ナナイロDiary

食いしん坊ピアノ弾き石川菜緒のブログ。
音楽の話を中心に日々の出来事を綴っていきます。
ワンコのことも。

調律中の戯言

2013年03月25日 13時20分13秒 | ピアノ・音楽
自宅のピアノを調律してもらってるとき、何をして過ごせばいいのかいつも悩んでいたんだけど(なにせピアノが弾けないわけで)
日記書けばいいんだってことに気づいた笑

そんなわけでもう3月も終わる・・・

今年は3月に入ってから妙に暖かい日が続いて、桜もう満開。
明日所用で鎌倉に行くので、桜も少し見られるといいな。

2月、3月はわりとのんびりしていて、しばらく会えていなかった友人にたくさん会って、いろんなコンサートにも足を運びました。
学生のものから、室内楽も、オーケストラも。


久しぶりに師匠のもとへレッスンを受けに行って、自分の中でとっ散らかってたやるべき課題がまずは一点に絞られて(しかしこれが難しい)

師匠とたくさんお話ができて、でもお互い何も変わっていなくて。

「カフェモカとキャラメルラテ、どっちがいい?」と自分で聞いておきながら、
「どっちがどっちだかわかんなくなっちゃった。」とか言うし、

お茶と一緒に出されたチョコレートを、帰り際に「これ持ってって」とティッシュに包んで持たされるとこはやはり師匠・・
チョコなんだから、せめてラップとかだよね・・笑

本当に素敵な女性です。

師匠から頂いたCDを聴いて、師匠の言う「テクニック」が音楽と鮮やかに結びついている様を目の当たりにして、改めて自分のやるべきことを確認できました。


人の演奏を聴く機会もたくさんありましたが、最近思うのは、本当に安っぽい音楽が多いなってこと。
安っぽいって、誤解を生む可能性もありそうな言葉だけど、
演奏技術の問題だけの話じゃなくて。
むしろ充分すぎるくらいの演奏技術を持ちながらも、安っぽさを感じることが多々ある。

作品の奥深くまで踏み込む努力もなしに、パフォーマンスに走ったり、
個々の技量を磨く(その曲をさらうとかそういう次元でなくて)努力をしているとは感じられないけれどもやたら演奏会を開いたり、

やたらと「初心者でもわかりやすい」をウリにするような演奏会だったり笑
(演奏する側が音楽を、わかりやすいとかにくいとか、そういう感覚でとらえるのが理解できないのと、どういうのがわかりやすくてわかりにくのか、わかりやすくご説明いただきたい)

以前、バレエダンサーの熊川哲也氏が何かの番組で発言した内容にすごく共感したのだけど、
自分らがやっているものは敷居が高いとされてるけど、敷居が高くて当然の価値のあるものだから、その敷居を下げてまで観てもらおうなんて思わない、
というようなことを言っていたんだよね。

どのような場で演奏するにしても、作品の価値を低めるようなアピールの仕方だけは絶対したくないな。
だって、私たちがやってるクラシックと言われる音楽の作品たちは、確かに人間が書いたもので人間らしい親しみのある音楽たちだけれども、楽譜を見ただけで涙がこぼれてくるような、過去の天才たちが苦しみながら残した奇跡の遺産なんだもの。

誰でも気楽に聴いて「いい曲だねぇ」なんて思えるものばかりじゃなくて当然だよ。
やる側も聴く側も、それなりの覚悟を持たないと到達できない曲ばかり。
それでもその素晴らしさを伝えていくのが演奏する者の役割だと思うけどな。

先日伊藤さんとお話をしたときにも、そういう安っぽい音楽についても触れられて、私のかかえるジレンマを打ち明けたらやっぱり私泣いてしまった。
私の周りには偉大な人が多すぎて幸せです。
伊藤さんのおっしゃる通り、私は私の美学を貫き通します。
そのために今日も明日もピアノと楽譜と向き合います。

調律も終わったようなのでこの辺で~~
長い戯言でした。