姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

担任が自分事として学校保健を進めてくれるようになった理由とは?

2023年01月26日 | 保健室コーチング

(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー
桑原朱美です。

今日のテーマは
「担任が自分事として学校保健を進めてくれるようになった理由とは?」です。

 

先日、受講生アップデートコミュニティ会員向けの
無料コンサルでとてもうれしいお話を聴きました。

この日のクライアントは、養護教諭のTS先生。

昨年、学校保健の組織活動をテーマに
大きな実践発表をされたのですが

その発表に際して、これまでの実践をまとめ
養護教諭(保健室)を中心に
どんな取り組みをしてきて、そこに学級や校内分掌、子どもたち、地域が
どうかかわっているのかを改めて問い直しをする
という作業をされていました。

昨年も、発表前に
「学校保健は、学校や地域の様々な領域で全部つながっている
ということを改めて認識した」とおっしゃっていました。

そのTS先生が、今回のコンサルで話してくださったことが
とても素敵でしたので、ご紹介します。
 

以前は、養護教諭が一人で頑張ってきたことを
今は、担任が自分事として当たり前のように
各学級で取り組んでくださいます。

今、こうした校内の変化を体験する中でわかったことは
『自分が心を開くと、相手も心を開く』ということです。

『人って信じいいんだ』ということをひしひしと感じています。

今の学校に転任当初は、受け容れられている感じがしなかったのですが
『自分が心を開くと、相手も心を開く』ということを自分が理解したことで
ケース会議にも読んでいただけるようになりました。
(それまでは、何度訴えても却下されていました)

保健室コーチングを学び始めて8年。
姫先生がずっと伝えてくださったことってこういうことなんだと
分かってきました。


知識と体験がつながってきたと感じています。

養護教諭の仕事って楽しい!いいな!と
心から思えるようになりました。

 

TS先生のお話は、大切なエッセンスが
たっぷり含まれていました。

実践(具体)を継続し、それを、まとめるという体験を通して
それがたとえ、誰もが知っている言葉でも、その重みや伝わり方が違います。

こんな実践をしました!はもちろん大切。
ただ、やりっぱなしではもったいない。


長年、こだわってやり続けてきた具体的な実践があるからこそ
「具体」は、「抽象」へと昇華され、その人の体験から生まれたその人の言葉になります。
※ここで使用した「昇華」とは、より高次元のものへ高めることという意味で使っています。

『自分が心を開くと、相手も心を開く』という言葉は
誰もが聞いたことがある言葉かもしれませんが

それを「知識」として使うのか、
自分の実践を通しての「実感」から出てきた言葉なのかで
その重みが違うということです。


具体的な実践をとことん継続し、それを改めて整理するということは
とても大切なことなのだと思います。

 

具体的な実践を、俯瞰し、「つまりこういうことなんだ」という抽象度の高い理論として理解する。
知識として知っている状態とは、まったく次元が違うのです。


やり続ける、とことんやる
それによってはじめて、周囲に影響を与えることができます。


まさに、前回の記事で紹介した武田信玄の言葉
『一生懸命だと知恵が出る
中途半端だと愚痴(ぐち)が出る
いい加減だと言い訳が出る』
ですね。

そして、先日の大河ドラマの尼将軍北条政子の演説です!

原稿を読むのをやめ、自分の言葉で伝える政子の言葉に
御家人たちが涙して共感していました。

自分の言葉、本気の言葉は
人を動かします。


担任の協力が得られない!と嘆く養護教諭の先生の声を
耳にすることは多いのですが

「なんでやってくれないの」
「どうしてわかってくれないの」
という問いをしているうちは、なかなかうまくいきません。

相手に求めているだけ、相手を変えることばかりに
焦点を当てていたり、
当然やってくれるはずという期待を持つと
その期待が外れたとき、愕然とします。


だからと言って
養護教諭一人で頑張るのも違いますよね。

自分が発信源なのだから
先に自分から心を開くってことです。

コミュニケーションが下手だからとか

伝え方が下手だからとかそういうことではなく、
どんな言い方をすればいいのかでもなく

自分が発した言葉にどんな「想い」が乗っているかが
コミュニケーションの結果を左右します。

言葉より先に「想い」「本音」が
相手に伝わります。

何事も自分なりの方法が浸透するのに
3年かかかります。

多くの人が、3年間、ぶれずにやり続けることも
本気で相手に伝え続けることを途中でやめてしまいます。

桑原も、この強烈キャラですから
2校目も3校目も、転勤して、自分なりの保健室経営方針や
子どもたちへのかかわり方が理解されるまでに
やはり3年かかりました。

何も考えず、周りに合わせるだけなら
そんな楽なことはないのでしょうが

こういう子どもたちを育てたいという願い(学校保健目標)を
どのように学校目標や学級目標とリンクさせ
学校全体で取り組んでいくのか

どのようにして、周囲を巻き込んでいくのか

 

それが実現できると、子どもたちにどんな変化を
もたらすことができるのか

それを考えると
ワクワクしてきませんか?

 

この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
 2022年12月14日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

 

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