→馬場悪化キープ期)
対象5レースの1着馬の馬番は、16(1人気)、9(9人気)、7(4人気)、14(7人気)、7(1人気)、9(9人気)、12(1人気)、11(3人気)、8(1人気)番。
稍重馬場悪化キープ期と合わせてみると、雨上がりの競馬は中枠優勢と考えていいのかも。
8.重(↑馬場回復期)
稍重馬場回復期と比べて大きく傾向が変わっていますね。もう少し突っ込んで、1着馬の馬番成績を取り上げると
1番と12~15番からの1着は新馬・未勝利戦であること、ペースが締まる500万下条件以上のレースでの1着馬は4~10番からに絞られること、複数頭勝利を上げている馬番は4~8番、唯一の穴馬1着馬が7番から来ていることなどから、中心は中内枠辺りと考えていいんじゃないでしょうか。
馬場が乾いていく稍重段階では外枠有利が発生するが、重段階では中内枠有利。
9.不良(雨中の競馬↓馬場悪化期)
対象12レースの1着馬の馬番は、7(1人気)、1(2人気)、7(1人気)、16(1人気)、7(8人気)、6(10人気)、9(12人気)、1(2人気)、6(9人気)、8(1人気)、7(1人気)、8(3人気)番。
重馬場悪化期とは大きな変化が。12レース中10レースの1着馬が6~9番に集中。外枠も見限れませんが、不利と言われる1番の好成績は見逃せません。
10.不良(雨上がり×→馬場悪化キープ期)
対象4レースの1着馬の馬番は、12(4人気)、8(4人気)、7(2人気)、10(1人気)番。
稍重馬場悪化キープ期~重馬場悪化キープ期~を通して観察すると、好成績の馬番が外枠から徐々に内枠へ流れているのが分かります。1着馬は中枠からですが、2、3着馬は内枠から。
11.不良(↑馬場回復期)
対象7レースの1着馬の馬番は、16(8人気)、15(10人気)、13(5人気)、10(5人気)、7(1人気)、5(2人気)、13(8人気)番。
馬場が乾いていく稍重段階では外枠有利が発生するが、重段階では中内枠有利。と来たら、不良馬場回復期はさらに内枠有利かなと想像していたらそうでもない・・・。よく分かりません(笑)。もう少しサンプルレースが増えるのを待つしかないかな。
改めて整理してみましょう。
1.良馬場
(外枠有利)
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2.良馬場(雨中の競馬↓馬場悪化期)
(外枠有利)
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3.稍重(雨中の競馬↓馬場悪化期)⇒4.稍重(雨上がり×→馬場悪化キープ期) ⇒5.稍重(↑馬場回復期)
(保留) (中枠有利~外枠) (外枠有利)
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6.重(雨中の競馬↓馬場悪化期) ⇒7.重(雨上がり×→馬場悪化キープ期) ⇒8.重(↑馬場回復期)
(外枠圧倒的有利) (中枠有利~外枠) (中内枠有利)
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9.不良(雨中の競馬↓馬場悪化期)⇒10.不良(雨上がり×→馬場悪化キープ期)⇒11.不良(↑馬場回復期)
(単軸中枠圧倒的) (中枠有利~内枠) (保留)
良馬場雨中の競馬と重馬場雨中の競馬の傾向を鑑みれば、その中間の馬場状態である稍重雨中の競馬はサンプルレースが増えてくれば外枠有利に収束するのではないかと想像したいけど。同様に、不良の回復期も8.重(↑馬場回復期)や10.不良(雨上がり×→馬場悪化キープ期)よりも内枠に有利な状況が見えてくるのではないかと思うんですが、こればっかりは現状では何とも言い切れません。
ただ、いつでもどこでも東京ダート1600mは外枠有利という訳ではないということは、断言したいと思います。不良馬場や重の回復期、そして雨上がり後の馬場悪化キープ期などは、はっきりと中枠有利の傾向が見て取れますから。
もしこのまま降らなかったら、2年前(グレープブランデー)と同じような馬場状態になりつつあるかなぁという感触があったんだけど。
http://blog.goo.ne.jp/horseracingrule/e/cb98ba2f15d59facfaf20aa3cc940fc7
潮の流れでいうと凪みたいな。
武豊がコパノの器を信じるなら、コーリンベリーを楽に逃げさせるような展開にはしないはず。スマートファルコンやエスポワールシチーのような、4角で突き放しを狙ってくるはず。
たとえそれがコパノリッキーにとって初めての厳しいペースだとしても、お前にも出来るはずだと信じて追うのが武豊の武豊たる所以。
9R、12と13がよく見えるから遊んでみようかな。スルターナは腹が…
8⇒9、12、13