4月5日のマンデーナイト吃音カフェは南も含めて7人の参加者。この夜の話題の中心は「吃音がある人の職業選択と転職」と「吃音がある人への切れ目のない支援」でした。久しぶりにコーヒーのあるマンデーナイト吃音カフェでしたので、コーヒーを淹れるのに集中して、話は半分しか聞いていませんでした。と、いうわけで今回はいつも以上に南が編集した内容になっています。みなさん、次回(4月12日)はマスク等の感染予防対策をして、300円用意して(参加費とコーヒー代の合計)、話を直に聴きに、いえ話しにいらっしゃってください。
▢どこのご出身ですか?
・後志管内に居た事があります。でも親の転勤でいただけで、あちこち転居していました。
・札幌生まれの札幌育ち。仕事で東京に居た事があります。
・旭川の隣町生まれ。大学は石狩管内。仕事は胆振管内。今は札幌に住んでいます。
・私は胆振管内生でまれて育ちました。その職場は私の育ったところのすぐそばです!
・えー!?意外とみんなあちこち行っているのに、ここで会うとは!
※ちなみに、私は砂原(今は森町に含まれています)生まれの定山渓育ち。函館で勉強をして、十勝で15年仕事をして、札幌に舞い戻って来ました。皆さん、数奇な運命をたどって今夜同じテーブルについているんですね。
▢吃音がある人の職業選択と転職
・私が今の職業を選んだのは、もともと進みたと思っていた職業の面接でボロボロで落ちたんです。その後今の分野の試験を受けて内定をもらった。もう、これしかないと思って入社しました。転職を考えると30代が限界かなと思って。でも、また面接を受けるのにはちょっとトラウマになっているなあと思います。
・私はこれからですが、人を助ける仕事をしたい。自分自身が学校生活を上手に乗り切れなかった。だから、障害がある人達の、それも目に見えないというか、見た目では分からない障害のある人達のが社会参加するための支援をしたいと思っています。
・私は今はフリーター。コールセンターに申し込んでいます。
・吃音のある人がコールセンターで働くってどうですか?
・私はあまりお勧めしません。コールセンターって、色々な苦情がものすごく来るらしいんです。もちろんそれは個人に来るものではなくて、会社宛てに来るものです。割り切って対応できればいいんでしょうが、それでも大変かなと思います。
・そういうタイプのコールセンターではなく、ご案内をするタイプのに申し込んでいます。挑戦っするつもりで、したいんです。
・そうでしたか。それなら、いつでも危ないと思ったら逃げてもいいですもね。
・はい。逃げます。
・あなたどうして言語聴覚士になろうと思ったんですか?
・私は大学では動物の発生や牛の人工受精を研究していました。その後いろいろな経過があって、何か人を助ける仕事がしたくてたまたま言語聴覚士の勉強をしようと思って、専門学校に入り直して勉強をしました。その時に北海道言友会のメンバーである、心理の先生から言友会の事を教えられました。もう何年も前になりますが、参加した事があります。
▢吃音がある人にも切れ目のない支援が必要。
・私は幼児期から小学校6年生までことばの教室に通いました。本当は3歳ころに幼稚園の先生が気付いてくれて、相談に行こうとしたら、ぎりぎり支援対象の年齢に達していなかったので、様子を見てと言われたようです。そして年中になってからことばの教室に通いました。自分が通っている学校にことばの教室がありました。
・どんな指導をしてくれました?
・自己紹介の練習をしてくれました。卒業式の時に自分達の書いた詩の中から選んで代表して読むことになったんです。みんなが私の詩が良いと投票してくれて、代表として一人で読むことになりました。その時、ことばの教室の先生が練習をさせてくれました。
・本番ではどうなったんですか?
・ものすごくうまく行きました。
・やっぱり!すごいですね。そういう指導を、私はことばの教室の先生方にお勧めしてたんです。
・私は病院で言語聴覚士をしていますが、幼稚園から小学校、小学校から中学校、中学校から高校へと、そして社会に出るまでの間に、どうしても支援の切れ目がある事を感じています。学校って、私たち言語聴覚士の意見を聞いてくれるんでしょうか?
・学校には支援の必うようなお子さんに対して「個別の指導計画」を立てる事が義務付けられています。実際に書くのは担任の先生です。それに対して、内部の意見だけではなく、ことばの教室の意見や、放課後等児童デイサービス事業所の意見を聞くことができます。ただし、そこには学校間に差があるように思います。そういう場合保護者は、事業所やお子さんの事を良く知っているところから意見を貰って、それを参考にして学校に要望をしている方もいらっしゃいます。高校生の例ですが、医師の診断補と言語聴覚士の意見書をもらって、学校に配慮を求めた例もあります。本当の合理的配慮は障害者手帳がないと求められないのでしょうが、医師の診断書と言語聴覚士の意見書というか、この方が勉強や仕事を続けていくためには、このようなご配慮を願いたいという事を伝える事ができます。
・個別の指導計画はどこまで作っているでしょうか?
・小学校から高校まで作る義務があるはずです。
・でも、学校を卒業した後はどうなるでしょう?
・大学や会社でも診断書や意見書を利用できると思います。大学によっては、障害のある学生さんに対する支援をしようとして、相談室を設けていたり、ノートテイカーを学内で募集していたりしているところもあります。ただ、そういう支援室のスタッフが必ずしも吃音について詳しいとは限りません。
※記憶はこのあたりで切れています。くれぐれも、個人が特定されない様に書いたつもりです。当日の話しを一部補っている部分もあります。特に「切れ目のない支援」については、私はついつい熱が入ってしまいます。吃音のある子は、これからも必ず生まれてきます。その子等が大人になって「吃音を経験した事が必ずしも良い事だとは思わないが、吃音があったから、いろいろな人たちとの良い出会いを経験できた」くらいの事を言えるようになって欲しいと思います。また職業選択の際には吃音を理由に進路を変更するのではなく、それまでに支援を受けて何とかでも自分の希望の進路に進めるようになれる社会的支援が充実して欲しいなと思います。
次回のマンデーナイト吃音カフェにも美味しいコーヒーと紅茶(ティーバッグですが)をご用意します。お話の輪に加わってください。