への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

寅さん第22作 木曽の橋①

2022年05月06日 | 寅さん

寅さん第22作噂の寅次郎(1978.12公開)は、木曽が舞台の一つになりました。

静岡県奥大井を旅していた寅さんは、奥大井からの移動のバスの中で、博の父颷一郎と偶然再会。

 

そのあと二人は長野県に行き、タクシーで木曽寺巡りをします。その途中、特徴的な2つの橋を渡ります。この2つの橋を探していましたが、4月中旬にやっと見つかりました。

 

 

元橋(長野県木曽郡木曽町3690-14番地付近)

映画】 

木曽に着いた翌日、2人はタクシーに乗って寺巡りに出発します。

 

大桑村須原宿を通って、大桑村野尻にある妙覚寺に向かうとき、この橋を渡ります。

深い谷に架かった大きなトラス橋。この橋は面白い構造になっていて、トラス橋の右側はトラス構造が付けられていません。映画では、二人が乗った白いタクシーは、この橋を右から左に渡ります。

 

 

現在】 

このトラス橋は木曽川に架けられていた元橋で、大桑村から約20㎞北に移動した木曽町にありました。ただ平成10年(1998年)に橋は架け替えられていて、現在は新しい橋になっています。

 

大桑村から国道19号を北上し、道の駅木曽福島を過ぎると、交差点があります。この交差点を左折すると、現在の元橋がありました。

 

これが川下から撮った現在の元橋です。

 

この場所で映画が撮影されたという根拠は、映画に映っている背後の山です。その山を現在の元橋から撮った写真がこれです。

重なった山々と尾根、映画と一致します。橋の下は木曽川で、深い谷になっていました。

 

では、映画に映っていた先代の元橋はどこに架かっていたかというと、現在の元橋から木曽川を約100mさかのぼったところにありました。写真で確認すると、

右側の道路が国道19号線。桜の木のところで、ガードレールに沿って道が左側に続く構造になっています。左側には、ガードレールに取り付けられたパネルが並べられていました。橋は、そのパネルの左方向に架かっていたようです。

 

対岸に渡って見ると、ガードレールとパネルの下の方に、橋を支えていたコンクリート製の構造物を確認できました。先代の元橋は、向こう岸からこちらに架かっていたようです。

 

それでは、映画はどこから撮影したのでしょうか。その場所は、現在の元橋から少し上流と推測されます。しかし少し上流の国道19号付近からは、橋は見えませんでした。そこで、国道から旧中山道に入り、そこから少し上った坂道で撮影しました。その写真がこれです。

山の形がよく分かるように、松竹映画の公式サイトの映像と比べました。撮影場所はこの近くのようですが、橋の架かり方、橋の高さが違います。映画の撮影場所はもう少し、下のようです。改めて、付近を確認する必要があります。

 

では最後に、地図で位置を確認しましょう。

オレンジ線が旧元橋が架かっていたところで、今回の撮影場所は黄点のところです。旧元橋につながる道は、岡谷酸素木曽営業所の北側を迂回しながら県道20号に合流していました。

                                     つづく