In the Nest

ちいさな巣の中から、見上げる空。

ひとつだけ

2005-01-31 00:20:20 | Weblog

ほしいものは
いつだって
ひとつだけなのに

まってるものは
いつだって
ひとつだけなのに

なにも
かわりにはならない
いつだって
ほしいものはひとつだけ
まってるものはひとつだけ



光る海

2005-01-30 11:35:54 | Weblog

おぼえているのは、
教室の窓から見える海が、
きらきら光っていたこと。
運動場のすぐ下を走る電車の音のリズムが、
ここちよかったこと。
中庭の、ミモザの黄色がまぶしかったこと。


「全校生徒のみなさん、
おはようございます」
外のスピーカーを通して、
自分の声が耳に戻ってくる。
どうして放送部に入ったのか
ちっとも思い出せないけど、
マイクの前で喋ることが大好きで、
いつもわくわくした。


二年、三年と、
同じ先生が担任だった。
二年生の時は、汚い言葉で生徒を罵り、
殴ることも多かった。
それなのに、
三年生になったとたん、
別人のように丁寧な言葉遣いになった。
ニコニコと笑って、怒らなくなった。

「あれ、きっと『お礼参り』が恐いねんで。
 サイテーやな。」
みんなは、囁きあった。
表立って反抗する子は少なかったが、
そのかわり、
あいつとはあんまり関わらんようにしよ、という
担任を軽蔑するような空気が、
なんとなくクラスに漂っていた。
実際私も、
二年間も受け持ってもらっていたというのに、
個人懇談以外で、
先生と何か話をした記憶がほとんどない。

実は今、
あの先生何の教科だったっけ?って考えたんだけど、
それすら憶えてないことに気づいて、
自分でもびっくりした。
たしか、数学だったような気がするんだけど。
そのくらい、関心がなかったんだ。

当時何歳だったのかも、全く知らない。
外見からすれば、三十代だったんじゃないかと思う。


「あいつなぁ、自分の生徒と結婚したらしいで。」
「えーっ、うっそー!気持ちわるーっ。」
休み時間の教室で、
女子たちは、悲鳴をあげて気味悪がった。
嫌われてるから、
どんなこともみなマイナス要素になってしまう。


ひとつだけ、はっきりと憶えていることがある。

もう、卒業も近かったころだと思う。
日曜日、母と買い物をしていた。
すると、
スーパーの前で、先生にばったり会った。

「うわっ、こんなとこで・・」
と思いつつ、こんにちは、と挨拶した。
先生も「こんにちは」とにっこりした。
となりに、
ちいさな子供を抱いた、先生よりかなり若い感じの女の人がいた。
女の人は、
私を見ると、顔を背けてすっと先生の後ろに隠れてしまった。

あー、これが噂の、「もと生徒」の奥さんかぁ。
中学三年生の私は、クールな目で
その人をじっと見た。

だけど、
先生たちと別れてから、
どういうわけか、
なんとなく、もの哀しい気分になってしまった。
なぜだかわからないけど。
どうして、そんな気分になったんだろう。

「ねぇねぇ、例の奥さん、見たよー!」と、
いつもの私ならきっと友達に喋ってるはずなのに、
その時は、
そのことをなぜか誰にも言わずに、黙っていた。

中学生は中学生なりに、
「人生、いろいろあるねんな」
って、
漠然と、感じてしまったのかもしれない。



教室から見える海は、きっと今日も光っている。
あの大きなミモザの木は、今もあるのだろうか。
私の子供が同じその中学に通い始めるころ、
私はふたたび、そこに立ってみることだろう。



鬼が来て

2005-01-29 22:24:24 | Weblog

夜、実家に子供たちを迎えに行くと、
娘が、
「おばあちゃんに教わってん」
と言って、簡単なあやとりを披露してくれた。

私も久しぶりにあやとりをしてみた。
昔よくやった、ひとりあやとり。
もう忘れたかな?と思ったけど、
手が憶えていて、勝手にどんどん動く。

すべり台。カメ。ゴムひも。飛行機。
かぶと。爆弾。足袋。
ちょっとした手の動きで
どんどん形が変わり、いろんな物に変身していく。
私がやってみせると、
子供たちは、
「わぁ、お母さんそんなんできるん!すごい!」
と大喜びで見つめている。

おばあちゃん(私の母)がやってきて、
「そういえばそんなのもあったね。懐かしいねぇ。」
と笑っている。
その時突然、
ある言葉を思い出した。


 わたしが枕でねんねしていると
 鬼が来て
 エプロンをとって
 電球を消して
 遠い 暗い道を
 逃げていきましたとさ


私が子供の頃、
母に教わった、ひとりあやとりだ。
上の言葉を言いながら、
枕、鬼、エプロン、電球を
次々と作ってみせ、
最後は一本の紐(道)に戻って、おしまい。

「ねぇ、昔、こんなあやとりなかったっけ?
 鬼が来て、エプロンをとって・・とかいうやつ。」
私が言うと、
母は一瞬きょとんとして、
それから、げらげら笑いだした。

「いやぁー、あんた、そんなんよう憶えてるねー。
 それ、私のオリジナルやんか。」
私はびっくりした。
「えーーっ、これってお母さんが作ったもんなん?!
 知らんかったわ・・」

本当に、
母が自分で作ったものだとは
まったく思っていなかった。
でも、
それを何度も何度もやってみせてくれた
若い母の顔も、その手の動きも、
「鬼が来て」のところで
かならず恐ろしげに変わる声色も、
驚くほど鮮明に記憶しているのだった。


私が今やっているひとりあやとりは
自分のオリジナルではないけれど、
私がこうして、子供たちの前でやってみせたことを
大人になっても、
彼らは憶えていてくれるのだろうか。

そして私も、
たとえささやかなものであっても
「子供のために作った何か」を、
彼らにのこすことができるだろうか。


早くしないと、
子供はきっと、すぐに大きくなっちゃうね。



2005-01-24 19:25:29 | Weblog

 女は「人」に恋をして、
 男は「恋」に恋をする。


どっかのブログで、
誰かが書いてたコメントの中に見つけた言葉。
(どこだかわかんなくなっちゃったので、
勝手に持ってきてごめんなさい・・)

ふだん、
男は○○、女は△△・・みたいにひと括りにすることには
ちょっと抵抗ありなんだけど、
この言葉は、なんだか心に残った。


私の、たいして多くもない過去の経験の中でも
確かに、
「あー、そうだったのかも・・」って思えるふしが
あったりするのです。


あ、もちろん、
男の人はみんな恋に恋してるんだっ!などと
言うつもりは全くありませんので・・(汗



梅が咲いたよ

2005-01-24 16:23:35 | Weblog

朝、病院に娘を連れていく途中で、
梅が咲いてるのを発見。

今年初めて見る梅。
うれしくて、
しばらく立ち止まって眺めていた。


一日たてば、
一日、春が近づいて来る。


 幾重にも花びらかさね春を待つ思いほどけて紅き梅咲く



新しい芽

2005-01-23 11:29:23 | Weblog

ひと月ほど前、
ベランダの隅に放置したまま忘れていた
一年前の球根から
緑色の芽が出ているのを見つけて、
鉢に植えてみた。

しばらく何の変化もなく、
やっぱりだめかな?と思ってたんだけど、
ある日ふと見ると、
もともと出ていた芽の横に
新しい芽が出てる!

その芽はふっくらとして、
いかにも、新しい命を孕んでいる・・という感じがする。
いとおしくなって、そっと触れてみる。
やわらかく、あたたかい感触。


こうして、
春のきざしをひとつずつ、
まわりに見つけていこう。
もう、春がそこまで来てますよ、って、
ここからあなたに伝えよう。



願い

2005-01-23 00:12:05 | Weblog

どうすればいいのかな
夕焼け空を見ながら考える

ううん
きっともう
どうすればいいのかわかっている
でもできないだけ


もっと強くなりたいな
一番星が出たらそう願おう