競馬 変わる傾向と変わらない鉄則

前週までの馬券圏内馬の血統や馬番を集計し、次週を推理します

中山ダート1200m外枠有利説のカラクリ その2

2015-01-23 23:38:48 | 中山競馬

前回エントリーでは1月17日(土)の中山ダート1200mフルゲート戦4レースの馬番別成績をご覧頂きましたが、これに18日(日)のフルゲート戦4レース分を追加した集計結果です。なお土曜は重馬場・日曜は稍重馬場ですが、共に含水率が減少していく馬場回復期です。

中山ダート1200m馬番別成績フルゲート戦1月17日18日

データ派にとっては勝率や複勝率、単回収率や複回収率ってのは基本アイテムのひとつなんですが、個人的な意見を言うと、これがあまり使い勝手がいいとは言えない。例えば全100レースの結果を分析するとして、1番枠には1人気が30頭で9人気が70頭、16番枠には5人気が1頭で16人気が99頭だった。その分散に対する勝率や複勝率は信頼できるのか?こんな極端な事はあり得ないんですが、でも見過ごすことの出来ない人気馬が片寄る例はあるんですね。また、超人気薄の爆走による単回収率や複回収率の跳ね上がりも同様です。『◯◯◯◯◯の激走が回収率を押し上げている』と、常に注釈入りで解説しているデータ派の競馬評論家は須田鷹雄氏くらいのものでしょうか。

そこで、『勝率や複勝率、単回収率や複回収率に替わる馬番信頼度なるものを数値化出来ないか?』ということを考えるようになって、色々と定義式を作っては壊しを繰り返していたんですね。

まず考え方の起点は、突発的な激走により単回収率や複回収率の数字を狂わせる(元凶となっている)人気薄馬のデータを一切排除すること。即ち、人気馬(1人気~5人気)の成績だけで各馬番の信頼度を測れないかというのがスタートです。次にその数値化については、野球の防御率的な考え方を採用しました。1人気が5頭出走し、全頭1着なら0.00。これが最高点で、以下2着、3着と取りこぼす馬が増えていくほどに点数が加点され、5頭とも4着以下に敗れた時に失点が最大化されます。

単信頼度と複信頼度はあえて説明する必要はありませんね。数字評価の意味合いは、3.00以下ならチームの先発ローテーションの柱を安心して任せられる信頼度を有しているエース級。ダルビッシュや田中マー君や前田(広島)や金子(オリックス)等などを思い浮かべてもらえればOKです。どうしても獲りたいレースで軸にしたい馬が3.00以下の馬番に入ったら、「信じた!これで負けたらしゃ~ない」と腹を括れる信頼度であります。

3点代前半は先発ローテーションの一角を担えるレベル。則本(楽天)や岸(西武)や西(オリックス)等など、チーム事情によってはエースと呼ばれる選手も存在するが、もう少し安定感が欲しいというのが正直なところ。

3点台後半は先発ローテーションの4,5番手あるいはローテーションの谷間を埋める活躍を期待したいのだが・・・のレベル。選手名は出しません!

4.00以上になると、試合に使ってもらえるのか怪しい上に2軍降格や来季の契約も心配、というような感じです。

防御率的な考え方を採用したのにはこの馬番別人気馬信頼度と平行して、馬番別穴馬激走率を打率、あるいは長打率で示せないかと試行錯誤していたことも理由のひとつです。しかし、どう定義式をいじくっても常識の範囲に数字が収まらない。16人気1着なんて激走馬が現れた時にはあなた、そこだけ長打率1.000なのに両隣の馬番を含め.025みたいな数字がずらっと並んでしまって使えないんです。なので、こちらの目論見は、一旦白紙保留ということで・・・

で、こういう長ったらしい説明なんてさらっと流し読むだけでちっとも頭に残らないと思うので、先週よりさらに外枠有利だった1年前の馬場回復期のデータを、最新の図表でご覧頂きたいと思います。

中山ダート1200m馬番別成績2014年冬開催馬場回復期

中山D1200mの追跡 その2

昨年、この現象を紹介したエントリーでは、ざっくりと【『16~13』番からは13頭が出走して12頭が馬券に絡んでいます。】と説明しました。が、最新データを手に入れた今ならば、もっと詳細に具体的に解説することが出来ます。『16~12』番から出走した4人気以内の17頭は、全頭が馬券に絡んだ、と。

恐らくこういった馬場回復期に外枠有利な現象というのは、中山ダート1200mでは数年に一度、あるいはもっと頻繁に発生しているんじゃないかと思います。しかし、10年単位や5年単位で良、稍重、重、不良馬場という4つの区分けを元にしたデータ解析では、こういった短期的な現象は見逃されてしまっているのでしょうね。

前回エントリーでも紹介した、2013年12月~2014年12月中山開催全135レース中馬券に絡んだ405頭の結果をもう一度ご覧下さい。

中山ダート1200m2014年全レース結果馬番別成績

これは約1年間の結果ですが、過去10年間の成績を遡って調べても、同様の『中山ダート1200mは外枠有利』の結果が導き出されるんでしょう。しかし、ここまで辛抱強く読まれてきた方々には分かってしまいましたよね。上記の結果には、先週土日や昨年のような極端に外枠有利のバイアスが掛かっている馬場回復期のデータが含まれていると。

では、良馬場に限るとどうなのか。上図と同様に、2013年12月~2014年12月に行われたレースの中から、良馬場フルゲート16&15頭立て全70レース中馬券に絡んだ210頭に絞り込んだ結果です。

中山ダート1200m馬番別成績良馬場

いわゆる大外、16~13番の単信頼度は概ね4.00前後。決していい数字とはいえません。4,5人気よりも数字に大きな影響を及ぼす1、2、3人気馬の成績が今ひとつ振るわないのが原因です。複勝率で言うと、13番7/16=44%、14番7/15=47%、15番3/9=33%、16番9/20=45%。

これならば単信頼度3点代前半、複信頼度2点台後半が3つ連続で並んだ12~10番でしょう。1、2、3人気の複勝率で言うと、10番8/12=67%、11番5/9=56%、12番7/10=70%です。

どうでしょう。中山ダート1200mの馬番別成績は、書籍やWEB上でよく見かける十把一絡げで全レースを対象に分析したものと、上記のように極端な現象が現れる稍重~不良馬場を分離して良馬場だけに絞り込み分析したものでは、大分景色が異なって見えてきます。良馬場だけで分析するならば、最も有利なのは中枠の外側部分(以降、中外枠と呼ばせてもらいます)であり、大外枠は次位評価にすぎない。それは1、2、3人気馬の複勝率が軒並み50%を割ることからも、明らかです。

『芝を長く走れる分だけ、外枠にいけばいくほど有利』という常識は覆されました。

内枠の馬番についても見ていきましょうか。注意しなければならないのは、7番枠の好成績ですね。大外枠を押しのけて中外枠に匹敵する単・複信頼度を上げているのですが、1人気の出走が11頭と他番のダブル、トリプルスコア的な出走数を得た上に、その中から1着3頭、2着5頭(8/11=73%>1人気複勝率59%)と確実に結果を残しているのが理由です。これが冒頭で書いた『見過ごすことの出来ない人気馬が片寄る例』です。他番と比較しやすいように調整しましょう。1人気11頭の出走数を1人気が出走する平均値70/16=4.4頭に下げてみます。1人気1着率20/70=29%、2着率15/70=21%ですが、実際の複勝率73%が平均より高い(しかし2着が多い)ことを考慮し、1着1頭、2着2頭と算出しました。この数字から導き出される単信頼度は3.57、複信頼度は3.00となります。

5番、6番、7番、8番と順番に数字を追っていけば、こちらの補正値が妥当な数字だと納得できるでしょう。そうしてみると、中内枠も大外枠に劣らない、どころか複信頼度においては大外枠を超える信頼度を持っているといえます。一般的な単・複勝率では追いかけるのが難しかった人気馬の片寄り。これを調整できるのも単・複信頼度のメリットかなとか思ってます。

1番2番枠についても見ていきましょう。1着の頭数が共に6頭。これは5頭が勝っている7番、9番、16番を抑えて堂々のトップなんですね。これはもう、『中山ダート1200mは外枠有利の内枠不利』という常識は捨て去ったほうがいいでしょうね。どちらも侮れない馬番だと頭に入れておいたほうが良さそうです。

さて、今週で中山は最終週。ダート1200mは土日共に4レースが予定されています。全8レースすべて16頭立てのフルゲート戦というのも嬉しい限りです。金曜日正午発表の馬場情報では、ダートは不良。土日の天候は晴れ。最低気温は土曜朝が1℃、日曜朝が3℃。凍結防止剤は撒いていません。先週と同じように馬場回復期=含水率が現象し続けていく状態でレースは行われると思います。ということは、先週のような外枠有利の状況が今週も引き継がれる可能性が非常に高い、と考えています。どうなるでしょうか。

 



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