あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

肩こりってどのツボが一番効きますか?

2009-06-17 22:38:30 | 健康・病気

肩こりに限らず、いろんな病名についてこういう質問も

意外と多い質問です。

さて、どこのツボが一番効くと思われますか?

有名なところでは合谷(ごうこく)曲池(きょくち)などの

ツボの名前が出てきそうな感じです。

私の治療ではこのツボです。とお答えすることはできません。

なかなか理解が得られないのがこの面だと思うのですが

西洋医学と東洋医学にはここに大きな差があります。

西洋医学では、病名をつけてからしか治療は始まらないのですが

東洋医学では患者様のお身体をまず診断して

元気のないところを補い(補法とも呼びます)

身体にとって障害となっているものを取り去って(寫法とも呼びます)

お身体全体の氣血津液のバランスを調整してその結果として

肩こりが治っていくというプロセスをふんでいきます。

ですから、肩こりの理由がいわゆるOA症候群のような目の疲れ

から来ているような場合

(大体そういう場合は血が消耗していることが多いです)は

メインとして血を補うような鍼をしますし、いわゆるメンタル的な

ストレスで氣が停滞しているような患者様には氣をめぐらせるような

治療をしますので、ひとつの病名に対してこの「ツボ」のような

考え方はまったくありません。薬局に行って頭痛薬を買うような感覚で

痛いならば痛み止めとか痒いなら痒み止め的な考え方では

ないのです。こういうのを「対症療法」と呼びますが、ここで

お気づきになりませんか?何かが起こってからしか治療にならないのですね。

一昨日のブログにも書きましたが

「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」

私の目指しているのは未病治です。痛くなってから痒くなってから

凝ってからではなく痛くならない凝らない治療を目指しています。

最近では西洋医学でも予防医学なんて呼ばれて、メタボ検診も

その一環なのですが、これもやはりおおよその病名を予想して

それに対処していくということですが、東洋医学の醍醐味は

病気にならない身体を作るということなのですね。

説明が良かったかどうかわかりませんが、この大きな違いに

気がついていただけると本当にうれしく思います。

治療だけでなく、養生もとても大切です。いかに健康に暮らすか?

「腹八分目でストレスを溜めずに楽しくメリハリ良く暮らす」ことが一番です。

なかなか現代人にはこれが難しいのですが

この実践こそかくしゃくと老後まで生きる一番の健康法なのです。

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