への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

寅さんロケ地(第45作) 日南市

2023年02月16日 | 寅さん

男はつらいよ(第45作)』の地方ロケの中心は宮崎県でした。中でも日南市油津飫肥。今回、宮崎県の南部を旅行した際、ちびとらさんたち先達の情報をもとに、ロケ地を回って来ました。

 

映画が始まると、朝食を食べていた満男が博とさくらに、休みにを呼ぼうと提案します。招かれた泉は夕食後満男に、友達の結婚式に出席するため宮崎に行くと、告げます。

 

その後、宮崎に場面がかわり、油津の堀川運河が映し出されます。

広渡川河口と油津港を結ぶこの運河は、1686年に飫肥杉を効率的に運ぶために掘らました。前方の橋は、明治時代に架けられた石組みの堀川橋。国の登録有形文化財です。

 

 

映画】 散髪屋を営む蝶子風吹ジュン)さん、昼休みに店を閉めて喫茶店へ。

現在】 散髪屋から出た蝶子さんは、前方の堀川橋を右に渡りました。

 

 

映画】 橋を渡って来た蝶子さん、喫茶「いづや」に入り、そこで寅さんと出会います。

現在】 喫茶店の場面の撮影が行われた老舗のうなぎ屋「いづや食堂」は、2008年の暮れに暖簾をおろしたそうです(『四国新聞』)。

 

 

散髪屋と喫茶店の位置関係

 

 

映画】 ひと足先に喫茶店を出ていた寅さんは、遅れて出てきた蝶子さんと、橋の上で言葉を交わします。

現在】 下に下りられなかったため、映画と同じアングルでの撮影はできませんでした。

 

 

映画】 蝶子さんに「散髪して行かんねぇ」と言われた寅さん、後をついて行きます。

現在】 左岸の建物は当時からあったものですが、右岸の建物は建て替えられているようです。

 

 

散髪が終わったら、土砂降りの雨。蝶子さんの勧めもあり、寅さんは弟竜介の部屋に泊ることになります。

 

 

映画】 一方、友達の結婚式に来ていた泉は式のあと、飫肥城にやって来ます。

現在】 前方の突き当りを右に進むと、城の入口大手門がありました。

 

 

映画】 大手門をくぐると石段があって、泉は寅さんと偶然、出会います。

現在】 このあたりは、当時と変わりませんでした。

 

 

映画】 寅さんが石段を踏み外し、足を怪我。泉はあわてて、救急車を呼びに行きます。

現在】 右の石垣の模様も当時とほぼ同じでした。

 

 

映画】 泉から連絡を受けた満男は、寅さんを見舞に来ます。寅さんは散髪屋の2階から顔を出して、満男を迎えます。

現在】 散髪屋のこちらにあった建物は、なくなっていました。

 

 

満男が来た日は、油津みなとまつりの日。夜のコンサートには、竜介も出演します。

 

 

映画】 翌朝、竜介は蝶子さんに見送られ、舟に乗って仕事に。撮影は舟の上からです。

現在】 散髪屋の向こう隣りの建物がなくなったことを除くと、当時と同じ光景でした。

 

 

窓を開けて、蝶子と竜介の会話をじっと聞いていた寅さん、この日帰ることを決心したようです。

 

 

この映画が公開(1992.12)されて、30年になります。蝶子の散髪屋のお隣がなくなっていたり、「いづや食堂」が廃業したりしていましたが、風情のある堀川橋と運河の周辺は、ロケ当時とほとんど変わっていませんでした。