In the Nest

ちいさな巣の中から、見上げる空。

期限付きの愛

2005-01-14 22:43:04 | Weblog

いつものように、
夜、実家に子供を迎えに行く。

ドアを開けると、
ふだんは真っ先に娘が飛び出してくるのに
今日は珍しく、
息子が走り出てきた。

「おかあさんおかえり」
と抱きついて、
ほっぺにチュッ、ってしてくれた。
おやおや、どうかしたのかな。

でも、やっぱり可愛い。
私ともう20cmほどしか背丈の違わない息子を
ぎゅっと抱きしめて、
チューのお返し。

「やったー」
とニコニコ顔で、部屋に戻る息子。
おじいちゃんに、
「ん?何が『やったー』なんや?」
と訊かれ、
「なんでもない、ナイショや」
と答えながら逃げてゆく。


私はもちろん子供を愛しているけれど、
本当は、
子供の、私に対する愛情の方が
ずっとずっと強くて絶対的なものなのかもしれないな。
そんな風に思ってしまう。

それはもちろん、
この先少しずつ、あるいは一度に、
失われていくことがあらかじめわかっている、
切なくてはかない期限付きの愛ではあるのだけれど。


「おかあさん」への絶対的な愛情を失っても、
いつか、
他の誰かをきちんと愛せる男の人になれますように。