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「ポポロクロニクル ~白き竜~ 上巻」 レビュー & 感想

2015-03-15 21:00:37 | 「ポポロ」シリーズ&「金の月のマヤ」関連
作は「田森 庸介」氏
絵は「福島 敦子」氏
出版社は「偕成社」


あらすじとしては
ルーベンの森に住む少年「ムルカ」は木を切っていて、その森の護りを任された猪に似た「モロク」と争っていた時
一頭の白き美しい竜が三頭の黒い竜に追われているのを目撃する。そこから始まる少年「ムルカ」の冒険の旅

PSのゲーム「ポポロクロイス物語」の時系列として前の話
年代などは明らかになっていないがキャラの容姿の年齢などから判断して
「ポポロクロイス物語」の20年ぐらい前である。


良い点
・懐かしのキャラ多し

悪い点
・ゲームとの展開が異なる
・挿絵小さ目

良い点の解説
・懐かしのキャラ多し
「ポポロクロイス物語」シリーズのキャラが豊富に出る。
当時名無しキャラであった者ですら名前が着いて出て来るので「ポポロファン」は
ニヤリと出来る事を請け合い。

悪い点の解説
・ゲームとの展開が異なる
ゲーム中で説明されていたことと本での展開が異なる所がいくつか出て来る。
本との話で上書きという認識が出来るかで評価は違ってくるだろう。

・挿絵小さ目
「福島敦子」氏の絵が描かれているのだが
本の上下の余白に描かれている物ばかりでババン!と1ページ~2ページ
大きくキャラが描かれているものなどはない魅力的な絵だけど寂しい。



この本を読むにあたって
「ポポロクロイス物語」シリーズを制覇する事で更に面白くなる。
ポポロクロイス物語』『ポポローグ』『ポポロクロイス物語II』『ポポロクロイス ~はじまりの冒険~』『ポポロクロイス ~月の掟の冒険~』の5作品である。
ピノン編である『はじまりの冒険』や『月の掟の冒険』などで出て来た設定などがいくつか出て来ているのであるからだ。

「あの設定をここで使うか~」

と、世界観により深みを与えるエッセンスとなっている。
知っている人なら更に楽しくなる。

「ポポロクロイス」シリーズ→「ポポロクロニクル」

がいいのなら、じゃぁ、

「ポポロクロニクル」→「ポポロクロイス」シリーズ

という本を読んでからゲームをプレイするという形。
つまり、「ポポロクロニクル」をポポロシリーズの入門編とするのは
あまり向いていない。
様々なポポロキャラが出て来るがゲームの方が先に発売されているのでこの「ポポロクロニクル」とゲームでのキャラとの絡みがないからだ。

「あれ?何も言わないな。ポポロクロニクルでは面識有る筈なのに…」

って事になってしまうからな。
悲しいがこの「ポポロクロニクル」
別の分かりやすい言い方をすれば「後付け」でしかないのである。
だから、話の展開などに違和が生じてしまうのは致し方ないのだ。

そもそも話の展開の仕方はプレイヤーを前提とした作りになっているもんな。

だからポポロシリーズを制覇した人なら買うべき本。
(ピノン編、2作品に関してはゲームではなくアニメ視聴でもOK)

シリーズをプレイしているからと言って
ポポロの世界観を忘れかけている人ならせめてポポロ1ぐらいはクリアするのはいかがだろうか?

だからかつてポポロシリーズをプレイした父親や母親の方が自分の子供にポポロシリーズに触れてほしくて
この作品をいきなり読ませるというのは髭人的にはオススメしない。
田森氏の作品に触れてほしいのならポポロとは別世界の為、説明が丁寧な「「金の月のマヤ」シリーズの方が適切と言える。

PS)ちなみに、「ポポロクロニクル」
一時、原作者であらせられる「田森 庸介」氏のHPである「タモタモの部屋」で一時的に公開されていたので髭人は下巻の展開も知っているんだよね。(現在では当然、削除されている)
フッフッフ…(ちょっと優越感)
期間限定とのことでコピペして後でゆっくり読みましたよ。
今回の本は、その時の物とは若干修正されていますよ。
まぁ、展開が当時と劇的に変わっている訳ではないにしても原作者様のHPをマメにチェックしている人は今回の本を買わないなんて事はないんだけどね(笑)




本の大きな画像


ここからがネタバレありの感想など
(内容を知りたくなければコメントなど入れようと思わず今すぐブラウザを即閉じだ!)






















折角だから「ポポロクロニクル」に出て来た懐かしキャラや新しいキャラなどを載せてみようかな?

『ムルカ』…後の『白騎士』である。顔つきなどは『はじまりの冒険』『月の掟の冒険』で出て来る『マルコ』に似ている。
本名があるがまだ明らかにはならない…

『トロイ』…『ムルカ』の父。元『アヴァロニア』の騎士

『ヤズム』…元『アヴァロニア』の騎士。『はじまりの冒険』では『闇の精霊』である。
     『はじまりの冒険』のラスボスである『闇の精霊』である。
      何故コイツが『闇の精霊』になるのかは下巻で分かる。

『メディア』…『妖精王』つまり、後に出て来る『ナルシア』の母

『マルコシアス』…『ポポロクロイス物語Ⅱ』の召喚獣である。

『エスペランサ』…『ポポロクロイス物語Ⅱ』の召喚獣である。人間の時は『ランス』と名乗る。

『ヤン』…魔法旅団の団長。後の『カナリシア』にある人間大砲の製作者である。
     この作品では良い人っぽいのに後の『ポポロクロイス物語』ではひねくれたオッサンになってしまった…

『フレア』…記憶喪失になっている少女。歌により精霊を呼び出して風や水などを操る。

『ヴァニス』…『ポポロクロイス物語』で「悔しいの~」という爺さんである。

『パウロ』…ポポロクロイス第十六代国王。『ポポロクロイス物語』での『ピエトロ』の父

『ペトロフ』…ポポロクロイス第十五代国王。パウロの父
      『ピエトロ』『エレナ』の祖父に当たる。『ピノン』にとっては曽祖父

『パメラ』…王妃。パウロの母
      『ピエトロ』『エレナ』の祖母に当たる。『ピノン』にとっては曾祖母

『モロゾフ』…ポポロクロイスの大臣。モームではないようだな~

『マッター』…『ポポロクロイス物語』では将軍の地位にいた戦いは好まない平和主義者。
      今作では近衛隊長でポポロクロイスで剣と腕力で右に出る者はいないという。(自称)

『トロン』…薪割り少年。『ポポロクロイス物語』での薪割りスペシャルの人。
      ただ、文中で『ムルカ』が空中でやってみせるんだけど、ポポロⅠではただ高速で薪を割るだけだったんだがなぁ…
      ちなみに『はじまりの冒険』では彼の息子が空中でスパスパッとやってみせている。

『ボスコ』…『トロン』の父

『セルバ』…『トロン』の母

『ギルダ』…魔女。お馴染みのレッサーデーモンを出す。Ⅱでは800歳以上という設定なのでこの時点で770歳ぐらいである。

『ガミガミ魔王』…黒髪の魔王さん。『フレア』から「おじさん」と言われるが設定上、『パウロ』と同い年である。
      パウロ達を牢に閉じ込めている。「漢の浪漫」「10000000000年早い」が口癖
      機械を操りデフロボを扱っている。ただしロボ使いが荒いとデフロボは不満げ(笑)

『アンドレイオス』…竜王。『ポポロクロイス物語Ⅱ』での老竜神。『サニア』の父で、『ピエトロ』『エレナ』の祖父に当たる。
         『ピノン』にとっては曽祖父

『ペロス』…ポポロクロイス初代国王

『ポストフ』…『エグゾセ号』の船長。船大工で発明家。『ポポロクロイス物語』で『フライヤーヨット』を作り上げる。

『バスカル』…海上で『ムルカ』達を助ける。『ポポロクロイス物語Ⅱ』では、『ユリウス』の仮の姿


後は知っている地名
「ゴドリフ」「パーセラ」「トンクウ」「クロコネシア」「ロマーナ」だとか本文で行ってない場所でも
出て来るだけでニヤニヤしてしまうな。


取り敢えず各作品での設定を活かしている描写などをちょっと取り上げてみよう。

ポポロクロイス物語
『ヤン』などのキャラクター

ポポローグ
『ギルダ』と『パウロ』が顔見知りの関係である点、『トンクウ』という地名

ポポロクロイス物語II
『神族』『妖精族』『竜族』『人族』という種族分け。『ロマーナ』などの地名

ポポロクロイス ~はじまりの冒険~
『精霊石』の設定

ポポロクロイス ~月の掟の冒険~
『精霊石』を活かした乗り物。妖精族を森と海とで分かつ月の掟を匂わす表現。『ハーピエル』の存在。

これらを考えるとやっぱり5作品はプレイしておくべきなんじゃないかって思えてしまうんだよな。
5作品知る事でこの「ポポロクロニクル」を100%余す事なく楽しめるようになるのだから…
知らないと60~70%ぐらいなんじゃないだろうか?


さて、『ポポロクロニクル』でゲームとの一番の改変は

「サニア」の動けなくなった理由だわな。

ゲーム版だと悪い人間に呪いの剣を刺された所を「パウロ」に引き抜かれ、それから二人の間に愛が芽生えるって話なんだけど
この『ポポロクロニクル』では操られているとは言え自分の父である『レオス』に『竜の剣』で刺されるって…
後に『ピエトロ』が母を救うために母から送られる「竜の剣」だけど

ピエトロ「これ、お母さんがおじいちゃんに刺された剣なんだよね」
ピノン「これ、おばあちゃんがひいおじいちゃんに刺された剣なんだよね」

って後で知ったら重いなぁ…
洗ったとしたって血が付いていた事実はあるだろう…
案外それだと重過ぎるから「サニア」が気を遣って嘘を言っているとか教えていないっていう可能性は捨てきれないがな。


にしても「ガミガミ魔王」はガチで殺しに来ているのが意外。
「超巨大鋼鉄ガミガミ魔王」というロボットの口から噴出される炎は鉄の床を溶かすのだから
当たったら人間など骨も残らないかもしれない。
それで『ムルカ』や『パウロ』目掛けて放射しているのだから…
かなり危ない。


話の展開の個人的な不満としては…
「パウロ」は竜の血を「ランス(エスペランサ)」から受けた事で「竜の剣」を扱えるようになる訳だけど
「パウロ」は純粋な人間で訓練などで強くなってほしかったなぁ…
でなければ後に「サニア」と結ばれたのって竜の血のおかげって気がするもん。
しかも気絶しているうちに勝手にパワーアップしていたって…
そこは「パウロ」の意志で強くなってほしかったなぁ…
下巻で「サニア」に刺さった「竜の剣」を抜くことになるんだろうけどさ電撃で痺れながらも根性で剣を抜くとかね。
そうする事で想いの強さが分かりやすくなると思うんだけどなぁ…
苦労して「竜の剣」を抜いたことにより力を身に付けた。が、力の反動により白髪になったとか…
お手軽パワーアップを「運命」って言葉で片づけてほしくないんだよなぁ…
「ムルカ」の大地の力しかり…これは個人個人の好みの問題だろうけどね。

ってな所でありました。
しかし、多くのお馴染みキャラが出て来たのは嬉しかったなぁ…
他に、ポポロクロニクル内に出てこなかったけどこの時点で生まれているであろう特徴的な名ありキャラや名無しキャラなんかは…

「ポポロクロイス城」の大臣「モーム」
「ポポロクロイス城」の占い師「シター」
「ゴドリフ」の「ナグロ」
「ゴドリフ」の職人の「親方」
「モンスター村」のモンスターに知恵を与えた「魔法使い」
「カナリシア」の村長
「ミサキ家」で隠居している「魔法使い」

(「サボー」もいるだろうけど、「ブリオニア」という離れた地にいるので除外)

まぁ、これら全部網羅するのは限られた文字や展開を考えたら困難だけどね。
ってな所で上巻の感想は以上であります!!

そうそう。
「ポポロクロニクル ~白き竜~ 下巻」 レビュー & 感想」しましたので気になる方はお進みください。


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