私は、JR神戸線で通勤している。
そしてこの二年間、
毎朝、一番前の車両に乗り続けている。
一両目は事故の時もっとも危険、ということは
知っていたけれど、
他の車両に比べて座れる率が高く、
降りたあと改札まで最短距離で行けるという理由から、
この習慣をずっと変えずにいる。
今日私はたまたま仕事が休みで、
自宅で、脱線事故のニュースを見ていた。
テレビに映し出される、見慣れた色の電車。
繰り返される、耳慣れた地名。
そこにいるのは自分だったかもしれない、と本気で思った。
電車だけが危ないわけじゃない。
どこにいても、何をしていても、
いつ何が起こるかわからない。
どれほど周到に、用心深く暮らしていたとしても。
明日の朝も私は、
JRの快速の、一両目に乗っているだろう。
生きていくこと自体、
いつだって、命懸け。