あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

繰り返す発作と闘いながら

2022-02-13 20:13:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは。今日は冷たい雨☔️となりましたね。
なかなかすんなりと春が訪れないですね。。

毎週日曜日は、院長の自伝です。

鍼灸専門の治療家として臨床成果は確実に上がって来たが、私の眼はほとんど見
えなくなり、悪性の緑内障により眼圧が上がる発作を繰り返す様になった。眼圧
が40以上になると眼だけで無く頭が割れる様に痛む。とても治療が出来る状態
ではなく、入院して眼に直接注射器を刺して、眼房水を抜き取る手術をおこない、
その後うつむきで何日間か寝ているのが辛かった。
 この頃このような入退院を何回となく繰り返したが、治療院における臨床成
果が上がり、脉診流・経絡治療が楽しくなり、患者さんとの信頼関係も強くなっ
て来た時なだけに、治療院を休診にしなければならないのがとても残念で有り悔しかった。
ベーチェット病は更に悪化して、眼圧が70を越えた時、入院中に見舞いに来て
くださった友人が隣で紙袋をがさがさとさせただけで頭にガンガン響く。もう
我慢が出来ない。先生に眼球を切り取って下さいと願い出た。
先生は、「これから眼科の医学がどの様に進歩するか分からないので大切な場所は残します」と言
われて、影響を与えている部分を切除する手術を行った。現在でも右眼は小豆大
の小さな眼が残っているがその上に義眼を付けているので、他人から見るとその
眼が見えている様に感じるらしい。
 私は白杖を持って一人で外を歩くことは出来ないが、家の中では何不自由なく闊
歩できる。治療院では、5台の診療ベットを歩き回り患者さんの脉を取り、腹を
触り、患者さんの訴える患部にさっと手が当たる為に、「先生、本当は見えている
のでしょう」等と言う方もみられる。
 私は、「ばれましたか、美人の方だけは良く見えるのです」等と冗談を言いなが
らその患者さんのそばに行って指先の爪で義眼をたたくとかちんかちんと音がす
る。エ! と、絶句する。「義眼を外して見せましょうか」と追い打ちを掛ける
と、「いえいえ、結構です」と恐縮する。スタッフも他の患者さんも大笑いである。
 ところで、右目を除く手術をしてからは不思議に左眼の眼圧は上がらなくなった
ので、生まれたときに両親からいただいた眼がそのまま有るが、徐々に視力が低
下して縫い物針の穴からわずかに届いていた様な光もやがて失われ1年ほどで全く見えなくなった。
 瞳孔は白く濁り、ロンパリで患者さんと焦点が合わないので、左眼が見えないことは一目瞭然である。
それにしても本物と間違えられるほどの義眼の出来映えの良さに感心したものである。

次週に続く
コメント
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