イスのはりかえ

長年使っているイスの表面が気になりはじめた。
「別に気にならないけど」　と長女
そうかなあ、かなりうすよごれている気がするのだが

買い替えたっていいのだが、
子供たちがよじのぼっても安定している使い勝手が大変気に入っていて、
これよりいいのを見つけるのが意外にむずかしい。

とりあえず表面を洗ってみることにした。
するとクッションの中にひそんでいた汚れがどんどん出てきて
斜めにすると　茶色い泥水がしたたりおち、
汚れがどんどん広がっていく。
しかも　クッションの中まで水がしみこみ
おいそれと乾かない

何とか乾かそうと、タオルをのっけて　アイロンをかけてみたら
蒸気に負けて、アイロンの表面のコーティングがはげ、
アイロンをかければかけるほど　黒い筋がひろがっていった。
あわてて　店に走り、アイロンを買いなおす羽目になった。

長女のなぐさめのことば
「少なくとも　汚れはふえていなくて　大体元に戻った感じ」　　　そうか　ありがとう

アイロンが新しくなったので　シャツを試していたら次女が帰宅
「くさーい　何のにおい？　何かウンチのにおいがするーーー」　　あのね　新しいアイロンなの


以前に　キャンプでカヌーに乗ったとき
岸に向かって漕いでいるのに　
漕げば漕ぐほど　岸が小さくなっていったのを思い出した。

イスをきれいにしたい　私の思いはそれだけのささやかなものなのに
どうしてこうなるのだ。
この一日は　いったい何だったのか


次なる手段は　
表面の布を張りなおす方法
私は何でもよいが　夫は妙なところにこだわりがある。
どんなプリントがいいのか　と尋ねたら　何でもいい　というので
カウチと同系色の　汚れが目立たない色のを買ってきたら
「なんでこんな暗い色にしたの」　と　ボロくそに言われた。
最初に聞いたとき　どんなのでもいい　と言ったではないか。

私は本当にこだわりはないのだ。
まだ店があいている時間だったので　一緒に行って決めてもらうことにした。
すると　色が濃すぎるの　デザインが気に入らないの　明るすぎるの　暗すぎるのと
きむずかしいことばかり言う。
あなたは「どんなのでもいい」　と言ったではないか。

よく漫画にある　こめかみに出てくる　
ぷち、ぷち　ぷち　ぷち　と　４個になると　どかーんとぶっちぎれる怒りのマークが
３個半　くらいまで達した感じ

私が　「どんなのでもいい」　と　もし言ったら
本当に　「どんなのでもいい」のだ。
同じ日本語の　同じ言葉なのに
私とは　ずいぶんと認識が違うのだなあ　と再認識



ま、よろしいとしよう
イスをきれいにすることに　一歩近づいたのだ（ということを強く希望する）